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ドリトル先生と学園の動物達

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第十一幕その八

「仏陀はヴィシュヌ神の転生した姿の一つなので」
「だからですか」
「はい、ヴィシュヌ神はヒンズー教の神様ですね」
「三大神の一柱ですね」
「ですから」
 それでというのです。
「仏教はヒンズー教の一派となります」
「そうした解釈なのですね」
「このことはご存知なかったのですか」
「全く」
 日笠さんははじめて知ったというお顔のままでした。
「そうだったのですね」
「そうです、しかし」
「しかしなのですか」
「インド独特の考えですね」
「我が国だけなのですか、この解釈は」
「はじめて聞きました」
 日笠さんの表情は変わっていません、今も。
「ですが覚えさせて頂きます」
「それでは」
「はい、それでは」
「それで日本で、ですね」
「学ばせて頂いています」
 ヒンズー教の一派である仏教をというのです。
「そうさせて頂きます」
「それでは」
「そして他の宗教も学んでいますが」
 ジャイフルさんはさらに言うのでした。
「ですからここにも」
「神社にもですね」
「お参りしています」
 今度は先生にもお話します。
「そして観て回っています」
「フィールドワークもされているのですね」
「お寺もです」
「仏教の方も」
「そうですか、それでどう思われますか」
「不思議ですね」
 ジャイフルさんの素直な感想です、仏教のお寺を観たうえでの。
「日本独特のものがあります」
「僕もそう思います」
「先生もですね」
「あっ、僕のことはご存知なのですか」
「ドリトル先生ですね、貴方のことは有名ですよ」 
 それも非常にというのです。
「学園の中でも」
「僕は有名人なのですか」
「多くの博士号を持たれている素晴らしい方として」
「あっ、いい意味でなのですね」
「悪い噂はありませんよ」
「だといいのですが」
「先生に悪い噂はないですよ」
 トミーも先生に言うのでした。
「学識だけでなくそのお人柄も」
「太っていて動きが鈍くてもなんだ」
「そんなことマイナス要因にならないですよ」
「だといいけれどね」
「先生は素晴らしい方ですよ」
 笑顔でお話するトミーでした。
「公平ですし」
「差別もしないっていうんだね」
「先生は差別はお嫌いですね」
「除け者にされたり嫌がらせをされて楽しい人はいないよ」
 トミーにです、先生はまずはこう返しました。
「自分がやられて嫌だとね」
「他の人にはしないことですね」
「それにどんな人も動物もね」
 誰もがというのです。
「違いはないから」
「そうです、先生はどんな人にも動物にも公平に接しますから」
「そのこともなんだ」
「評判がいいんですよ」
「贔屓も差別もしないから」
「そうしたことをする人は好かれないです」
 絶対に、と言うトミーでした。
「先生はそうしたことからも好かれていますよ」
「僕は人気者なのかな」
「はい、人気がありますよ」
 ジャイフルさんも微笑んで先生に答えます。 
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