ソードアート・オンライン 蒼藍の剣閃 The Original Stories
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
ALO編 Running through in Alfheim
Chapter-13 仲間との絆
Story13-9 黒白の閃光
第3者side
「それにしても、モンスターを見かけないなあ?」
雲の塊を切り裂いて飛翔しながら、キリトが呟いた。
「このアルン高原ではフィールド型モンスターは出ないの。
だから、わざわざこちら側で会談を行うことにしたんだろうね」
「なるほど、大事な話の最中にモンスターが湧いちゃ興醒めだしな……
でも、この場合は有り難くないな」
「え、どういうこと?」
リーファがきょとんとキリトを見ると、キリトがニッと悪戯っぽく笑った。
「さっきみたいにモンスターを山ほど引っ張っていって、サラマンダー部隊にぶつけてやろうと思ってたんだけどな」
「……よくそんなこと考えるわねぇ。
サラマンダーは洞窟で襲ってきた時以上の大部隊らしいから、警告が間に合って全員でケットシー領に逃げ込めるか、もしくは揃って討ち死にか、どっちかだと思うよ」
リーファがキリトに呆れていたその時。
「あっ、プレイヤー反応です!」
不意にユイが叫んだ。
「前方に大集団……68人、これがおそらくサラマンダーの強襲部隊です。
さらにその向こう側に14人、シルフ及びケットシーの会議出席者と予想します。
双方が接触するまであと50秒です」
その言葉が終わると同時に、視界を遮っていた大きな雲の塊が切れた。
限界まで高度を取って飛んでいた眼下に、緑の高原が広がる。
その一角に低空を這うように飛ぶ無数の黒い影。
5人ずつ楔型のフォーメーションを作り密集して飛んでいるのは、サラマンダー部隊に間違いないだろう。
その進行方向、円形の小さな台地には、ぽつりと白く横たわる長テーブルに左右に7つずつの椅子が添えられていた。即席の会議場といったところか。
椅子に座る者たちは会話に夢中のようで、迫り来る危機に気づいていない。
「間に合わなかったね……
キリト君、ありがとう。ここまででいいよ。君は世界樹に行って」
「…………此処で逃げるのは性分じゃないんでね」
キリトは不適な笑みを浮かべたあと、急角度のダイブを始めていた。
「何よそれぇ!?」
リーファはお別れの台詞を台無しにされたが、そんなことを気にする余裕もなくキリトを追う。
キリトの目指す先では、シルフとケットシーたちが接近するサラマンダー部隊に漸く気づいたようで、次々に椅子を蹴り、銀光を煌めかせながら抜刀した。
しかし、その姿は重装備の攻撃部隊に比べあまりにも脆く見える。
草原を這うように飛んでいたサラマンダーの先頭部隊が、一気に高度を取り、長大なランスを構えて静止した。
後続の部隊も次々と左右に展開し、台地を半包囲する。
サラマンダーの1人がさっと手を上げ、振り下ろそうとした、その瞬間…………
対峙する両者の中央、台地の端に巨大な土煙が上がった。
一瞬遅れて、ドドーン!という爆音が大気を揺るがし、キリトが隕石の如く速度を緩めずに着地した。
その場にいる全ての者が凍りついたように動きを止める。
薄れゆく土煙の中、ゆっくりと体を起こしたキリトが、仁王立ちになってぐるりとサラマンダー軍を睥睨した。
キリトが胸を反らせ、一杯に息を吸い込むと……
「双方、剣を引け!!」
先ほどの着地音よりデカい声が響き、ビリビリとした震えが周囲を満たした。
まるで物理的圧力に晒されたかの如く、サラマンダーの半円が動揺し、僅かに後退る。
「うわっ!」
リーファもダイブしながら圧倒されていた。
そして、冷や汗が背中を伝う感覚を纏ったまま、シルフと思われる集団の近くに降り立った。
「サクヤ」
「リーファ!? どうしてここに!?
