ハイスクールD×D大和の不死鳥
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デッドGP
時はティアナ達がホットアイと和解する少し前に戻り、スバル達が六魔将軍のレーサーと遭遇していた。
◇スバル
臨戦態勢に入るあたし、ギン姉、グレイさん、リオンさん。するとレーサーはおもむろに片手を掲げ……
「デッドGP、開幕!!!!」
掲げた手を下に下げながら高らかにそう宣言する。
ブォオン…ブォォォオン…ブオォォォォオン
「「「「!!」」」」
すると同時に、どこからかエンジン音のような音が辺りに響き始める。
そして……
ブオォォォォォオオン!!!!
「なっ!!!」
「魔導二輪!!? こんなにたくさんの……!!?」
森の中から何台もの魔導二輪…わかりやすく言えばバイクが走ってきた。
「うわっ!」
「がっ!」
「きゃあ!」
「くっ!」
大量に走ってくる魔導二輪に軽く轢かれるあたし達。
「地獄のモーターショー。踊れ!!!!」
「がはっ!!」
「うあっ!!」
そしてあたしとグレイさんはその魔導二輪に乗ったレーサーに蹴り飛ばされる。
「それ…乗れんのかよ」
それを見たグレイはレーサーを見習って、一台の魔導二輪に乗り込み、後ろにリオンさんが乗り込む
「スバル!!!ギンガ!!!」
「大丈夫です!!! 私達には…自前がありますから!!!」
そう言うと、あたしは両足のマッハキャリバーのローラーをギン姉は両足のブリッツキャリバーのローラーを回転させて走り出した。
「なるほど…んじゃあ、行くぞオラァ!!!!」
「あぁ」
「えぇ」
「はい!!!」
そしてあたし達は、前を走るレーサーを追いかけ始めた。
「面白い……オレとレースで勝負しようと?」
「ルールはねえから覚悟しとけや」
こうして五人による、樹海の中でのルール無用のレースが始まった。
「アイスメイク〝槍騎士〟!!!」
手始めにグレイさんがレーサーに向かっていくつもの氷の槍を放つが、レーサーはそれを軽々と避ける。
「だったら……一撃必倒!!!」
それを見たあたしは、叫びながらリボルバーナックルに魔力を込める。
「ディバイン……バスター!!!!」
そして思いっ切り拳を振るい…なのはさんの必殺技の集束砲を発射した。
「遅いぜ」
しかしレーサーは、その集束砲も余裕でかわしてしまう。
そして、レーサーはお返しと言わんばかりに手を翳すと、四人に向かって大量のタイヤが転がってくる。
「タイヤ!!? ってあぶなっ!!!」
「うお!」
「きゃあ!」
転がってきたタイヤを間一髪で避けるあたし達。
そしてそのまま五人は木のトンネルの中へと入っていった。
当然…トンネルの中でも攻防は続く。
「ぐあっ!」
「くっ!」
「うわっ!」
「きゃあ!」
レーサーの魔導二輪から発射された魔法弾により、4人は体制を崩し、一旦止まってしまう。
それでも四人は負けじと再び走り出し、木のトンネルから飛び出す。
◇
「リオン、アイツを頼む。運転しながらじゃうまく魔法を使えねえ」
「ほう、そういう事ならよく見ておけ。オレが造形魔法の手本を見せてやろう」
「一言余計だ」
「じゃあ、私とスバルはリオンさんが攻撃した後の追撃に回るわ。いいわねスバル?」
「了解!」
4人で作戦を確認した後、早速行動に移る。
「アイスメイク…」
「! お前…両手で魔法を…」
以前、悪魔の島で戦ったときのリオンは片手で造形魔法を使っていたが、今はグレイと同じく…手のひらに拳を乗せるという両手のスタイルを使っていた。
「師匠
(ウル)
の教えだろ」
そう答えるリオンを見て、グレイはどこか嬉しそうな顔をする。
「大鷲
(イーグル)
!!!!」
「何!?」
そしてリオンは氷で造られた何羽もの鷲を発射し、レーサーの魔導二輪を破壊する事に成功した。
だが、レーサー本体は攻撃が当たる直前に持ち前のスピードで脱出していた。
「今よスバル!!!」
「うん!!!」
そんなレーサーに向かって、スバルとギンガが飛び出した。
「「リボルバーシュート!!!!!!」」
スバルとギンガは強力な砲撃を発射しレーサーを攻撃する。
キィン!
