ハイスクールD×D大和の不死鳥
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15星霊合戦と聖霊
キャロ達の前に六魔将軍のエンジェルが現れた。
(あたし、物凄く怖い……けど、子供に戦わせる訳には行かない!私が頑張らないと!)
内心でそう決意し、覚悟を決めた表情をするルーシィ。
「(幸い、ここは川……水がある!!! ついてるわ)」
「私…君の持ってる鍵が欲しいの、ルーシィちゃん」
エンジェルの言葉を意にも介さず、私は鍵を構える。
「開け!!! 宝瓶の扉…」
「アクエリアス!!!!」
鍵を川の水に突き刺して、アクエリアスを召喚するルーシィ。
「やっちゃって!!! あたしも一緒で構わないからっ!!!」
「最初からそのつもりだよ!!!」
「最初からって……」
アクエリアスの物騒な発言に、少なからず引いたルーシィ。
「全員まとめて吹っ飛びなァ!!!!」
恐ろしい形相で瓶を振るい、水で全てを吹き飛ばそうとするアクエリアス。しかし、エンジェルは特に慌てたようすもなく、一本の金色の鍵を構える。
「開け、天蠍宮の扉」
「黄道十二門!!?」
「え?」
「スコーピオン!!!!」
ルーシィとアクエリアスが驚愕している間に、星霊界の扉が開かれ……
「ウィーアー!!! イェイ!!!」
そこからサソリの尻尾を模したような銃を持った男性の星霊…スコーピオンが現れた。
「スコーピォぉぉん♪」
「はいいっ!!?」
すると、そんなスコーピオンを見た途端、先ほどの恐ろしい形相が一変し、ネコ撫で声になるアクエリアス。
「ウィーアー、元気かい? アクエリアス」
「私……さみしかったわ。ぐすぐす」
「…………!!!」
今までに見た事のないアクエリアスの姿に、言葉を失い絶句するルーシィ。
「ま…まさか……」
「私の彼氏♪」
「ウィーアー、初めましてアクエリアスのオーナー」
「キターーーー!!!!」
以前から話題に上がっていたアクエリアスの彼氏を見て、思わずルーシィはそう叫んでしまう。
「スコーピオンの前で余計な事言ってみろテメェ…お? 水死体にしてやるからな…」
「はい」
恐ろしい形相でそう脅迫され、頷くルーシィ。どうやらアクエリアスはスコーピオンの前だと猫を被っているようだ。
「ねぇん♪お食事に行かない?」
「オーロラの見えるレストランがあるんだ。ウィーアー、そう言うわけで帰ってもいいかい? エンジェル」
「どうぞ」
「ちょ……ちょっと!!! アクエリアス!! 待って!!! いやーーー!!!!」
ルーシィの静止の言葉も虚しく、アクエリアスはスコーピオンと共に星霊界へと帰ってしまった。
「星霊同士の相関図も知らない小娘は、私には勝てないゾ」
「きゃっ!」
エンジェルの平手打ちを喰らい、川の中へと倒れるルーシィ。
「(どうしよう…最強の星霊が封じられた…いや……もう一人いるじゃない!!! 最強の星霊)」
そう思い立ったルーシィはすぐさま立ち上がり、次なる鍵を構える。
「開け!!! 獅子宮の扉!!! ロキ!!!!」
「王子様参上!!!」
現れたのは…ルーシィの星霊であり、妖精の尻尾
フェアリーテイル
の魔導士でもある星霊……獅子宮のレオこと、ロキであった。
「レ…レオ……」
ヒビキはロキと面識があるのか、彼の姿を見て少々驚愕していた。
「お願い!! あいつを倒さないとギルドが……!!」
「お安い御用さ」
「クス、言わなかったかしら? 大切なのは相関図」
「「!!」」
そう言ってエンジェルは更にもう一本の金色の鍵を構える。
「開け、白羊宮の扉。アリエス!!!!」
そして現れたのは…羊の角を生やし、モコモコとした服を着た少女の星霊……アリエスであった。。
かつては『青い天馬
(ブルーペガサス)』
の星霊魔導士…カレン・リリカと契約していた星霊の1体で、彼女から手酷い扱いを受けていた星霊。ロキが星霊界を追放される切っ掛けとなった者と言っても過言ではない星霊であった。
「ごめんなさい、レオ」
「アリエス…」
「カレンの星霊……」
「こりゃあ…また随分と懐かしい奴が出てきたな……」