い、いや、そもそもこれは一体……」
「簡単には説明できないの。
ひとつ言えるのは、あたしたちの運命はあの人次第、ってことだわ」
「……何がなにやら……」
女性シルフにしては秀でた長身、黒に近いダークグリーンの艶やかな直毛を背中に長く垂らし、その先を一直線にぴしりと切り揃えている。
肌は抜けるように白く、切れ長の眼と高い鼻筋、薄く小さな唇という美貌は刃のような、という形容詞が相応しいだろう。
身に纏うのは、前合わせの和風の長衣。その帯に無造作に差してあるエモノは、リーファのものより更に二寸も長い大太刀だ。
裾からは真っ白な素足が覗き、深紅の高下駄を引っ掛けたその姿は、一目見れば忘れられないだろう。
さらに、デュエル大会では常に決勝に進む程の剣の達人であり、公正な人柄で人望も厚い。
彼女がシルフ領主、サクヤだ。
その隣にいる、小柄な女性プレイヤー。
とうもろこし色に輝くウェーブヘア、その両脇から突き出た三角の大きな耳はケットシーの証だ。
小麦色の肌を大胆に晒し、その身に纏うのはワンピースの水着に似た戦闘スーツで、その両腰には巨大な三本の爪が突き出たクロー系の武器を装備している。
臀部には縞模様の長い尻尾が伸び、本人の緊張を写してぴくぴくと震えている。
その横顔には、睫毛の長い大きな眼とちょっとだけ丸く小さな鼻、愛嬌のあるその顔はとても可愛らしく、驚く程の美少女振りだ。
彼女がケットシー領主、アリシャ・ルー。
そして、白い長机の左右にシルフとケットシーが6人ずつ並んでいる。
皆揃って呆然とした顔で立ち尽くしていた。
再びキリトが叫ぶ。
「指揮官に話がある!」
あまりに大胆不敵なその声と態度に、圧倒されたかのようなサラマンダーのランス隊の輪が割れた。
空に開いたその道を、1人の大柄な戦士が進み出てくる。
炎色の短髪を剣山のようにつんつんと逆立て、浅黒い肌に猛禽に似た鋭い顔立ち。
その逞しい体を、赤銅色をしたアーマーに包み、背にはキリトのものに勝るとも劣らぬ剣を装備している。
彼はキリトの方を見ると、そのままガシャッと音をさせて彼の前に着地した。
サラマンダー領主モーティマーの弟、ユージーンだ。
ユージーンは無表情のまま、キリトを高い位置から睥睨した。
よく通る太い声が流れた。
「スプリガンがこんなところで、何をしている。
どちらにせよ殺すには変わりないが、その度胸に免じて話だけは聞いてやろう」
キリトは臆する風もなく、大声で答えた。
「俺の名はキリト。
ウンディーネとスプリガンの同盟の大使だ。この場で襲うということは我々4種族を敵にするということでいいんだな?」
――うわぁ……ハッタリにも程があるでしょ…………
「ウンディーネとスプリガンの同盟の大使が、護衛の一人もいない貴様だと言うのか」
「この場にはシルフ・ケットシーとの貿易交渉に来ただけだからな。
だが会議が襲われたとなればそれだけじゃすまないぞ。
4種族同盟を結んでサラマンダーに対抗することになるだろう」
そこで、しばしの沈黙が世界を覆った。
やがて
「たった一人、たいした装備も持たない貴様の言葉を、にわかに信じるわけにはいかないな」
ユージーンは背に手を回すと、巨大な両手剣を音高く抜き放った。
暗い赤に輝く刀身に、二匹の龍の象嵌が見て取れる。
「お前が30秒間俺の攻撃に耐え切ったら大使だと認めてやろう」
「ずいぶん気前がいいね」
キリトも背から愛刀を抜いた。
こちらは鈍い鉄色、装飾の類は一切ない。
翅を振動させて浮き上がり、ユージーンと同じ高度でキリトがホバリングする。
――30秒……大丈夫かな、キリト君…………
「不味いな……」
「どうしたの、サクヤ?」
「あの両手剣……おそらく《魔剣グラム》だろう。