しかし、それはレーサーのスピードを前に空振りに終わった。
「遊びは終わりだ」
そう言うと、レーサーは超スピードでグレイとリオンが乗った魔導二輪に突撃し、魔導二輪を破壊する。
「アイスメイク〝大猿(エイプ)
〟!!!!」
「〝大槌兵
(ハンマー)
〟!!!!」
間一髪で脱出したグレイとリオンはすぐさま反撃に出るが、どの攻撃も空振りに終わる。
「当たらねェ!!!!」
「落ち着け!!! 4時の方向だ!!! 集中すればとらえられん相手ではない!!!」
「集中か…よし!!!」
グレイとリオンはそう言うと……
「行くぞリオン!!!!」
「オレの合図で撃て!!!! 全力でな」
2人は上半身の服を脱ぎ捨て、構えたのだった。
「(なぜ服を脱ぐ……!!?)」
「「(なぜ服を!?)」」
そんな2人にレーサーとスバル、ギンガが内心でツッコム。
「今だ!!! 正面50m先!!!!」
「見切ったァ!!!!」
レーサーのスピードを見切ったグレイとリオンは、渾身の魔法を放つ。
「氷欠泉
(アイスゲイザー)
!!!!」
「白竜
(スノードラゴン)
!!!!」
キィィィイイン!
しかし…そんな2人の渾身の攻撃でさえも、レーサーは簡単に回避してしまった。
「な!!!」
「さらにスピードを上げた!!?」
さらにスピードを上げたレーサーに驚愕する一同。
ただし、リオンとギンガだけが…遠くの木から飛び立っていく鳥を見つめていた。
「こっちだ」
「がっ!」
「くっ!」
「うぐっ!」
「きゃっ!」
そしてそのスピードのまま4人に攻撃を加えるレーサー。
「テメェらの攻撃なんぞ、一生かかっても当たらんよ。オレの速さには誰も追いつけん。」
そう言ってレーサーは笑みを浮かべながら4人を見据える。
そんな中、スバルが不気味な笑みを浮かべる。
「スバル?」
「あ~あ、ヤマトにも隠してる奥の手を使ちゃうか~」
スバルはレーサーを睨みつける。
「行くよ。『流星(ミーティア)』」
一瞬スバルが消えた。
「ぐはぁ!」
突然レーサーが吹き飛ぶ。
「やっぱり、マッハキャリバーと相性悪いなぁ~」
スバルが居た場所にスバルがいた。
「スバルどこでそんな魔法のを……」
「天体魔法って言うんだって。一月前にクエスト帰りに魔導師から教えて貰ったんだ。でも、マッハキャリバーと相性が悪くてめったに使わないから教えて無かったんだ」
スバルは笑いながら話す。するとレーサーが立ち上がる
「まさか、オレが一撃もらうなんてな。だが!もう同じ手はくらわねぇ!」
「実は…レーサーの魔法のネタがわかったんだよね。その魔法、一定距離の敵の速度を遅くする魔法でしょ?」
「「「!?」」」
「よくわかったな」
スバルは魔法に関しては頭が回るらしい。
「その魔法の欠点は二つ。一つは魔法範囲外の相手には使えないこと、そして二つ目は範囲内の人が自分の速度を上げられたらどうなる?答えはこうなる!」
スバルは一瞬でレーサーに近づいて攻撃する。
「リボルバーシュート!」
「ぐはぁ!」
吹き飛ばされるレーサーにさらにスバルが追い討ちをかける。
「一撃必倒…………ディバイン………バスター」
「ぐあぁぁああああああっ!!!!!」
「ぐあぁぁああああああっ!!!!!」
スバルの攻撃が直撃し、レーサーは大きく吹き飛ばれ…そのまま倒れたのであった。
◇
スバルは三人と合流し喜びを分かち合っていると
「まだだーーーー!!!!」
倒したハズのレーサーが、血反吐を吐きながらも立ち上がった。
「六魔将軍の名にかけて!!! ただの敗北は許されねえ!!!!」
そう叫びながら、レーサーは上着のジッパーを開ける。するとそこには、いくつかの試験管のようなモノが入っていた。
「あれは…爆弾の魔水晶
ラクリマ
!!!?」
「まさか……」
レーサーが持っているモノが爆弾だと認識した一同は驚愕する。
「一人一殺!!!!」
そう言いながらレーサーが向かう先には…グレイの姿があった。
「しまっ…」
「!! グレイさん!!! 危ない!!!!」
「スバル!!?」
キズの影響でその場から動く事ができなかったグレイを庇うように、スバルが立ち塞がる。
そしてグレイとスバルが身構えたその時……
ドン!
レーサーとスバルの間に人が分け入り、レーサーを殴り飛ばす。
「大丈夫か?スバル、ギンガさん……」
その人は五つの世界を知り、二度の死を経験したヒーローや英雄と呼ばれている、現クレイドル部隊長の………
「「ヤマト!」」
続く
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