ドリトル先生と二本尻尾の猫
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第一幕その十
「揃えている数と種類が」
「イギリスのウイスキーやエールみたいにだね」
「はい、もうそんな感じで」
「それはいいね」
「焼酎もそうです、スーパーでも確かに美味しい焼酎は売っていますけれど」
それでもとです、トミーは先生を見ながらにこにことしてお話します。
「やっぱりお酒屋さんは違います」
「凄くいい品揃えなんだね」
「そうなんです」
「それでこの八条町にもだね」
「いいお酒屋さんがありますよ」
「そのお酒屋さん紹介してくれるかな」
ふとです、先生はトミーにこうお願いしました。
「今ね」
「はい、それじゃあ」
トミーは笑顔で先生にそのお酒屋さんの場所を説明しました。そしてその名前もです。全部先生にお話しました。
そしてです、先生は全部聞いてから笑顔で言いました。
「それじゃあ行って来るよ」
「明日にでもですね」
「うん、それでどんなお酒があるのか見てくるよ」
「先生、道に迷わないでね」
ここで忠告したのはジップでした。
「何かそこも不安だから」
「僕が方向音痴だからかな」
「そう、だからね」
まさにそれが理由でした、先生は旅行や冒険の時はともかく近所の場所では迷ってしまうことが多いのです。
「だから気をつけてね」
「僕が一緒だから」
お家の外から老馬が言ってきます。
「まあ道案内は任せて」
「うん、頼むよ」
「本当に先生は世話が焼けるよ」
老馬は仕方ないねという笑顔で言うのでした。
「何かとね」
「悪いね、いつも」
「悪くはないよ、先生だとね」
「悪くないのかな」
「うん、先生は世話が焼ける以上にお世話になってるからね」
だからだというのです。
「先生みたいな人はそうはいないから」
「だからだね」
「そう、じゃあ明日仕事帰りね」
「そのお酒屋さんに行こう」
「じゃあ君にもね」
トミーは老馬にもでした。
「お酒屋さんの場所を教えるよ」
「うん、頼むよ」
こうして老馬にもです、トミーはお酒屋さんの場所と名前を教えました。そのうえでそのお酒屋さんに行くのでした。
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