普通だった少年の憑依&転移転生物語
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【東方Project】編
070 彼女に意味ありげに振られたら
前書き
誰かこの妄想を止めてください…。
以下妄想。
ふと【ハイスクールD×D】の転生モノを思い付いた。始まりは原作3巻で、主人公は原作知識無し。
特典は【ワンピース】の黄猿の能力(覇気込み)で、転生先はイッセー(赤龍帝)に。
両親については父親がコカビエル。母親は〝はぐれ〟に殺されていて、それでコカビエルは主に悪魔を恨んでいて、聖剣を盗み原作3巻の内容に。
ヒロインはTSヴァーリか朱乃。……悪魔と仲良しこよしが出来る訳でも無いので、ヴァーリチームへ。
アンチは無し。弱体化したリアス眷属はオリキャラ+オリ神器で補強。
……誰か書いてくれても良いのよ?
SIDE 升田 真人
……出会いが突然な様に、〝別れ〟も突然だと知るのそう遠くはない…。……そんな当たり前の事を学ぶ事になったのは今日だった。……俺は今日──もしくは昨日という日を教訓として魂にまでに灼き付けて、絶対に忘れまいと決めた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「……朝か? ん…?」
朝──多くの人間にとっての目覚めの時間。目を覚ませば見慣れている天井で、この朝は嫌に静かな朝に感じている。……が、その静寂さとは反比例に第六感──虫の知らせみたいなのが、ガンガンと警鐘を鳴らしていた。
「輝夜…?」
1も2も無くその〝知らせ〟の正体に気付いた。輝夜が居ない。……逸る気持ちをなんとか落ち着かせながら、昨夜の事を思い出そうとする。
(……確かいつも通り3人で飲んでいたはず。……で途中で輝夜が1対1(サシ)で飲みながらゆっくり話したいって──)
珍しく輝夜から誘われたと思い──ミナをなんとか宥めすかし、席を外して貰って輝夜と飲み始めた…。……そこまでは思い出せたが、輝夜と飲み始めた頃から記憶がぷっつりと消えている。……まずは最初に思い付くだろう〝酒で潰れた〟と云う選択肢はあり得ないので除外する。〝仙術〟で肝臓の機能を強化してアルコールの分解速度を加速度的に速めているのは伊達じゃない。
「だとすれば──」
もう1つの可能性。
「輝夜が何か──クスリでも〝盛った〟か…?」
砒素や青酸カリ、テトロドキシンなどの〝致死毒〟は、ミナの維持の為に装着していた“アギトの証”の効能の1つにより──〝毒無効〟で効かないので、輝夜から〝盛られた〟のは睡眠薬の類いと暫定する。……尤も、それは〝盛られたら〟の話なのだが…。
「起きましたか、マスター──じゃなくて、マスター! 輝夜さんが〝月〟から来たらしい使者の人と一緒に!」
「ミナ、とりあえずは落ち着いてくれ。……なにが有った」
ミナはいきなり俺の寝室に突撃してきたと思ったら、開口二番におたおたと騒ぎ出す。……正直俺も気が気では無いが、ミナを落ち着かせなければならない為、〝体面上では〟取り繕いながらミナを落ち着かせる。……数秒してなんとか落ち着いたミナは謐々と事の顛末を語り始める。
………。
……。
…。
ミナの説明は程無くして終わる。曰く、輝夜は昨日俺に──≪月の賢者≫の謹製らしい無味無臭の睡眠薬を盛り、ミナへと俺に宛てた書き置きを渡して使者──≪月の賢者≫と共に去って行った。……その際、≪月の賢者≫が俺に某かの細工をしていたらしいが、それは後回し。
……ちなみにミナは輝夜を連れ出されまいと抗戦しようとしたらしいが≪月の賢者≫に、眠りこけている俺を楯にとられて動けず仕舞いとなっていた。……これについては輝夜に〝してやられた〟俺の方が非が有るので、ミナに対してなんだか申し訳無い気持ちになった。
閑話休題。
……取り敢えず、今は細工云々よりも気になる事がある。
「ミナ、使者は≪月の賢者≫1人だったか?」
「は、はい。そうですが…。……それがどうかしましたか?」
「いや、なんでも無い。ただ気になっただけだ。なんとなく、な」
(……違う…)
違う。可能性としては考慮してあったが〝原典〟とは違う。【竹取物語】では月からは〝軍勢〟と表していいほどの人数で迎えに来たはずだ。……故に──輝夜を俺の〝迎え〟なんかに渡さない為に、スキルをつくるスキル(そろそろ名前を付ける必要があるのだが名前は未だに付けて無い例のスキル)で、〝大──『検閲されました』〟…が出来るスキルまで作った。
「ミナ、輝夜の書き置きは?」
「はい、こちらに」
輝夜には言いたい事が山ほど有るが、まずは〝書き置き〟とやらを見なければ話にならないので、ミナから渡されたA4用紙ほどの大きさに書いてある、〝俺宛て〟の──やたらと達筆な輝夜の独白に、脳内で現代(平成)語に直しながら目を通していく。
――――――――――――――
真人へ。
いつか〝この時〟が来る事を感じて──月からの使者の〝迎え〟に乗っている事を予感していたので、前以てこの書を認めて置きました。
……この書き置きを見ていると云う事は、私は既に真人の前から姿を消していることでしょう。……〝もしもの時〟の為に永琳から貰っていた睡眠薬を盛らせてもらいました。
まずは謝罪させて下さい。……ごめんなさい。真人があの満月の夜に言ってくれた言葉は嬉しかった。とても嬉しかった。……でもね、私の所為で真人に人を殺させるのはどうしても嫌だったの。真人が私に〝ちょっかい〟を掛けてくる貴族諸侯をどうやって〝処分〟しているかは知っているわ。
