ソードアート・オンライン ~Hero of the sorrow~
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
浸食せし刃
前書き
hackって浸食的な意味の他に切り刻む敵な意味もあるんですってー。
でねぇ、hackはツイッターで検索した私を美少女化!みたいなやつで出てきた奴がモデルです。
ヤンデレヤク中ドM首マフラーにスーツ隻眼刀使いです。
今回のお話は和希とブックメイカーが中心。
3000文字程度の短いお話です。
「お呼びですかぁ、博士ぇ。えへ、えへへへ」
「ああ、呼んださ。hack。お前に任務をやる」
任務。否、彼女が作られた理由。彼女は和希の指令を受けるためだけに開発された番外個体。
リン達を模した番外個体ではなく、本当の意味での番外個体といったほうが早いかもしれない。その目的は上記のものに加えてもう一つあるが。
「で、何をするんです?この体でイイことですかぁ?構いませんけど、痛くないようにしてくれることと、くしゅりをもっとくれるとありがたいんですけどぉ……えへへ。えへ」
「スクラップにするぞ、hack。薬は任務クリア後だ。任務は……No.0の抹殺及びハートとソロが仲間になるか、もしくは瀕死の状態だったら回収してここに持ってこい」
「了解です。じゃぁ、今日も聞きますねぇ。私のことを愛してますかぁ?」
「愛しているさ、さっさと行け」
そう言うと、ケラケラと笑いながらhackは去って行った。その背中を見送り、和樹は自身の手を見つめた。数々の怪人を作り出し、多くの人々を殺害した己の手。鼻でそれを笑った和希は、奥に引きこもっているアシムレイトロイドを呼び出した。
「出てこい、ライク。今日も調整だ。痛いけど頑張れるだろ?」
「……うん……」
奥から出てきたのは、ライク。しかし、その姿は当時のような幼女ではなく、高校生並みに成長していた。アシムレイトロイドは老いることも、成長することもない。それを唯一させる事ができるのが桐ヶ谷和希という男である。
「さて、お前の仇は着々と力をつけている。だから……わかるな?」
「はい、博士……」
「そうだ、もうコタツに入らなくてもいいからな。これをつけていれば、問題は無い」
和希が出したのは、一つの回路。ライクはジャコンと自身の頭部からの接続口にそれを突っ込んだ。
直後、体がほのかにあったかいと感じるようになった。そして、新たな言葉がバンクに吸い込まれていった。
「ねぇ、愛お姉ちゃんはいつここに来るの?」
「すまん、彼女はsrrowに連れ去られてしまった。だが、もう少しだ。srrowが決起を起こした時、私達も決起を起こしてsrrowを打倒する」
ライクはできるだけ戦いに遠ざけられていたため、ユキの存在を知らない。そう間違ったことは言っていない。なぜならどちらもsrrowであることに変わりはないのだから。
所詮、駒なのだ。自身が取り戻すための。既にsrrowのデータから、ループしないように対策まで練った。これでなんとかなる。ようやくこの手に、彼女を……
「取り戻すことはできないよ、和希」
しかし突然、彼を否定する声が飛んだ。
後ろを振り返ると、自身と対をなす研究者、アシムレイトロイドというものを共に造り出した者が立っていた。
「茅場か。まさかライクのネットワークを介してここに来るとはな」
「和希……お前の今の処置では、この少女は死ぬぞ?お前は何を取り戻す気でいる?そこまでして彼女を取り戻して何になる!?それも今更!」
「ああ、そうだな。今更だよな、お前にとっちゃ。でもな、俺にとっては昨日だ。俺がくそったれなショッカーなんて組織に所属してたから花凛は死んだ。あの子達も死んじまったんだよ!!」
その言葉に、茅場は気づいた。
「待て、あの子達……!?死んだ!?和希、君には息子しかいないのでは!?死んだとはどういう……!?」
「そう、和人も死んだ」
「じゃあ、キリト君は一体……!?」
その瞬間に。痛みなどないはずの茅場の体は痛みで悲鳴をあげた。
「博士を傷つける人は……容赦、しませんよぉ?」
刀だった。一本の刀。ライクの体は切れていないが、茅場のデータが切られた。
