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ドリトル先生と学園の動物達

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第十二幕その五

「私達の場合は」
「どういった商品が売れるか」
「それを事前に調べてね」
「売れるものを売れるんだね」
「そうしてるの、宣伝の仕方もね」
 それもというのです。
「八条グループの人と色々お話しているわ」
「それで業績もあがったんだね」
「会社も大きくなってきているわよ」
「いいこと尽くめだね」
「いやいや、業績が上がってね」
 それで、というのです。
「人手が足りなくなって」
「人を雇わないといけないんだね」
「それで今悩んでいるのよ」
 業績が上がって会社が大きくなればそれはそれで、というのです。
「会社のことでね」
「いい結果になるといいね」
「僕もそう願うよ」
「子供のこともあるし」
「子供ね」
「そう、子供達の教育でも」
 このこともなのでした、サラは悩んでいるのです。
「上の子も下の子も成績はいいけれどスポーツは」
「スポーツはなんだ」
「今一つな感じだから」
「スポーツも頑張って欲しいんだ」
「そうなの、けれど考えてみれば」
 腕を組んで言うサラでした、実際に悩んでいるお顔で。
「私もスポーツは得意じゃなかったし」
「僕もね」
「だから子供達の運動神経が今一つなのも」
 それもというのです。
「仕方ないわね」
「うちの家系は学問の家系だからね」
「兄さんは特によね」
「そうだね、運動は全然駄目で」
「昔からお勉強は得意でね」
「サラも成績は悪くなかったね」
「自分でもそう思うわ」
 サラにしてもです、学生時代は成績はいい方でした。大学も出ています。
「それなりにね」
「けれど運動は」
「そういえば上の子、男の子だけれど」
 その子のこともお話しました。
「兄さんに似てきた気がするわ」
「遺伝かな」
「そうかもね」
「だとしたら困るわ」
「困るって?」
「兄さんみたいに運動神経が鈍くてしかも太ったら」
 そうなったらというのです。
「結婚出来なくなるわ」
「結婚に運動神経は関係ないよ」
「太って野暮ったい感じになったらどうなのよ」
 先生を見ながら言うのでした。
「今はやっとその日笠さんって人が出て来てくれたけれど」
「それでもなんだ」
「兄さんみたいになったら」
「僕に似てたら駄目なんだ」
「だから行き遅れるから」 
 サラが心配しているのはこのことです。
「そうなったら可哀想よ」
「じゃあ僕は可哀想なのかな」
「兄さんは別にそうじゃないわ」
「あれっ、それはどうしてかな」
「兄さんには動物の皆もいればトミー君も王子様もね」
 皆いるからというのです。
「それで可哀想じゃないわよ」
「一人じゃないから」
「そう、兄さんは可哀想じゃないわ」
「確かにね、僕は幸せだよ」
 先生も実際に感じていることです。 
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