……それに真人も気付いていた思うけど、私──蓬莱人と、真人──人間(?)の間にはどうしても解決出来ない問題が有るの。……それは寿命。いくら真人が人間でも──いいえ、真人が人間だからこそ私は貴方に取り残されてしまう。……それだけは耐えられない。
もちろん、真人に“蓬莱の薬”──不老不死の霊薬を渡そうとは何度も思ったけど、それも出来なかった。……真人はきっと了解してくれるだろうけど出来なかった。……やっぱり私の所為で変わらなくなってしまった真人を見ているなんて嫌だもの。
長々と語ってしまいましたがこれで締めとさせていただきましょう。……最後に、いつも顔を合わせている手前気恥ずかしさから言えませんでしたが、私──蓬莱山 輝夜は升田 真人を愛しています。
蓬莱山 輝夜より。
PS.真人は〝そんな物必要無い〟とは言いそうですが、〝いろいろ〟と迷惑を掛けてしまった帝への謝罪──兼、献上用に“蓬莱の薬”を用意しておきました。献上用の“蓬莱の薬”と、帝への手紙は、私の寝室となっていたの畳の下に隠してあります。……使わないとは思うけど、くれぐれも真人は使わない様に。
……後、〝月〟に来たとしても私は居ない可能性が高いので悪しからず。
――――――――――――――
――クシャ
「[長々と語ってしまいましたがこれで締めとします。……最後に、いつも顔を合わせている手前気恥ずかしさから言えませんでしたが、私──蓬莱山 輝夜は升田 真人を愛しています。]…ってなんだよ。……〝最後〟ってなんだ、〝愛しています〟ってなんだ…っ!」
2枚にわたる輝夜の独白に目を通し終えた俺は、思わず書き置きを握りしめる。それだけでは行き場の無い怒りは収まらず、爪が手の平の皮膚を傷付けていたのか徐々に俺の血で書き置きが赤く染まるが〝赤くなっている〟そうぼんやりと頭が認識しているだけで、痛みは大して気になっていない。……その程度には頭に血が上っていた。
「マスター…」
「ごめん、ありがとう」
ミナが俺の無意識な自傷に気が付いたのか、手を取りながら傷に回復魔法を掛けてくれて、漸く我を取り戻す。……がしかし、手の平傷は塞がっても胸にぽっかりと空いた穴は塞がらない。
(どうしたものか…)
「いえ。……で、どうしますか? このまま輝夜さんを追い掛けますか?」
次にすべき行動を考えていると、ミナがそう提案してくる。……確かにそれ──〝なりふり構わない正面突破〟は〝いつもの俺〟が採る選択肢に近しいだろう。……しかし──気が乗らない。
(これは恐らく≪月の賢者≫の〝細工〟とやらか…)
「……そうしたいの山々だが輝夜は追わなくていい──いや、〝追えなくなった〟と言い換えるべきか。……どうやら≪月の賢者≫とやらが、俺の頭に輝夜を追えない様〝細工〟してくれたらしい」
「だったら私が──」
「いや、この〝枷〟はどちらかと云うと、〝魔術〟とかよりは〝科学〟に近いらしい。……ミナの言葉は嬉しいが、この〝枷〟を解くには──それこそ〝身体ごと〟作り替えるとかしないとダメらしい」
ミナを納得させる為にそうありまのままの真実を伝える。輝夜を追えない様になっているのは真実である。……“大嘘憑き(オールフィクション)”等を使い、〝枷〟を外せない──〝外そうと思えない〟あたり、≪月の賢者≫にしてやられている。
「……それに、俺は輝夜に振られたんだ。ここまで言われてしまったら、いっそ潔く身を引くのも一種の男の甲斐性だろう」
どうにもならないこの状況。なけなしの気概ではそう強がる事しか出来なかった。……だがミナはそんな俺の〝強がり〟を見抜いているような表情──困った様な表情を浮かべている。……〝さすがは、“コントラクト・サーヴァント”〟とでも言うべきなのだろうか。
「マスター…。……判りました。マスターがそれで良いなら私は納得しておきます。……ですが、後悔だけはしないで下さいね? 後になってマスターの苦しむ顔を見るのは嫌ですからね」
ミナは俺の隠し事に気付いてるのか気付いていないのかは判らないが、意味深長な科白を最後に輝夜に関する話は終わった。……ミナの「これからはマスターを独占出来ますしね」、なんて言葉は空気が割りとシリアスだった雰囲気が台無しになりそうだったので全力でスルーさせて貰った。
SIDE END
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
SIDE OTHER
輝夜が〝月へと帰った〟という情報は、輝夜が帝へと送った“蓬莱の薬”と共に送った、輝夜直筆の書状により周知されて都を賑わせた。……そんな喧騒から少し外れたところに、幼げながらも立派な〝殺意〟をその双眸に宿した少女が居た。
「蓬莱山 輝夜、升田 真人…っ! お父様の仇…っ! ……この恨み晴らさでおくべきか…っ」
藤原妹紅。その少女は綺麗だったはずの──土埃やらで汚れてしまって、見る影も無くなってしまった肩口で切り揃えられている──後に云うおかっぱ頭な黒髪を揺らしながら、帝からの勅命で“蓬莱の薬”を運んでいる人間達を──その人間に気付かれているとも知らずに、稚拙な尾行で追い掛ける。
……その少女が紆余曲折を経て“蓬莱の薬”を飲んでしまい〝蓬莱人〟と呼ばれる種族になり、人間を辞める事になってしまうのはそう遠くない話である。
SIDE END
後書き
最近感想が少なくてモチベーションががが…。読者は着いて来てくれているのでしょうか。
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