詩集「棘」
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夕べに寄せて…
目映いばかりのオレンジ
そして…血のような紅
未だ残る氷雪に
燃えるように映り込む
家へと帰る人波の中
ただ一人の影を探してる
いるはずのないその影を
ひたすらに…探してる…
夕べに寄せて…
この紅が藍の空へと変わったら
君はこの僕を選んでくれる?
ただ刹那の温もりを
僕に強く教えてほしい…
野に咲う小さな花と
夕の傍えに立つ自分
一体何が違うというのだろう?
どうして僕は恋い焦がれ
君への想い…捨てられない…
光り誇示する淡い星影
ただそっと君を探してる
在るはずもない君の影
祈るように…探してる…
夕べに寄せて…
この空が全て藍へと変わったら
君は僕を愛してくれる?
星々の瞬く空の下
僕を強く抱いてほしい…
そんな哀しい想いを抱え…
そっと一人…生きて逝く…
夕べに寄せて…
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