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転生とらぶる

作者:青竹
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マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
  0935話

「うひゃぁっ!」

 影のゲートから姿を現すと、突然そんな悲鳴が聞こえる。
 こちらを見て驚きの声を上げているのは、ピニャの護衛騎士にして側近でもあるハミルトンだ。
 まぁ、向こうがいきなり驚くのは無理もない。イタリカから去ったばかりの俺がいきなり戻ってきたというのもあるし、何よりも影のゲートというのは初めて見るんだから、その影から俺が姿を現したとなれば。何より……

「あ、貴方達っ! 一体どうしたの!」

 俺の背後に転がっている存在。20人程の騎士達が精神をへし折られた状態で呆然としているのだから。
 だが、俺はそれに構わずハミルトンへと告げる。

「ピニャを呼んでこい」
「で、ですが……そんな、ボ、ボーゼス、パナシュ!? ああ、酷い、なんでこんな……アクセル殿、これは一体何の真似ですか!」

 名前を呼ばれた2人、金髪縦ロールとショートカットの女だろうが、着ている鎧の両肩の部分が俺の握力によって砕かれ、同時に両肩の関節も同様に砕かれており、その時の痛みで気を失っている2人を見て悲鳴を上げるハミルトン。
 だが、俺はそれに構わずに再度命じる。

「3度は言わせるなよ? ピニャを呼んでこい。どうしても嫌なようなら、多少乱暴になるがこっちで探し出させて貰うが……どうする?」
「っ!? わ、分かりました。すぐに呼んできます。ですから、どうかその2人の治療を……」
「却下だ。この女達は俺に向かって襲い掛かって来た奴で、それを倒して捕虜にした。まぁ、これからの話次第ではそちらに引き渡す可能性もあるが、今は歴とした俺の捕虜でしかない。それより、こいつらを少しでも早く治療したいのなら、ここで喋っているよりもピニャを呼んできた方がいいと思うけどな。……おい、そこの。妙な真似はするなよ」

 この部屋はハミルトンの部屋……という訳でもなく、ピニャのお付きの騎士の待機部屋なのだろう。他に2人の男の騎士がいるのを確認し、妙な動きをしないように牽制の言葉を口にする。
 だが、向こうにしても俺との実力差というものは理解しているのだろう。一声掛けただけで動きを止めていた。
 それを見て決意を固めた訳でもないだろうが、ハミルトンは鋭い眼差しで俺を睨み据え、無言で部屋を出て行く。
 半ば小走りだったのは、少しでも早くピニャをここに連れてくる必要があったからだろう。
 それを見送り、さてどうするかと思い周囲を見回すが、特に何があるという訳でもない。
 あるいは、ここが貴賓室であったりすれば絵画の類でも壁に掛かっていたかもしれないが、ここはあくまでも臨時の待機部屋でしかないのだろう。
 しょうがないので空間倉庫から取り出した雑誌を眺める事数分。ドタバタとした足音がこちらに近づいてくるのを感じ取り、そちらに視線を向ける。
 数秒後、扉を叩き破るかの勢いで部屋の中に突入してきたピニャが、完全に心を折られて惚けた様子の自分の騎士団を見て目を大きく見開く。

「ボーゼス! パナシュ!」

 ピニャが大きく叫ぶが、それを聞くべき2人は激痛で気を失っており一向に目を覚ます気配はない。

「アクセル殿! これは一体どういうおつもりか!」

 烈火の如き気配を発しながら怒声を発するピニャだったが、俺はそれに軽く肩を竦めて答える。

「ハミルトンにも言ったが、こいつらから攻撃を仕掛けてきたんだぞ? それもお前との簡単にではあるが条約を結んだと言ったのに、だ。そこまでやって攻撃してきたんだから、当然処罰する権利は俺にあると思うが。……それとも何か? お前はあの条約を破棄すると? まぁ、それならそれでも構わない。その場合は改めて俺達の流儀で行動させて貰うだけだからな」
「なっ、そ、それは……」

 さすがに盗賊を俺1人で圧倒するだけの戦いを見て、更に俺程ではないにしろ、似たような実力がある者達がいると知れば、帝国の皇女としては黙らざるを得ないといったところか。

「さて。それを踏まえた上で、だ。シャドウミラーの代表である俺に向かって攻撃を仕掛けてきたこいつらを、どうする? 現在は俺の捕虜という扱いであるというのは理解してると思うが」
「……」

