レインボークラウン
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第二百十二話
第二百十二話 壊滅
博士は戦艦を目的地であるいつも怪獣を送り込んだり大量破壊兵器を放り込んだりしている国に持って来た、そしてその艦橋でだった。
仁王立ちしてだ、こう言った。
「総攻撃じゃ」
「このままですか」
「うむ、砲撃にじゃ」
共にいる小田切君に話した。
「そして爆撃じゃ、ミサイルも放つ」
「この場合は空対地ミサイルですね」
「そうじゃ」
艦艇であるが空を飛んでいるのでそうしたミサイルになる。
「そうしたものをどんどん放ってじゃ」
「この国を破壊するんですね」
「最大攻撃目標は将軍様の宮殿じゃ」
「ああ、あれですね」
そこで早速だった、その宮殿が見えて来たところで。
博士は砲撃も爆撃もミサイル攻撃も四方八方に放ち。
特に宮殿に向けて攻撃していた、それでだった。
宮殿は忽ちのうちに全壊した、小田切君は炎に包まれ崩壊していく宮殿を見つつ博士にこうしたことを言った。
「またあの宮殿破壊されましたね」
「うむ、わしが何度も破壊しておる」
「けれど将軍様死んでませんよ」
代替わりはしているがだ。
「三代目の人も」
「それは別にいい」
「兵器の性能を見られればですか」
「破壊活動が出来ればな」
博士の趣味であるそれがだ。
「それでよいわ」
「そうですか」
「そうじゃ、見たところじゃ」
総攻撃でわかったことはというと。
「この兵器は充分じゃ」
「使えるんですね」
「うむ、これならよい」
「居住環境もいいですしね」
「充分戦えて空の船旅も楽しめる」
「まあ戦闘性能はともかくとして」
小田切君は居住環境のことから言った。
「居住性はいいですね」
「現在の豪華客船にも劣らぬ」
洒落者でもある博士らしい発想である。
「ではもう少し暴れてな」
「この国全域をですか」
「焼け野原にしてやるわ」
「これでこの国また焼け野原ですか」
「案ずるな、また復活するわ」
それでまた破壊するのである、気が向いた時に。
そうしたことも話しながらだった、戦艦を動かして。
実際に国家全体を焼け野原にしてしまった、そうして博士は高笑いをしつつ意気揚々として後は世界の空を旅して楽しんだ。
第二百十四話 完
2015・2・13
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