ドリトル先生と二本尻尾の猫
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第一幕その四
「先生のお考えはそうですね」
「例え誰でもね」
「そしてそれが実行出来る先生だからこそ」
トミーは先生のとても優しい笑顔のお顔を見つつ述べました。
「皆一緒にいるんですね」
「そうであれば嬉しいよ」
「というかね」
「そうそう、先生はね」
ここで動物達が先生に言うのでした。
「公平な人だから」
「差別する様な人じゃないから」
「どんな人にも優しいし」
「僕達にもね」
動物達にもです、先生は公平です。
「人間と同じ様に接してくれて」
「しかも理解してくれているし」
「そうした人だから」
「人間も動物も集まるんだよ」
「先生の周りにね」
「そうだよね、先生みたいな人だからこそ」
トミーは動物達の言葉も思い出して言うのでした。
「皆集まるんだね」
「今は特にね」
「学校に行っても僕達や学生さん達に囲まれてて」
「商店街に行っても皆声をかけてくれて」
「先生皆の人気者だよ」
「ううん、街を歩いてね」
先生は皆の言葉に少し照れ臭そうに笑って言うのでした。
「声をかけてもらって気恥ずかしくなるね」
「日本語も流暢だしね」
「日本の食べものにも親しんでて」
「今だって甚平さん着てるし」
「浴衣だって着るし」
「どれもまたいいんだよ」
日本の食べものも服もというのです。
「最近は靴もいいと思うよ」
「ああ、日本の靴ね」
「日本製の」
「そう、この神戸は日本の靴の生産の中心地でね」
先生は日本の産業のことも勉強しています、それで神戸が日本の靴の生産の中心地であることも知っているのです。
「一杯靴作っていて」
「いい靴も手に入りやすい」
「そういうことなんだ」
「うん、草履や下駄もね」
こうしたものもというのです。
「いいのが手に入るよ」
「そういえば先生最近ね」
「下駄も履いてるよね」
「それもからからと音を立てて」
「楽しそうに履いてるね」
「下駄はいいものだよ」
この日本の履きものもというのです。
「だからね」
「最近よく履いてるんだ」
「そうなのね」
「ううん、遂に履きものまでなんだ」
「日本に親しんできたんだ」
「あの時王子に誘われてよかったよ」
そうして日本に来て、というのです。
「物凄く落ち着いて親しめているよ」
「そうした日本好きでもあるからですね」
先生が何故人気があるのか、トミーはこのことも理由だとわかりました。
「先生は人気があるんですね」
「そうなるのかな」
「そう思います、けれど妖怪の人達にも人気がある」
それはといいますと。
「これはもうちょっとないですね」
「うん、妖怪は普段は人と接しないからね」
「そうですよ、凄い縁ですよ」
「面白い縁だね」
「はい、あと気になったことは」
ここでトミーが言うことはといいますと。
「狐や狸はイヌ科ですね」
「僕の親戚だね」
犬のジップが言って来ました。
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