「不思議だろう?hackの能力は。そいつの能力は、自分の常識を全ての世界に定着させるのさ。まぁ、攻撃とかにしか使えないのが難点だがな」
「まさか……死神博士が作った理論の応用か……!」
「ご名答。ショッカーはナチス残党から始まった組織だったが、アドルフ・ヒトラーの思想が受け継がれると同時に、彼が考えた理論も同時に受け継がれたのさ。それは、この世界が創られたものであると言う事。だが、ヒトラーはそれを許さなかった」
「茅場。お前はアシムレイトロイドが造られた真の目的を知ってるか?」
「真の……目的だと……?」
そう、真の目的。そう言って和希は傍にあった椅子に座った。
「ヒトラーはそれを許さなかったからこそ、とんでもないことを計画した。あのな、全ての世界の原点になった世界がある。その世界は生存本能が異常に強い。だからヒトラーは考えた。どうやってそれを滅ぼすかを。この世界が造られた存在だと思いたくなかったから。その結果生まれたのが」
「アシムレイトロイドだというのか…………」
「そう、破界と再世のための尖兵。そのための切り札がsrrowとhackだ。同質化はそもそもそのための装置だしな。そして、大首領JUDO。そいつがその本筋の世界を創ったんだよ。だから仮面ライダーが造られた。本筋の世界を壊すために。だが、反逆が起きちまった。たった一人の男…………『本郷』によって。そのおかげでこの世界の本郷と一文字によってショッカーは倒され、後の組織も次々と潰されていった。そしてそんな時に死神博士はヒトラーが残したアシムレイトロイドの計画を見つけたのさ」
「そして、死神博士は考えた。それをライダー殲滅に利用できないかと。そして、本筋の世界をぶっ壊して他の世界ごと吹き飛ばし、この世界だけを独立させようとした。そんでもって、世界征服でもして、正真正銘世界の王になるっつー計画だった。まぁ、一部能力は捻じ曲げられてるがな。同質化なんて再現できてないにもほどがある」
「だが、俺たちは祈った。世界同士の隔たりをなくして、共に生きることはできないかと」
「それがスペルミス…………だが、君がなぜ!?」
終始無言だったが、突然和希はリモコンを取出し、液晶パネルにあるデータを見せた。
「お前にだけ見せてやる」
「これ、は!?」
アシムレイトロイド・アーキタイプ――――――――――――
「馬鹿な、彼が!?和希……貴様ァ!!」
刀が一閃した。
「博士を傷付けるなって言いましたよねぇ…………死んでください」
「君は……なぜ……!?」
「決まっているじゃないですか」
あっさりと彼女は答えた。右目を怪しく輝かせて。
「私は博士を愛していて、博士は私を愛しているからですよ」
(この子は…………ッ!)
そのまま茅場は消滅した。
「茅場明彦の物語が終わった!?そんな、まだ彼は終わらないはずなのに!」
物語を観なくてもわかった。異常が発生していることが。
「srrow……」
待っていて。私が君を取り戻すから――――――――――――
そう彼、いや、彼女は哀しみを救うべく、各地を奔走していた。
(情報では翡翠の世界のキリトが狙われたとある……あそこには翡翠の鍵が……ミヤビと呼ばれる少女がいる。彼女がsrrowを戻す鍵になる!後は闇神ダーク、彼も物語の鍵だ!急がなければ……)
ブックメイカーは本を取出し、この後巻き起こるであろう物語を見た。
(現在ユキ達はGGOでトーナメント中……頼れる人がいない。それにあのhackという少女も何とかしなければ。下手したら物語そのものが成立しなくなる能力を持っている!)
異常な展開ばかりの中、ブックメイカーは冷静に考えた。
(待てよ……頼れる人はいる。ここから行くのが少し大変だが、この場所から一番近い人物――――――)
(雷帝ライト)
今、ブックメイカーが歪みを、哀しみを正すべく、物語を正しく紡ぐべく異世界を駆け抜ける――――――――――――。
後書き
さぁ、どうでした?質問とかあったら受け付けます。
んでもってコラボ編に繋がるお話が出てきました。ていうかそれオンリー。
個人的に自分の分身的な存在からか、hackは結構気に入っております。
感想くださるとありがたいです。ではでは!
うん、あとマザーズロザリオやった方がいいですかね?
ページ上へ戻る