 沈黙を守るピニャ。
 そんなピニャに向け、ハミルトンが視線を向ける。
 だが、口を開く様子はない。
 そのまま数分。これでもかとばかりに悩んでいたピニャだったが、やがて絞り出すような声をその口から吐き出す。

「わ、妾に対する……貸しとしてもらえぬか」

 なるほど、そう来たか。
 その口から出てきた言葉にちょっと驚く。
 てっきり金銭やら何やらでどうにかするものだとばかり思っていたのだが……貸しと来たか。
 だが、確かにそれは上手い方法とも言えるだろう。向こうにしてみれば、いざとなれば踏み倒せばいいだけ。そう考えている可能性も高いのだから。
 だが……

「一応聞いておくが、帝国で皇帝を殺そうとした者の処罰は?」
「それは……死刑だ」
「だろうな。で、俺はシャドウミラーという、帝国如きとは比べものにならない程の力を持つ国の代表な訳だ。つまり、死刑間違いなしの罪人を無条件でお前に譲るという程の貸しとなる訳だが……それを十分に理解しているか?」
「……無論」

 一瞬の躊躇を考えるに……さて、どんな事を考えているのやら。

「それを承知の上でその取引を口にする以上、踏み倒すなんて真似はさせないが、それでもいいんだな?」
「無論」

 今度はあっさりと口に出す。
 そうだな、なら1つ脅しを入れておくか。

「そこまで言うのなら、お前への貸しという形で構わん。だが……」

 そこで言葉を止め、指をパチンッと鳴らす。
 同時に、俺の全身が白炎と化し、20代の肉体から混沌精霊としての肉体へと姿を変える。
 側頭部と額から天を突くかのように伸びる3本の角、後頭部から側頭部の角の下を通って前へと伸びる角、背中に現れる悪魔の如き羽、腰から伸びる竜尾。
 どこからどう見ても人間とは思えず、寧ろモンスターとしか思えないだろう姿。

『なっ!?』

 ピニャにハミルトン、そして男の騎士2人までもが唖然とした表情を浮かべて驚きの声を漏らす。

「正確な自己紹介はしていなかったな。俺はシャドウミラーの代表にして、混沌精霊のアクセル・アルマーだ」
「混沌……精霊?」

 小さく言葉を返してきたピニャに頷き、言葉を続ける。

「人間よりも上の階位にいる存在、とでも思って貰えばいい。そうだな、お前達に分かりやすく言えば亜神に近い存在だろうな。そして……」

 部屋の机の上にあったコップを念動力を使って持ち上げ、そのまま喉に魔力を込め……

「がぁっ!」

 そんな声と共に俺の口から吐き出された永久石化光線がコップに命中、次の瞬間には木のコップが石のコップへと姿を変えていた。

「こんな力も持っている。ちなみに当然この石化は人間を含めた生物にも有効だし、永久石化光線という名前で分かると思うが、俺にも解除は不可能だ。つまり一度これを食らったら、もう二度と石から元の姿に戻る事は出来ない」

 まぁ、正確には近衛辺りが頑張ればそのうち回復魔法でどうにか出来そうだって話だが……脅し目的で告げているんだから、わざわざそれを口にする必要もないだろう。

「さて、改めて聞くぞ? これが最後の確認だ。今のこの俺の姿を見て……その上で、お前への貸しという事でこの件を収めてもいいんだな? 当然踏み倒すなんて真似をしたら、それこそ帝国そのものがそっくりそのまま消滅する事になったりもするだろう。それを覚悟しての発言だと認識するぞ? 後で実は違うつもりだったとか、そういう言い訳も無しだ」
「……構わない、それで頼む。決して踏み倒したりはしないから、この者達を妾に引き渡して欲しい」

 ふむ、ここまで言っても尚そう言い募るであれば、きちんと覚悟の上での言動なんだろう。

「そこまで言うのなら、こっちもとしても異論はない。だが、引き渡したからといって、こいつらがやった事が全て無くなる訳ではない。当然相応の罰は与える。そう思っていいんだろうな?」
「ああ。それは約束しよう」
「ならいい。こいつ等はお前に託そう。……ああ、そうだ。言い忘れたが、こいつ等が乗っていた馬に関しては街道にそのまま置いてきたから、どうなっているかは分からないぞ。運が良ければまだ連れ戻す事が可能かもしれないな。それと、一応今回の件に関しては連合軍の方に報告はさせて貰うが、構わないな」

