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ドリトル先生と学園の動物達

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第十一幕その七

「しかしです」
「それでもですか」
「はい、動物達もお菓子をあげたら食べますが」
「皆美味しそうに食べていまして」
 ジャイフルさんは先生にさらにお話します。
「それでいいと思っていたのですが」
「確かに動物の皆もお菓子をあげれば食べます」
 先生もこのことは否定しません。
「確かに美味しいと感じるでしょう」
「ですからいいと思っていました」
「しかしです」
「それでもなのですか」
「はい、私達人間は歯を磨くことが出来ますね」
 先生は穏やかな顔のままジャイフルさんにお話していきます。
「食べた後で」
「しかしなのですか」
「動物の皆は出来ません」
 歯を磨くことがというのです。
「ですから甘いものを食べますと」
「虫歯になるのですね」
「そうなってしまいます、それに」
「それにとは」
「ジャイフルさんの作られたお菓子ですが」
 そのお菓子のお話もするのでした。
「おそらくですが」
「それでもですね」
「はい、甘いですね」
「実は私は甘党でして」
 それで、というのです。
「インドのお菓子の甘さをです」
「再現されたのですか」
「はい、それがなのですね」
「よくなかったのです」
 そうだったというのです。
「動物の皆にお菓子をあげること自体が」
「そうでしたか」
「ですから」
「これからはですね」
「皆を虫歯にしたくありませんね」
「私も虫歯になったことがあります」
 このことからです、ジャイフルさんは答えました。
「痛くて仕方ありませんでした」
「ですからそのことをお考えになって」
「皆にお菓子をあげることをですね」
「はい、止めて下さい」
 先生はこうジャイフルさんにお願しました。
「そうして下さい」
「わかりました、私も皆を困らせることは本意でありません」
 ジャイフルさんもすぐに先生に答えました。
「ですから」
「それでお願いします」
「わかりました」
 ジャイフルさんは皆にお菓子をあげることを止めることを約束しました、こうして今回の騒動はまずは終わることとなりました、ですが。
 日笠さんはです、ジャイフルさんに尋ねることがありました。騒動が終わったうえで尋ねることはといいますと。
「あの、日本語は」
「祖国で学んでいました」
「だからお上手なのですね」
「留学するつもりでしたので」
「事前にですか」
「学んでいました」
 そうだったというのです。
「書くことも出来ます」
「それは素晴らしいですね、それでなのですが」
「何でしょうか」
「先程仏教がヒンズー教の一つと仰いましたが」
「そのことですか」
「それはどういうことでしょうか」
「インドでは仏教はヒンズー教の一派と考えています」
 ジャイフルさんは至って落ち着いた表情で日笠さんに答えました。 
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