なら、彼がユージーン将軍……ALOプレイヤーの中では最強クラスのプレイヤーだ」
リーファとサクヤの会話の間も、空中で対峙する2人の戦士は相手の実力を測るかのように長い間睨み合っていた。
高原の上を低く流れる雲が、傾き始めた日差しを遮って幾筋もの光の柱を作り出している。
そのひとつがユージーンの剣に当たり、眩く反射した、その瞬間。
予備動作なくユージーンが動いた。
びぃん!と空気を鳴らして、超高速の突進をかける。
右に大きく振りかぶった大剣が宙に紅い弧を描き、キリトに襲いかかる。
だが、キリトも流石の反応速度だ。
無駄のない動きで頭上に愛刀を掲げ、翅を広げて迎撃態勢に入った。
だが、ユージーンの剣はキリトの剣を透過してキリトを襲った。
ダガァァァァン!!という爆音と共に、キリトの胸の中央に炸裂した斬撃は巨大なエフェクトフラッシュを爆発させた。
キリトの姿は暴風の中の木の葉のように叩き落とされて地面に突き刺さった。
「な、何!? 今の……」
リーファの問いにアリシャが答える。
「魔剣グラムには『エセリアルシフト』っていう、剣や盾で受けようとしても非実体化して透過するエクストラ効果があるんだヨ!」
「そんな……!」
リーファがキリトのHPゲージを確認するより速く、土煙の中から矢のようにキリトが飛び出した。
ホバリングするユージーン目掛けて、一直線に突進していく。
「ほう……よく生きていたな!」
嘯くユージーンに向かってキリトは
「なんだよさっきの攻撃は!」
お返しとばかりに剣を叩きつける。
ガン、ガァン!と撃剣の音が立て続けに響いた。
他のものには捉えきれない程のキリトの連続攻撃を、ユージーンは的確に両手剣で弾き返していく。
そして、連撃にわずかな間が空いた、その瞬間。
再び、ユージーンの剣が牙を剥き、横薙ぎに払われる剣を、キリトが反射的に己の剣で受けようとする。
しかし、先ほどと同じように刀身が霞み、直後キリトの腹に深々と食い込んだ。
「ぐはぁぁっ!!」
肺の中の空気を全て吐き出すような声を上げながら、今度は宙をくるくると吹き飛ばされる。
キリトは、翅をいっぱいに広げてブレーキをかけ、どうにか踏みとどまる。
「……効くなぁ……
てかもう30秒経ってんじゃないのかよ!」
喚くキリトに、ユージーンは不敵に笑った。
「悪いな、やっぱり斬りたくなった。首を取るまでに変更だ」
「この野郎……絶対泣かせてやる」
キリトは両手剣を構え直した。
ユージーンが翅から赤い光の帯を引いてスラストをかける。
その攻撃を、キリトがランダム飛行で危なっかしく回避していく。
絡み合う2本の飛行軌跡が空に複雑な模様を描き、時々パパッとエフェクトの光塵を散らしてはまた離れる。
キリトのHPは既に2度の被弾によって半分以上減少している。
と、不意にキリトが振り返り、右手を突き出した。
彼の手が黒く輝き、ボン、ボボボボン!と2人の周囲に真っ黒な煙がいくつも爆発した。
幻惑系の包囲魔法。いわゆる煙幕だ。
それらはモクモクと広がっていき、空域を覆い尽くす。
黒雲は地上にも及び、さぁっと周囲が薄暗くなった。
みるみる視界が悪くなる中、突然、耳元で囁き声がする。
「リーファ、ちょっと借りるぞ」
「わっ!?」
キリトはリーファの腰の鞘から剣を抜いた。
その時、
「時間稼ぎのつもりかァ!!」
厚い煙の中央からユージーンの叫びが響き渡った。
次いで、スペルの詠唱が耳に届く。
すぱっ!と赤い光の帯が放射状に迸り、黒煙を切り裂いた。
無効化された煙が忽ち薄れ、視界が戻る。
空にホバリングするのはユージーンひとりだけ。
キリトを探しているようだが、見つけられないようだ。
