星になった女神
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
3部分:第三章
第三章
だからこそだった。今ここでその青年神に斬りかかった。しかしであった。
まずはその右手の火の玉が放たれた。それは一直線に飛びコヨルショウキの心臓を貫いた。まさに一撃でそれが終わったのである。
コヨルショウキはそれで後ろに倒れようとする。だが青年神のその動きは止まらず後ろに倒れようとする彼女のその首を刎ねてしまった。
赤い剣が右から左に一閃されだ。それで首を刎ねたのだ。
首を刎ねられた彼女の身体は山の頂上から転がり落ちる。弟神や妹神達もそれを見る。
「姉上!」
「これは一体!」
だがもう彼女は何も言えない。そのまま身体は山を転がり落ち手も足もその中でぶつけてひしゃげ千切れていく。後には手足がなくあちこち傷だらけの無惨な亡骸があった。
そしてだ。残った彼等にも頂上から青年の声が届いた。
「コヨルショウキは死んだ!」
まずはこのことが告げられた。
「私を認めぬから斬った。今彼女は死んだ」
「死んだ・・・・・・」
「姉上が」
「そしてだ」
彼はさらに言うのであった。
「我が名はウィツロポチトリという」
「ウィツロポチトリ?」
「それが」
「そうだ、太陽神の名だ」
こう名乗るのであった。
「そして父はいる」
「何っ!?」
「いるというのか!?」
「まさか」
「いるのだ」
こう話すのである。兄神や姉神達にだ。
「今それを言おう」
「まさか」
「それでは今まで我々は」
「早まったというのか」
「そうだ、結果としてそうなる」
彼等を見下ろしながらの言葉だった。
「我が父はテスカトリポカ」
「何っ、テスカトリポカだと」
「あの方だったというの!?」
「まさか」
「だが事実だ」
それでもだ。彼は言うのであった。
「私の父はテスカトリポカだ。それを言おう」
「何ということだ」
「戦いの神が父だったというのか」
「そうだったの」
「言おうと思っていました」
ここでコワトリクエもだ。我が子達に言ってきた。
ページ上へ戻る