Fate/Modification 〜13人目の円卓の騎士〜
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prologue カムランの丘
前書き
Fate/シリーズとしてははじめて手を付けます。
楽しんで頂けたら幸いです。
?⁇? ?月?日
イギリス カムランの丘
嘗て、戦争があった。
国家対国家ではなく、7人のマスターと、7騎のサーヴァントが熾烈な殺し合いを行う戦争が……。
聖杯戦争。
7人のマスターが、7騎のサーヴァントを召喚し、互いに競わせ、最後の1人になるまで殺し合い、残った1組のみが聖杯という万能の願望機を手に入れる為の戦争。
俺が師と仰ぐ人も、その聖杯戦争で戦い、勝ち残った人だ。
もっとも、師は聖杯を破壊し、全てを水泡に帰させたようだが……。
そよ風が吹き荒ぶ小高い丘。
嘗てカムランの丘と呼ばれたこの地は、鬱蒼と生い繁る芝生と雑草に覆われている。
その丘をひたすら登る。
手には白い薔薇と百合の花束。
花束から花弁が舞い、カムランの丘へ散っていく。
俺はひたすら丘を登っていく。
雑草ばかりの丘が、だんだんと芝生の禿げた荒地へと変わっていき、いくつもの剣がまるで墓標のように乱立する頂上へたどり着いた。
目の前には、墓石代わりに置かれた石がひとつ。
俺はその墓石に刺さった二対の夫婦剣に一瞥。
その夫婦剣の下に花束を供え、手を合わせた。
「…師匠、あれからもう2年経ったよ……」
夫婦剣の持ち主であり、師であった男に祈りを捧げた。
「〝腕〟の方はもう馴染んだよ。
〝凛先生〟にはバケモノ扱いされたけどね…ははは……」
左腕の裾を捲り、腕の縫い跡を摩りながら独り言ちた。
白い肌とは対照的な浅黒い腕が、本来の腕ではない事を物語っている。
2年前、このカムランの丘で、俺と師匠は魔術協会の一派と小競り合いになり、師匠は死に、俺は左腕を斬り落とされた。
そこで魔術協会からやって来た先生……〝遠坂凛〟と出会い、師匠の腕を移植された。
「…もう行くよ、俺ももう立派なお尋ね者だから」
墓に一礼し、踵を返して坂を下る。
もしかしたら、もう来れないかもしれない。
ふとそう思い、何気なく振り返った。
瞬間、視界が真っ黒に染まった。
「ッ⁉︎」
物凄い力で黒い何かに引きずり込まれる。
手脚をばたつかせるが、まったく効果がない。
遂に視界一面が黒い何かに包まれ、意識も朦朧とし、身動き出来なくなった。
(なんなんだよ……‼︎)
そして俺は、意識を失った。
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