ケットシーの一人が呆然と呟く声が聞こえる。
「まさか、あいつ、逃げ……」
「そんなわけない!!」
リーファの強い否定の叫びが聞こえた。
そして、高らかな笛の音に似た、力強いその飛翔音。
近づいてくる。そして、どんどん大きく。
そこには、キリトの姿があった。
「またせたな!」
「ふっ、剣が一本増えた程度で!」
キリトの二刀装備を苦し紛れと見たか、ユージーンの頬に不敵な笑みが浮かんだ。
ユージーンの魔剣が、重々しい唸りを上げて振り抜かれる。
交差する軌道で、キリトが左手の刀を振り降ろす。
ぶん、と赤黒い剣が振動した。
エセリアルシフトによって透過した刃が、吸い込まれるようにキリトの首筋へ…………届かなかった。
ユージーンの剣はぎゃいん!と鋭い金属音と共に、その切っ先が大きく弾かれた。
受け止めたのは、キリトが僅かな時間差で斬り上げた右手の剣だ。
針の穴を通すような、完璧なタイミング。
驚愕の気配を洩らすユージーンに向けて、キリトが雷鳴のような雄叫びを放った。
「お……おおおおああああーーーー!!」
直後、両手の剣が、霞む程の速度で次々に打ち出された。
左の刀が滑らかに切り払い、それと完全に連動して右の愛刀が突き出される。
それを引き戻しつつ、再び刀が左下から飛ぶ。
同じ軌道を戻る刃に引かれるように剣の攻撃が叩き込まれる。
二本の剣光が融けあい、その連続攻撃はまるで夜空にいくつもの流星が飛んでいるかのようだった。
ユージーンは後退しつつもシフト攻撃を多用して対抗しようとするが、連続での透過ができないようで、次々と二段構えのパリィに弾き返される。
「ぬ……おおおお!!」
地上に向けてどんどん押し込まれるユージーンが野太い方向を放った。
防具の特殊効果か、薄い炎の壁が半球上に放射され、僅かにキリトを押し戻す。
その瞬間。ユージーンは魔剣を小細工抜きの大上段に構え、ごっ!という大音響と共に、真正面から撃ち込んだ。
対するキリトは、臆することなく突進で距離を詰め、左の刀を雷光の如き速度で振り下ろした。
しゃぁん!と甲高い金属音が流れ、眩い火花が宙に円弧を描いた。
エセリアルシフトが発動するよりも速く剣の側面を弾かれ、ユージーンの撃ち込みはキリトの左肩を掠めて背後へと流れた。
そして…………
「ら……ああぁぁぁぁ!!」
凄まじい気勢に乗せて、キリトの右手の剣が、真っ直ぐに突き込まれた。
ドッ!という重い音を立てて、黒がねの刃がユージーンの体を貫いた。
「ぐあっ!!」
キリトの神速の突きと、双方の突進のスピードが相乗効果をなしたそのダメージは凄まじいものとなり、ユージーンのHPバーが一瞬でイエローに突入する。
だがキリトはそこで止まらなかった。
右手の剣を素早く引き戻すや、尚も再度攻撃態勢に入ろうとするユージーンへと、左の剣で凄まじい速さの連続技を浴びせた。
一呼吸で4発も繰り出された垂直斬りの軌跡が、宙に美しい正方形を描いてユージーンの巨躯を包み込んだ。
「…………!!」
驚愕の表情を浮かべたユージーンの上体が、右肩口から左腰にかけて、無音でスライドした。
ぱっ、と正方形の光が四方へ散る。
直後、巨大なエンドフレイムを巻き上げ、アバター全体が燃え崩れた。
誰一人、身じろぐものはいない。
シルフも、ケットシーも、50人以上のサラマンダー部隊も、魂を抜かれたように凍りついている。
無理もない。この戦いはそれだけハイレベルだったのだ。
しかし、ここにシャオンがいたなら、こう言うだろう。
『キリトの本気と互角に渡り合えるやつなんて俺ぐらいだ』
最初に沈黙を破ったのは、サクヤ。
「見事、見事!!」
そう言うと、両手を高らかに打ち鳴らす。
「すごーい!ナイスファイトだヨ!」
