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ドリトル先生と学園の動物達

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第十一幕その六

「この国で仏教、ヒンズー教の一つを学ぶ為に来ました」
「仏教がヒンズー教の一部?」
 そう聞いてです、首を傾げさせた日笠さんでした。
「といいますと」
「そのお話は後にした方がいいよ」
 すぐにです、王子がその日笠さんに言いました。
「またね」
「まずはですね」
「うん、ジャイフルさんにね」
 この人にというのです。
「お話してね」
「そうしてですね」
「そう、本題を済ませよう」
「それじゃあ」
 こうお話してでした、そのうえで。
 日笠さんがです、ジャイフルさんに言いました。
「少し座りませんか」
「長いお話ですか」
「そうなると思います」
「それでは」
「ここに休む場所はない様ですから」
 先生は山の頂上、社の周りを見回しました。社はありますが皆が座ってお話出来る様な場所はありませんでした。
 それで、です。先生はこう言うのでした。
「ですから麓に戻りますか」
「神社の下の方にですね」
「うん、たい焼き屋さんとかがあるね」
 そこにというのです。
「戻ってね」
「そうしてですね」
「お話をしよう」
「それじゃあ」
 こうお話してでした、そのうえで。
 皆でなのでした、麓まで戻ってです。
 座る場所を探してでした、それから皆でお話しました。その中でなのでした。
 日笠さんがです、ジャイフルさんに言いました。
「八条学園の動物園や水族館に出入りされていますね」
「はい、よく」
「そしてお菓子をあげていますね」
「自分で作ったものを」 
 そうしているというのです。
「ちゃんと」
「そうですね、ですが」
「ですが?」
「そのせいで動物達が虫歯になっていまして」
「そうだったのですか」
「はい、ですから」
 それで、というのです。
「動物の皆にお菓子をあげることはですね」
「止めて、ですね」
「そうしてくれますか?」 
 こう言うのでした。
「皆困っていますので」
「それは気付きませんでした」
 ジャイフルさんは申し訳ないお顔で日笠さんに答えました。
「動物達もお菓子を食べると思っていましたので」
「えっ、そうだったのですか」
「違うのですか?」
「はい、お菓子はです」
 それはというのです。
「ガネーシャ神の好物でもありますし」
「ああ、ガネーシャ神といいますと」
 先生が応えました、その神様の名前を聞いて。
「ヒンズー教の商業、学問の神様の」
「象の頭を持った神様です」
「そういえばガネーシャ神の像はお菓子を持っていますね」
「それでと思っていました」
「動物もまたお菓子を食べると」
「そう思っていました」 
 それで、というのです。
「それであげていたのですが」
「皆にですね」
「違ったのですね」
「確かにガネーシャ神はお菓子が大好物です」
 このことは先生も知っていてジャイフルさんに応えます。 
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