ソードアート・オンライン 蒼藍の剣閃 The Original Stories
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ALO編 Running through in Alfheim
Chapter-15 紡ぐ未来のその先へ
Story15-2 最後の壁
シャオンside
「……これ、いつになったら開くんだ?」
先ほどからキリトも我慢しきれずにカツンカツンと剣を突き立てているが傷1ついてない。
「ユイ……どういうことだ?」
思わずキリトは娘の名前を叫んでいた。するとすぐさま胸ポケットからユイが出てきて扉に手を当てた。
「パパ、シャオンさん……この扉はクエストフラグでブロックされているのではありません。単なるシステム管理者権限によるものです!!」
「それって……」
「シャオンさんの思ってるので正解だと思います」
つまり、プレイヤーには絶対開けられない扉ってことか…………
このドームの敵を最高難易度に上げるに留まらずにプレイヤーが抗えないシステム権限という鍵がかけられている……どんなゲームだよ、それ。
「あと少し……あと少しなのに…………!!」
ガツン、ガツンとさらに拳を突き立てるが一向に開きはしない。
「頼む……開いてくれよっ……!! この先にいければ……!!」
なにかシステムに抗えるものはないのか……? ただのプレイヤーにはやっぱり無理なのか……っ!?
その時キリトが何かを探すように胸ポケットに手を突っ込んだ。
「ユイ、これを使え!!」
「それは!?」
「これはアクセス用のカードですね。これならシステム制限を突破出来るかもしれません」
レイがひょっこり顔を出し、解説する。
「マジか!? お前マジですげぇな」
「レイ、転写を手伝ってください!」
「うん!」
ユイとレイは小さな手でカードの表面を撫でると光の筋がいくつかユイとレイへと流れ込む。
コードの転写を終わらせたユイとレイはその小さな手のひらで扉を叩いた。するとそこから放射線状に閃光が走りゲートが光り始めた。
「転送されます!!」
「パパ、キリトさん、掴まって!!」
キリトはユイの、俺はレイの伸ばした小さな手に触れ、しっかりと握ったその瞬間、光のラインが俺とキリトにも流れ込んでくる。
それを見たのか騎士どもが騒いでこちらに剣を振りかぶってくる。だが、それはまるで幽霊のように通り抜けた。
「……うわっ!?」
不意に何かに引っ張られるような気がして目の前が真っ白に染まっていく。俺はレイ、ユイ、キリトとともにデータの奔流になって世界樹へと突入していった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「うわ……何もねぇ」
転送された先はのっぺりとした通路のみで、きらびやかな装飾はなにもない場所だった。
「シャオン、大丈夫?」
「うん……まぁ大丈夫だ。てかミリーお前どこいたんだ?」
「秘密です!」
「それ威張っていうことじゃない……てかこんな話してる場合じゃないな」
始まりかけたほのぼの会話を切って、率直な疑問を問う。
「……ここは一体どこなんだ」
「判りません……ナビゲートのマップ情報がこの場所には存在しないようですから……」
「そもそもここは通常入れない場所ですから……」
妖精の姿ではなくいつもの姿のレイとユイが困惑した顔で言う。
でもこのまま道なりに進めば必ずいけると思う。多分、分かれ道みたいなのはないだろう。
「アスナとフローラの居場所はわかるか?」
キリトが問いかけた。
「はい、どちらもかなり近いです……上のほう……こっちです!!」
二人ともワンピースから素足で床を蹴り、音もなく走り出す。自身の武器を戻し、俺とキリトはユイとレイを追う。
しばらく走ると左側、外周方向に四角い扉が見えてきた。これにも周りの壁と同じく装飾の類はない。
「ここから上部へ移動出来るようです」
とユイがその扉を指差す。何かないかと扉の辺りを見るとそこには上下を指しているのか三角のボタンが2つついていた。
「ミスマッチ過ぎるだろ……これ」
ためしに上を指している三角ボタンを押してみると黄色く発光し、同時に扉も開く。
間違いなく、エレベーターだ。
ユイが、先ほど上と言っていたのでこれに乗って正解だろう。
中に入ると光っているボタンがいくつかあり、どうやらここが最下層のようだった。上に行くしかないようだ。
それに対し上にはあと2つのフロアがある。キリトが迷った挙句一番上を押すと、ドアが閉まり現実と同じ上昇感覚が体を包む。
想像よりはやく着いたらしくドアが開くがそこには先ほどと同じ通路があった。
「高さはここでいいか?」
「はい……もう、すぐ……すぐそこです」
俺の手をレイが握り、ユイはキリトの手を握り、二人は走り始めた。
さらに走るとユイとレイは分かれ道で立ち止まった。まだ先に道は続いている。
「いきなりどうしたんだ?」
「こっちにフローラが?」
「……はい。私がいる方向がママの方向、ユイが向いている方向がアスナさんの方向です」
レイの言葉に一瞬息を飲んでしまう。しかし、ここまで来て緊張してもしょうがない。いつも通りだ。
「だったら……俺は行くよ。終止符、打たないとな。
キリト……絶対助けろよ」
「当たり前だ。そっちも気をつけろよ」
キリトの言葉を聞いて、俺たちは手のひらを打ち合わせる。パンッといい音が鳴り響く。
キリトが行ったのを見て、俺も気合いを入れ直す。
「パパ……行きましょう!!」
ここで桜華を助けれなかったら……そんな考えはない。俺は絶対に……!!
「絶対に助け出す……だから…………」
待っててくれよ、桜華…………!!
Story15-2 END
後書き
さて……次回はALOの最後の山場ですね。
シャオン「やっとここまで来たんだ……絶対に助け出す」
キリト「みんなで、笑って帰ろう」
じゃあまずはシャオンから。頑張れよ。
キリト「フローラ助け出せなかったらぶっ飛ばすからな」
シャオン「そんな考え全くないな」
じゃあ……
キリト「次回も、俺たちの冒険に!」
シャオン「ひとっ走り……付き合えよな♪」
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