「そ……そんな…これじゃロキまで戦えないじゃない」
ロキにとって戦い辛い相手であろうアリエスの登場に、ルーシィは声を震わせる。
「何でアンタがカレンの星霊を!?」
「私が殺したんだもの。これはその時の戦利品だゾ」
「あう」
まるで物を扱うかのようにポンポンとアリエスの頭を叩くエンジェルを見て、ロキは険しい表情を浮かべる。
しかし……険しい表情をしているのはヒビキも一緒であった。
「(カレンを殺した……? この女が……僕の…恋人を……殺した? 星霊魔導士が…カレンの命を……)」
体を震わせ、虚ろな目でそう考えるヒビキ。
ルーシィは、ロキとアリエスの予想外の再会に、複雑そうな表情を見せる。
「せっかく会えたのにこんなのって……閉じ…」
ロキを戻そうとするルーシィだが、その行動はロキ自身に止められた。
「見くびらないでくれ、ルーシィ。たとえかつての友だとしても……所有者
オーナー
が違えば敵同士、主の為に戦うのが星霊」
「たとえ恩のある相手だとしても、主の為なら敵を討つ」
「それが僕たちの……」
「私たちの……」
「「誇りだ(なの)!!!!」」
そう言うと、ロキは両手に獅子の光…アリエスはモコモコとした羊毛を纏い、戦いを始めた。
「あっれ~? やるんだぁ? ま…これはこれで面白いからよしとするゾ」
「(違う……こんなの、間違ってる……)」
そんなロキとアリエスの戦いを、エンジェルは面白そうに眺め、対照的にルーシィは辛そうな表情を浮かべている。
「う~ん…さすがに戦闘用星霊のレオじゃ部が悪いか…よーし」
エンジェルはそう言うと、今度は銀色の鍵を取り出す。
「開け、彫刻具座の扉、カエルム」
エンジェルが新たに呼び出したのは、機械のような容姿をした星霊であった。
そしてそのカエルムから発射されたレーザーは……なん味方のアリエスもろとも、ロキを貫いた。
「がっ!」
「いぎっ!」
「あははっ!! うまくいったゾー♪」
「(味方の星霊ごと…)」
エンジェルの非道な行いに、呆然とするルーシィ。
「アリエス…」
「レオ…」
「すまないルーシィ」
「(いい所有者
(オーナー)
に会えたんだね。よかった……)」
「ぐっ!」
「ああっ!」
そして大きなダメージを負ったロキとアリエスは星霊界へと戻っていった。
「見たかしら? これが二体同時開門。んー♪強力なレオはこれでしばらく使えないゾ」
「信じらんない……」
「なにが~? どうせ星霊なんて死なないんだし、いーじゃない」
「でも痛みはあるんだ…感情だってあるんだ。あんた、それでも星霊魔導士なのっ!!!?」
ルーシィは涙を浮かべながらそう叫ぶと、新たな鍵をとりだすが、キャロ、ルーテシア、ヴィヴィオが止める。
「ルーシィさんは下がってください……」
「後は私達が……」
「引き受けるよ……」
「でも……」
ルーシィは最後まで言えなかった、なぜならキャロ達は涙を流して居たからだ。
「私達は……」
「あなたを………」
「許さないよ!」
「子供が怒っても怖くないゾ」
三人相手でも勝てると笑っているエンジェル。だが、エンジェルは後悔することになるとはキャロ、ルーテシア、ヴィヴィオを除いて誰も知るよしもなかった。
◇
「行くよ、ルーテシアお姉ちゃん!キャロお姉ちゃん!」
「「うん」」
三人はプラチナの鍵を取り出す。
「「「開け!」」」
「「「!?」」」
エンジェル、ルーシィ、ヒビキが驚いていた、プラチナの鍵など見たことが無いからだ。
「「「天空の扉!バハムート!」」」
空に門が開き中から通常の星霊の数倍から数十倍の大きさの聖霊が現れる。
「こんなの見たことが無いぞゾ!
「星霊を道具としか扱わない貴女はお仕置きが必要…」
無表情のルーテシアが呟くとバハムートが動き出し四つん這いになる。
「「「全力全開、『メガフレア!』」」」
バハムートは極大の砲撃を放ち樹海を抉った。
エンジェルは死んでは居ないが完全に沈黙してしまっている。
六魔将軍の一人エンジェルは三人の少女に敗北してしまった。
続く
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