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インフィニット・ストラトス 乱れ撃つ者

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接触

さて、次の日のことである


「はぁ…。 なんか、入りづれぇな…」


登校して、1年1組の教室の前に佇む俺。 入りづらいというのは、昨日のことが原因だったりする
そりゃ、編入生が早々に窓から飛び降りるという意味不明なことをしたのだ。 変な目で見られるのは確実だろう


「……しゃぁないか」


腹をくくり、教室のドアを開ける。 その音に教室内にいた生徒の視線が集まるが、気にしないように俺は奥の席に向かった。

よく見れば、視線のなかにはあの織斑一夏の姿も見える。 どうやら、もうすでに来ていたようだ


(いくら焦ってたからって、昨日のは酷いよな……)


心のなかで少し反省しつつ、俺は荷物を置く。 どうやら、織斑は幼馴染みの篠ノ之とオルコットと3人で何か話していたようだ。


恐らくだが、もうすぐ凰(ファン)がやって来て織斑と再開というシチュになるはずだ


俺の傍観はそこから始まる。 考えただけで楽しくなってきたぜ


「なぁ、ちょっといいか?」


「あ?」


突然、声をかけられたため、目線を上げると、そこにいたのは織斑一夏。主人公であった


……どうしよう。 これは、昨日のことを謝るべきか?


「昨日は話せなかったけど、改めて。 俺は織斑一夏だ。 同じ男同士、仲良くしようぜ!」


手を差し伸べてくる織斑。 握手、なのだろう。 別に拒否する理由もなければ、仲良くなっといて損はない。


俺はしっかりとその手を握り返した


「こちらこそ。 それと、昨日はすまなかったな。 俺は御堂。 御堂中だ。 よろしく」


そう返すと、男一人って心細かったんだよ。とか、色々と大変でさ。とか、俺のことは一夏って呼んでくれ。とか話していた。 どうやら、精神的にかなりきていたそうだ。 幼馴染みや仲の良い女子の友達もできたからかなり和らいだそうではあるが


俺ならたぶん無理。 1週間もしないうちにミイラになってしまう自信がある


で、どうやら篠ノ之とオルコットを紹介してくれるらしい


「篠ノ之箒だ。 よろしく」

「こいつ、俺と幼馴染みなんだよ。」

まずは篠ノ之の方からだった。 こうして生でみると、本当に武士を思わせる佇まいである。あと美人。それと巨乳


「私(ワタクシ)はセシリア・オルコットと申します。 御堂さん、同じクラスメイトとして、これからよろしくお願いしますわ」


「ああ。 よろしく」


続いて金髪美人のオルコット。

うん、やっぱ、雰囲気がお嬢様!!って感じだ。 その身から溢れ出すようなオーラが凄い
見えてる訳じゃないけど


「そういえば、中は何でこんな時期に編入してきたんだ?」


自己紹介が終わると、おもむろに一夏が訪ねてきた。 俺が一夏と呼ぶなら、と俺のことも名前で呼び出したのだ


「なんでって言われてもなぁ……。 色々と準備があったしな」


「専用機ですわね?」


「ああ。 それそれ 」


「な!? 中、専用機もってんのか?」


オルコットの質問に肯定の意を示すと、一夏が驚いた。


「いや、そんな驚くなよ。 家がIS作ってるメーカーなんだよ。 そこで俺用につくってもらったんだよ」


「家がメーカーって……どこだ?」


「ゴッドカンパニー」


そう答えると、一夏と篠ノ之は知らないのか首を傾げるが、オルコットは知っていたようだ。さすが、代表候補生


「主に、第2世代のISを製造していますのよね? 確か、ちょっと変わったISを造っているとか?」


「さすが優等生。 家みたいなマイナーなメーカーのことも知っているとは感謝感激だぜ」


「なぁ、セシリア。 それ、どんなメーカーなんだ?」


話についてこれていない一夏がオルコットに聞いた。


「私も詳しいことは知りませんが……。 ゴッドカンパニーは日本のメーカーで、先程も言った通り、第2世代を主流にしていますわ。 御堂さんには失礼かも知れませんが、あまり有名ではありません。でも、他のISにはない特殊な機能があるとか」


恐らく、オルコットがいっているのはGN粒子のことだろう。 あれはOOの機体にしかついていないもので、ISのシールドエネルギーとは全く異なるものだ。 もちろん、この世界の技術ではないため、情報は最低限の物しか流していない


販売しているジンクスにも擬似GNドライヴがついているがISのコアと同じように中身はブラックボックス。
あの天才(天災)と言われる篠ノ之束にだって解明できない代物だ



「その特殊な機能ってなんだ?」


「おいおい。 そこは家のシークレットだぜ? まぁ、実践とか模擬戦で見る機会もあるだろうよ」


悪いがこれだけは話すわけにはいかない。 どこから情報が漏れて、俺達の事を話すことになりかねない


「そんなことより、一夏。 クラス対抗戦は大丈夫なのか?」

今まで空気だった篠ノ之が一夏を睨むように見た。 そう言えば、凰が来るってことはあのイベントなのか


「まぁまぁ、篠ノ之さん。 大丈夫だって」


「なんせ、1年の専用機持ちは1組と4組にしかいないからね」


「これはもう優勝だよ! 織斑君には頑張ってもらわなきゃ!」


クラス中がワイワイと騒がしくなる。

きた


ついにきた


このイベントの始まりが……!


内心昂ってくる興奮をどうにか平静を装って押さえ込む


「その情報、古いよっ!!」



キタァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!


イベントキタァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!


もはや俺の頭の中に周囲の言葉が入ってこない


なにやら、原作通りの会話で一夏と凰が話しているのを見ながら、俺は感動で震えていた


篠ノ之とオルコットが変なものを見る目で見ているが関係ない!


俺はようやく、ISの世界に来たんだと喜んでいた


そして、これも原作通り織斑先生が凰の頭に出席簿アタックを喰らわし、凰は涙目で去っていった


「さっさと席につけ。馬鹿者」


どうやら、もう立っているのは俺だけらしい。 少し、恥ずかしくなり、俺はいそいそと席に座った 
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