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美しき異形達

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第四十二話 近付く真実その三

「間違いなくね」
「そうなんですか」
「うん、力があってもね」
「私達は人間ですか」
「力があっても君達は皆人間の心があるじゃない」
 智和は魂についてもだ、少女達に言った。
「別に野獣の心とかじゃないじゃない」
「心が人間だからですか」
「そうだよ、君達は人間だよ」
 そうした存在に他ならないというのだ。
「それ以外の何でもないよ」
「それならばこれ程素晴らしいことはないですね」
 桜は智和の言葉にだ、彼女自身も微笑んで述べた。
「本当に」
「そう思うよね」
「はい」
 桜は微笑んだまま智和のその言葉に頷いて返した。
「人間でいられることが」
「心が人間だと誰でもだよ」
「力があっても」
「そうだよ」
「実は私達は」
 ここでだ、こうも言った桜だった。
「私はこの力は」
「人間のものじゃないって思っていたのかな」
「風を出せて。身体能力も違いますから」
 普通の人間とだ。
「ですから」
「そうだね、少し見ればね」
「少しとは」
「いや、君達のその力は僕は気だと見ているからね」
「気、ですか」
「前にも話したと思うけれど」
 こう話すのだった。
「そうした君達の力は仏のそれと同じで」
「それがそれぞれの力に変わるものですね」
「そう、どうしてそうなるかはまだわからないけれど」
 それでもというのだ。
「けれどね」
「それでもですか」
「その身体能力のことはわかるよ」
「それについてはですか」
「人間の身体は本来の力を出していないんだ」
 ここでこう言った智和だった。
「三割程度しかね」
「それは脳では」
「そう、脳もそうでね」
「身体もですか」
「うん、その潜在能力を全て出せば」
「私達の様にですか」
「動けるよ、けれどそれを出せることは」
 潜在能力、それをだ。
「どうしてかな」
「何かそういうことは色々とありますよね」
 向日葵が言って来た。
「漫画とか小説で」
「うん、脳に刺激を与えたり。覚醒させたりしてね」
「そうですよね、何かと」
「君達は急に目覚めてるね、それで僕が思ったことは」
 それは何か、智和は少女達を見つつこう言った。
「一度君達のことを調べたいんだ」
「私達のことをですか」
「具体的に言うと身体検査だよ」
 それをしたいというのだ。
「君達は女の子だから僕は調節しないけれどね」
「女医の方にですか」
「祖父に医学を教えてもらった確かな人がいてね」
「その人にですか」
「君達を診てもらってね」
 そのうえで、というのである。
「君達のことを知りたいんだ」
「そうですか」
 菫は智和の話をここまで聞いてだった、そのうえで言った。
「私達のことを」
「そう、検査してもらってね」
「そうですか」
「後はね」
「後は?」
「君達いつも武器を急に出せるね」
「あのことですね」
 鈴蘭が応えた、そのことに対して。
「私達がいつも武器を急に出す」
「そう、そのこともね」
「意識していました」 
 鈴蘭もこう返す。 
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