リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~
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第百十八話 平穏
平穏を取り戻した大輔達。
そして現在は。
大輔「よし、お前ら準備済んだか?」
エリオ「はい」
キャロ「準備出来たよお父さん。お母さーん」
フェイト「今行くよ。ごめんね待たせちゃって」
大輔「別に気にしてないさ。プレシア…義母さんは一緒に行かなくていいのか?」
プレシア「いいのよ。家族で楽しんでらっしゃい」
キャロ「行ってきますおばあちゃん」
プレシア「(おばあちゃん…私にも孫が出来るのね…)」
何処か感慨深げに天井を見上げるプレシア。
キャロ「?」
フェイト「行くよキャロ」
キャロ「あ、はーい」
こうして大輔、エリオ、キャロ、フェイトはデジタルワールドに向かった。
そしてデジタルワールドで一夜を明かした場所で大輔達はキャンプをするのだった。
ブイモン[獲ったぞーーー!!]
巨大な怪物魚をわし掴み、ブイモンは湖の中から出て来た。
チビモン[わああ!!おっきい!!]
エリオ「キャロ、引いてるよ」
キャロ「あ、本当だ。」
エリオに指摘されると、キャロは釣竿を引いた。
するとそれほど大きくはないけれど魚がかかっていた。
大輔「お、キャロ。釣れたじゃないか」
キャロ「えへへ。私釣りのやり方お父さんに教わったんだよ」
フェイト「そうなの?どうりで大輔のやり方に似てるわけだね」
エリオ「僕達の先生は父さんと母さんでもありますから。」
フェイトが飯盒で米を炊き、大輔がカレーを作っていた。
昔家族でキャンプした時もこんなだったと思いながら釣りを再開した。
チビモン[これ美味しいんだよ]
エア[ああ、知ってるよ。エリオもキャロも好きなんだよこの実がさ]
真っ赤でまるでマンゴーに似たような木の実だが、とても甘く、程よい酸味があるために本宮家の家族が全員好んで食べる。
ブイモン[おーい、これどうするんだ?]
ブイモンの手にはブイモンの手から逃げようとピチピチと跳ねている魚。
今より子供の頃、何度かブイモンに捕ってもらったその魚にエリオとキャロは思わず笑いが零れる。
デジモンは歳を重ねても見た目は全く変わらないから。
キャロ「ブイモン、それ焼いてくれないかな?」
ブイモン[焼く?ああ、丸焼きにして食いたいのか?よし任せとけ!!]
魚を引きずって焼きに向かうブイモン。
気のせいかもしれないが魚の動きが更にピチピチと動いているような気がする。
エリオ「変わらないね。」
キャロ「うん」
ブイモン[焼けたぞ!!さあ、食え!!]
魚の焼けた香ばしい匂いがするとブイモンが叫んだ。
全員【頂きます】
大輔「エリオ、キャロ。今のデジタルワールドの食い物は今しか食えないから腹一杯食えよ」
フェイト「そうだよ。お代わりも沢山作ったからどんどんお代わりしていいからね?」
エリオ、キャロ「「はい」」
まだ出会ってすらいないのに、本当の自分の子供のように接してくれる大輔とフェイトにエリオとキャロは嬉しく思う。
暖かい家族の時間。
現実世界にはないデジタルワールド特有の気持ちの良い風が駆け抜けていった。
しかし。
レディデビモン[見つけたわよブイモン]
ブイモン[んあ?]
魚を口に一杯口にしてモゴモゴしているブイモン。
チビモン[あああああ!!?]
不倶戴天の敵を見るようにレディデビモンを見るチビモン。
大輔「ん?お前確か、ピエモンの部下の…ブイモンに会いに来たのか?」
レディデビモン[まあ、そんなとこね]
チビモン[ふざけるなああああああ!!お兄ちゃんに近寄るな!!帰れ!!帰れええええ!!!!]
この前の怒りを爆発させながら叫ぶチビモンを無視してレディデビモンはブイモンに歩み寄ると口元の食べかすを拭ってやる。
ブイモン[ん、サンキュー]
レディデビモン[男前が台なしよ?]
チビモン[(むあああああ!!お兄ちゃんとイチャイチャしてるうううう!!私のお兄ちゃんなんだから触るな!!私のお兄ちゃんに触るなああああ!!)]
大輔「(何となくチビモンの考えてることが分かるな)」
フェイト「(うん…)」
目線で会話する二人。
チビモンは嫉妬の炎を燃え上がらせながらレディデビモンを睨んだ。
レディデビモン[さてと今日はこれで帰るわ。またねブイモン。それからチビモンだっけ?]
チビモン[何?]
むすっとしながら聞き返すチビモン。
レディデビモン[嫉妬は醜いわよ]
それだけ言うとレディデビモンは飛び去った。
チビモン[余計なお世話だあああああ!!来るな!!もう二度と来るなああああああああああ!!!!!!]
チビモンの怒りの咆哮がデジタルワールドに響き渡るのだった。
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