アリシャがそれに続き、直ぐに背後の12人も加わった。
盛大な拍手に混じって、口笛を鳴らしたり、「ブラヴォー」と叫んだりの大騒ぎだ。
そしてそれは、指揮官を討たれた筈のサラマンダー部隊にも広がり、割れんばかりの歓声を上げて長大なランスを立てて旗のように振り回す。
今まで無法者だったサラマンダーたちも、キリトたちの戦いを見て胸にくるものがあったのだろうか。
いや、それ以前に、彼らもプレイヤーなのだ。このゲームを楽しんでいる……リーファはそう感じた。
輪の中に、今回の立役者となった、キリトがいる。
「や、どーもどーも!」
気障な仕草で四方にくるりと一礼すると、リーファたちの方に向かって叫ぶ。
「誰か、蘇生魔法頼む!」
「解った」
サクヤが頷くと、すっと浮き上がった。
着流しの裾をはためかせながら、ふわふわと漂うユージーンのリメインライトの傍まで上昇し、スペルワードをの詠唱を開始する。
やがて、サクヤの両手から青い光が迸り、赤い炎を包み込んだ。
複雑な形状の立体魔方陣が展開し、その中央で残火が徐々に人の形を取り戻していく。
最後に一際眩い閃光を発すると、魔方陣は消滅した。
キリトとサクヤ、そして蘇生したユージーンは無言のまま舞い降り、台地の端に着地した。
再び、周囲を静寂が包む。
「見事な腕だな。
俺が今まで見たなかで最強プレイヤーだ、貴様は」
「そりゃ、どうも」
「貴様のような男がスプリガンにいたとはな……
世界は広いということか」
「俺の話、信じてもらえるかな?」
「………………」
その時、台地を取り囲むサラマンダー部隊前衛の長槍隊から、1人のプレイヤーが歩み寄ってきた。
ガシャリと鎧を鳴らして立ち止まり、左手で尖った面頬を跳ね上げる。
無骨な顔つきのその男は、ユージーンに一礼してから口を開いた。
「ジンさん、ちょっといいか」
「カゲムネか、何だ?」
「昨日、俺のパーティーが全滅させられたのは知ってると思う」
「ああ」
「その相手がまさにこのスプリガンなんだけど…………確かに連れにウンディーネがいたよ。
エスの情報で、ある部隊が追ってたのもこのスプリガンだ。撃退されたらしいけど」
「そうか…………そういうことにしておこう。
現状俺も領主にもウンディーネ、スプリガンと事を構えるつもりはないからな。ここは引こう。
だが、貴様とはいずれもう一度戦うぞ」
「のぞむところだ」
キリトの差し出した右拳に、ユージーンは己の拳をぶつけると身を翻した。
翅を広げ、大地を蹴る。
そして、サラマンダーの大軍勢は一糸乱れぬ動作で隊列を組み、ユージーンを先頭に鈍い翅音の重奏を響かせながらたちまち遠ざかっていった。
無数の黒い影はすぐに雲に飲み込まれ、薄れていくと、やがて完全に消え去った。
「…………サラマンダーにも話の分かるやつがいるじゃないか……」
「キリト君……ホントにむちゃくちゃね」
「よく言われるよ」
「ふふふ……」
笑い合う二人に、サクヤが咳払いをしてから声をかけた。
「すまないが……状況を説明してもらえないか?」
Story13-9 END
後書き
キリト「なぁ……俺メインでホントにいいのか?」
シャオン「作者いわく時間軸合わせだとよ」
キリト「シャオン、へこんでないよな?」
シャオン「Noと答えたら嘘になるがあえてNoと言っておこう」
キリト「アルンまですぐに行くから待っててくれ」
シャオン「あんまり遅いと来たときにぶったぎるからな」
キリト「善処するよ」
はい! こっからキリトがメインで進みます。キリトファンの人、お待たせしました!シャオンのファン?の人、すみません。
じゃあ……
キリト「次回も、俺たちの冒険に!」
シャオン「ひとっ走り……付き合えよな♪」
ページ上へ戻る