| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

小学時代を思い出そう!

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

「富士山」

「ミズキ!富士山見えるぜっ」

 保育園からの友達のカミが言った。5年生の時の話だ。僕らは5年生になり屋上で、堂々と遊べるようになった!(一応、住み分けがあって、1・2年は校庭。3・4年は中屋上と体育館。5・6年は屋上だった)

「えっ!本当?」

 屋上の隅に行くと、遠くに富士山が見えたのだった。僕らは、フェンスに貼り付き、富士山を見つめていた。

「富士山って、元々は不死の山って言われてたんだぜ!」

 と、イケが間に入って来た。不死の山かあ!……なんだ、それ???な顔を僕がしていると。

「不老不死をあの山に願ったんだよ!不死の山、不死山。それが富士山になった語源だよ」

 と、イケは言っていた。 カミとは保育園の頃から砂場で、しょちゅう富士山を作った仲間だったから、富士山の見える屋上は嬉しかった。(高層ビルやマンションに囲まれていたので、低中学年では、デパートの屋上にでも行かなくては、富士山はナカナカ見えなかった)
 
 屋上から、見える富士山。見えると言っても本当に小さくだった。家に帰ってから親父に小学校から富士山が見えた話しをした。

「ああ、見えたか!昔はこの辺は畑ばかりだったから、もっと良く見えたよ。空気も綺麗だったしなっ!」

 と、親父は懐かしそうに言った。親父は僕と同じ小学校の卒業生だった。昔から富士山はそこにあり。ずっと見えていたんだよなあ……



 当たり前なのだが、その事がなんだか不思議でたまらなかったのを記憶している。

おしまい
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