ドリトル先生と二本尻尾の猫
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第一幕その三
「今は、ですね」
「うん、妖怪というかね」
「そうした動物達と一緒になることが多いですね」
「イギリスは妖精の国でね」
「日本は妖怪の国ですね」
「そう、そしてね」
その妖怪達がというのです。
「彼等は人間と一緒に暮らしているんだ」
「人間は多くの人が知らなくても」
「そうだよ、僕達が会って来た人達みたいにね」
「人間の世界にいて」
「そして生きているんだ」
「そういう国なんですね、日本は」
「妖怪はいないっていうけれど」
その実はというのです。
「違うんだよ」
「ちゃんといて、ですね」
「うん、一緒に生活しているんだ」
それが日本という国だというのです。
「面白いね」
「はい、確かに」
「さて、また誰かに会うかな」
先生は期待している様なお顔をトミーに見せました。
「近いうちに」
「先生は何でも引き寄せる人ですからね」
「何でも?」
「はい、人も動物も」
「そして妖怪も」
「出来事も」
生きているものだけでなく、というのです。
「あらゆるものを引き寄せる人ですから」
「それで妖怪とも会って」
「そのお願いを適えているんですよ」
「ううん、そういえばね」
「そういえば?」
「いつも。子供の頃からね」
先生はこれまでの一生を振り返ってです、トミーにお話するのでした。
「周りに人がいてくれたね」
「それは先生の人徳ですね」
「そして何でも引き寄せることもかな」
「はい、人徳ですよ」
先生のそれだというのです。
「ですから」
「僕の周りに人がいたんだ」
「じゃあ先生は除け者になっている人が先生のところに来たらどうしますか?」
こうした人は色々な理由で何処にもいます、イギリスにも日本にも。
「そうした人は」
「うん、そうした人が意地悪でもないと」
「そうでもない限りはですね」
「うん、僕はね」
先生の性格、考え方からのお言葉です。
「友達にならせてもらうよ」
「分け隔てしないんですね」
「人はね、分け隔てされたら嫌だよね」
「はい」
このことはトミーもです、そうしたことをされて嫌でない人もいないでしょう。だからトミーも先生の今の言葉がわかるのです。
「それは」
「そうだね、だからね」
「先生はそうしたことはされないんですね」
「しないよ」
まさに絶対と答える先生でした。
「だから誰ともね」
「友達になって」
「そうしてきているんだ」
「そうなんですね」
「そうだよ、仲間外れは誰でも嫌だから」
「自分がやられて嫌なことは人にしない」
トミーはこの言葉も言いました。
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