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ドリトル先生と学園の動物達

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第十二幕その八

「これが一番です」
「イギリス人だからでしょうか」
「イギリス人は皆ですしね」
「レモンティーは飲まれないのですね」
「アメリカに行った時は飲むこともありますが」
 それでもというのです。
「あの国でもミルクティーがあれば」
「ミルクティーですか」
「それを飲みます」
 あくまでそちらを、というのです。
「紅茶は、ただ日本に来てからは」
「あっ、日本のお茶も楽しまれていますね」
「はい、お抹茶や麦茶も」
「そしてティーセットも」
「日本のものをです」
 それを楽しんでいるというのです。
「お饅頭や羊羹を」
「和風ティーセットですか」
「これが存外美味しくて」
「面白いですね、日本とイギリスのお茶文化の融合ですか」
「日本ではこうしたことが多いと聞いていますが」
 他の国の文化を取り入れて日本のものにアレンジすることがです。
「ですから僕もです」
「和風ティーセットもですか」
「楽しんでいます」
「成程、お饅頭や羊羹のティーセットですか」
「後はお餅、お煎餅もです」
 そうしたものもというのです。
「その中に入ります」
「面白いですね、では私も」
 日笠さんは興味を持ったお顔で先生に応えました。
「一度してみます」
「是非そうされて下さい、これがまた」
「美味しいのですね」
「はい、とても」
 実際にそうだというのです。
「そしてフルーツは蜜柑や柿です」
「オレンジやアップルではなく」
「はい、日本のものです」
「それもいいですね」
「日本のお茶はイギリスの紅茶に全く劣っていません」
 それこそ何一つとして、というのです。
「お茶菓子も」
「ケーキやスコーンにですね」
「全く劣っていません、特に最近外郎を気に入っています」
「名古屋のですね」
「あれはとても素晴らしいお菓子ですね」
 外郎についてです、先生は目を輝かせてそのうえで日笠さんにお話します。
「これ以上はないまでに」
「外郎は確かに」
 日笠さんも言います。
「美味しいですね」
「それで最近よく食べています」
 和風ティータイムの時はというのです。
「あちらも」
「羊羹に似ていますが」
「また違いますね」
「それがまたいいのですね」
「白に黒、抹茶小豆コーヒー柚子に桜と」
 先生は楽しそうに外郎の種類を挙げていきます。
「どれも美味しいですね、三色団子にも似た味で」
「団子もお好きですね」
「あちらも病みつきになりそうです」
「先生は本当に日本に馴染まれていますね」
「どんどんそうなっていますね」
 先生もそのことを自覚しています、それで言うのです。
「僕は」
「やはりそうですか」
「まさかこんなに日本に馴染むとはです」
「思っておられませんでしたか」
「はい、とても」
 そうだったというのです。
「この国に来るまでは」
「日本の食文化にですか」
「他の文化についてもです」
「日本文化自体にですね」
「和歌ですが」
 先生は和歌についてもお話するのでした。 
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