インフィニット・ストラトス 乱れ撃つ者
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臨海学校 準備
前書き
一応、アニメの一期で区切りをつけようと思ってます
朝、目が覚めるとそこには裸のボーデヴィッヒが
「なにしてんのぉぉぉ!?」
「……ん……」
ビックリして布団をはね除け、ベッドから飛び出す。
ボーデヴィッヒの方も目を擦り、寝惚けながらも体を起こす。
「夫婦とは一緒に寝るものだと聞いたぞ……?」
「それ以前の問題で、俺らは夫婦でもないし第一にどうやって侵入した!?」
「? ピッキングは基本だぞ?」
「違うから。絶対違うから」
コテンと首をかしげるボーデヴィッヒが可愛く見えたが、シーツを一枚羽織っているというとんでもない格好だったことを思いだし、すぐに顔を背けた
無理だから。あれを直視なんて俺には無理だから!
「ぼ、ボーデヴィッヒ、とりあえず服を着てくれ」
「なんだ。ボーデヴィッヒなんてよそよそしいぞ。 ラウラと呼べ」
「なんでもいいから! 服着ろって!」
俺はボーデヴィ……ラウラの方を向かずにクローゼットからTシャツを一枚投げ渡した。
「ふむ、中のものか……」
受け取ったTシャツをまじまじと眺めた後、そのままTシャツを自分の顔に押し付け匂いを嗅ぎ始めた。
……いや、なんで嗅いだの?
少しして、顔をあげたラウラの顔は上機嫌なもので、いそいそとそれを着る
「む? どうかしたのか?」
「あー、いや、なんでも」
裸の上からだぼだぼのTシャツは破壊力抜群だったことをここに明記しておこう
「中、お前も買い物いかないか?」
「買い物? なに買うんだよ」
ラウラを部屋に戻し、俺も着替えと朝食をすませるていると、部屋を訪ねてきた一夏にそう誘われた。
「ほら、もうすぐ臨海学校だろ? 水着買おうと思ってよ」
「ああ。 確かに。俺も買ってねぇな。 今から行くのか?」
「おう。 じゃあ、三十分後に校門前集合な」
了解、と返し、出かける準備……といっても、制服に着替えて財布の用意をするだけなのだが
戸締まりだけちゃんとするが、朝のことを思いだし、今度付け替えられるかどうか聞いてみるかと一人思うのだった
「……なんか、すまんなシャルル……」
「いいよ、僕も薄々はこうなるかもとは思ってたから……」
「ん? 二人とも、何で元気ないんだ?」
街へ向かうモノレールの中で、俺とシャルル、いや今はシャルロットか、俺とシャルロットはため息をついた。
待ち合わせ場所に向かってみれば今から一夏と二人でお出かけ、と上機嫌だったシャルロットの姿。
悟った俺、そして俺の存在に気付いたシャルロット。
もう、一夏の唐変木にはため息しかでないぜ……
「……せめてもの償いだ。 向こうについたら俺は別行動をとる 」
「……うん。ありがとう」
「だから、シャルロットも中もどうしたんだって」
疑問を浮かべる一夏を見て、俺とシャルロットはもう一度ため息をついた。
……なんでこんなに残念なんだ……
「んじゃ、俺は俺で選んでくるから、後でな」
「ん? 一緒に選ばないのか?」
「アホか。 男が二人で選んでどうするんだよ」
視線でシャルロットにエールを送り、俺はそこから一人で行動を始めた。
途中、自販機の影に隠れている知り合いを見たような気がするが、まぁ気のせいだと思うことにしよう。
「さて、どこにいこうか……」
水着といっても、ブーメランとか派手なのだとかじゃなければいいし、青系統のトランクス型が無難だろう。
早速店に入り、色々と見て回る。
特に買い物に時間をかけるつもりもないため、目に入った紺色のトランクス型の水着を手にとってレジで精算してもらった。
「……やることねー…」
買ったのはいい。 だが、今日の目的はこれだけなのでもうやることがない。
一夏とシャルロットは一緒だからまだ時間がかかるだろう。
完全に暇をもて余している
「あれ? 御堂君?」
「はい?」
名前を呼ばれたため、振り返ってみるとそこにいたのは我らが副担人、担任の山田先生と織斑先生
「先生たちも水着を買いに?」
「ええ。 もうすぐ臨海学校ですからねぇ」
「まぁ、それはついでだがな。 はめをはずしているバカがいないか、こうして見回りもしている」
「ああ。 なるほど」
主に一夏とか何か仕出かしそうですものね、と俺は心の中で友人の顔を思い浮かべた。
「御堂、買い物は済んだのか?」
「へ? あ、はい。 そうですね」
「なら、ちょっと付き合え。 山田先生暫く待っていてくれ」
「ええ。いいですよ」
すまないな、と山田先生に謝った織斑先生はこっちだと俺についてくるようにと歩き出す。
何で呼ばれたのか謎であったが、素直に聞いておこうと後に続く。
連れてこられたのは小さい喫茶店だった。
「何を頼む? 私はコーヒーにするが…」
「あ、自分もコーヒーでいいですよ」
そうか、と二人分のコーヒーを頼むと織斑先生はなにかを考えるように目を閉じた
「御堂、率直に聞こう。 織斑やデュノアとの試合、最後に使ったあれはなんだ?」
漸く口を開いた織斑先生はそう言った。
トランザムシステム
この世界には存在しない技術の塊
あの大勢の前で使用したのだ。こうなることも薄々は気づいていたが……
「すいません。 あれはうちの会社独自の技術なんで。 織斑先生相手でも教えることは出来ません」
「……そうか。 そうだろうな」
「まぁ、一つだけ教えられるとすれば諸刃の剣ってことですかね」
「諸刃の剣?」
「ええ。 詳しくは言えませんが、あの状態になると、ISの性能が段違いになる代わりに、終了後にはかなり性能が落ちるんですよ。 それに、俺にも負担はかかりますし」
GN粒子やなんやは教えることはできないが、これくらいなら大丈夫な情報だ。
「御堂、教師としてこれだけは言っておく。 あんまり無茶はするんじゃないぞ」
「はい。 分かってますよ」
話を切り上げ、注文したコーヒーが運ばれてくる。
俺と織斑先生はなにも言わずにコーヒーに口を付けた
コーヒーが苦手だったことを思い出したのはこの時であった
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