 その言葉がもたらした反応は大きかった。
 ピニャが血相を変えて首を振ったのだ。

「待て、待って欲しい。その、今回の件はあくまでも偶発的なものであり、帝国としては……そう、それに、この者達は妾とシャドウミラーの間に結ばれた協定に関しては全く知らなかったのだ。その辺を考えて、出来れば連合軍全体ではなくシャドウミラー内だけで……」
「知らない? 一応俺はお前と協定を結んだとこいつらに告げたぞ? その上での行動である以上、相応の責任というのはこいつらに……その上司であるお前や、そして帝国にも負って貰うのは当然だと思うが?」

 それに、あの場にはシャドウミラーのメンバー以外にも高畑の姿があった。それを思えば、ネギま世界に関しては誤魔化すのは無理だろう。

「それは、そうだが……だが、考えて欲しい。初めてあった人物が妾と協定を結んだといって、それを易々と信じられるものか?」

 ピニャにしても必死なのは分かる。ここでもし俺が帝国と協定を結んでから舌の根も乾かないうちに帝国の戦力に襲撃を受けたとすれば、色々な意味で不味い事になるだろう。……それも、よりにもよって協定を結んだピニャ直属の騎士団に、だ。
 それは分かるが……

「そうは言っても、見ての通り俺以外の連中は既にアルヌスの丘に帰っている。つまり、この件は否応なくシャドウミラーに知られている事になる以上、もうどうしようもないぞ」
「では……ではっ、そう、妾がアルヌスの丘に、そしてお主等の本拠地にて直接弁明させて貰いたい!」
「……なるほど」

 まぁ、自分の部下が不祥事を起こしたのだから、その上司がその弁明をするというのは理解出来る話ではある。
 他にもこちらの事情を知りたいという思いや、和平交渉に関しての道筋を付けたいと思っているのだろう。
 だが、それでも……

「分かっているのか? お前が俺達の本拠地、ホワイトスターに来るという意味を。お前達の侵攻によって死んだ者達の恨みをその身で受け止める覚悟があると?」

 勿論直接的な危害は与えられる事はない。だが、それでも憎悪の視線を向けられるというのはかなりの負担がある筈だ。
 そんな思いで問い掛けた言葉だったが、ピニャはそれを理解しているのか、あるいはしていないのか。ともあれ、問題はないと頷きを返す。

「無論だ。妾とて帝国の皇女だ。相応の振る舞いはしてみせよう」
「……なるほど。そこまで言うのなら、それでもいい。ちょっと待ってろ」

 そう告げ、通信機を取り出してホワイトスターへと連絡を入れる。

『アクセル? ムウ達から話は聞いてたけど、どうやら無事だったらしいわね。もっとも、この世界の住人がアクセルをどうこう出来るとは思っていないけど』

 心の底からそう思っているのだろう。映像モニタに映し出されたエザリアは、特に緊張した様子もないままにそう告げてくる。
 そこまで信頼されて嬉しいのやら、あるいは放任されていると嘆くべきか。……いや、別に放任されているからといっても嘆く必要はないか。

「俺に攻撃を仕掛けてきた騎士団がピニャの直属の騎士団だったらしくてな。まぁ、その件に関してはピニャに対する貸しという事で話がついたが、今回の件はシャドウミラーの中だけでどうにか済ませて欲しい、とな」
『そう、ね。まぁ、普通なら無理でしょうけど』

 エザリアの口から出た言葉に、ピニャの顔が強張る。
 だが、それも一瞬だった。

『もっとも、襲われたのがアクセルだと知ったら、寧ろ貴方達が同情されるのは間違いないでしょうけど』
「さすがにそれは言い過ぎだろ……」

 エザリアの言葉に思わず突っ込むが、本人はそれこそ呆れた表情を浮かべるに留まる。

『アクセルがどんな風に思われているのか……それは、自分が今までやって来た行いを考えてから言った方がいいわよ?』

 その言葉に驚きの表情を浮かべるピニャだったが、やがて視線を騎士達に向けると息を呑む。

「では……そちらに向かっても構わないのだな?」
『そうね、私達と帝国のどうしようもない絶望的とすらいってもいいような格の違いを知る事になると思うけど、それでもよければ構わないわ。アクセルとしても、特に異論はないんでしょう?』
「ああ」

 個人としての絶対的な力の差というものは既に見せた。次は国としての格の違いを見せつけるべきというエザリアの内心を理解し、俺は頷くのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:290
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1167 
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