Sword and magic of fantasy
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Second episord~Marchosias~
「…マジかよ、全く効いてねぇ…無傷かよ…」
初撃、その一撃は確かにマルコシアスを捉えた。
しかし、重い剣撃は無と化した。
マルコシアスは、懐に入った剣に獰猛な牙を向けた。
「…っ!」
マルコシアスは剣の頭に噛み付こうとするが、剣は身を屈めて避ける。
しかし、避けたところで次撃は防ぎきれなかった。
側面から大振りのパンチを繰り出され、思い切り喰らった剣は堪らずぶっ飛んだ。
「…あらららら…」
リュウが吹っ飛んだ剣を見て呟いた。
「じゃあここは、僕が一人でやるしか無いかな?」
剣は頭から血を流しながら立ち上がった。
「…おもしれぇ…精々楽しませろよ…駄狼ッ!」
「うわぁモロに喰らってそれかぁ…頑丈だなぁ…
まぁ、僕も見てるだけではおもしろくないのでね…
少し、やらせて貰おうかな…」
刹那、マルコシアスの動きが止まった。
「…魔法か…2対1って言う状況は尺だが、おもしれぇ…やってやろう…」
そう呟いた剣の大剣が眩い光を発し、形状が変わっていった。
「喰らえ…マルコシアス、この魔法剣『雅月』でテメェの身体をズタボロに切り裂く…!」
剣は、再び跳躍し、大剣をマルコシアスの身体に喰い込ませて切り裂いた。
ズバァッと言う音と共に、マルコシアスの胸に確かなダメージが入った。
『Ggyyyyyaaaaa!!』
確かに今度は悲鳴を上げてくれた。
「…っ!マズイ。拘束がっ…!」
リュウが冷や汗をかきながら声を押し殺すように言った。
次の瞬間、マルコシアスが獰猛な牙を剥き出して叫んだ
『GRrrrryyyyyyuuuuuuu‼︎』
断末魔、マルコシアスの叫びに壁や天井の水晶が割れはじめた。
リュウはなんとか耳を塞いだが、剣は反応出来ずに至近距離で聴いてしまった。
「ぬぅ…」
剣は、頭を抑えて無意識にしゃがみ込んだ。
マルコシアスは再び腕を剣に振り下ろした。
剣は、反応することが出来ずにその攻撃がすぐ目の前まで近づいている時点でやっと気付いた。
しかし、爪があと数センチというところで、弾かれた。
比喩は無い。
「間に合った…」
リュウが魔法を繰り出していた。
マルコシアスは、怒り狂うように唸り、尾の大蛇を魔法を行使しているリュウに向かって牙を向けさせた。
「…」
リュウが身構えた瞬間、剣がリュウの目の前にたって襲ってきた蛇を掴んだ。
「オォォォォォォォ…‼︎」
そのままマルコシアスごと持ち上げ、持ったまま回転した。
グルングルンと円の軌跡が見える程に早く、
そして、その手を離した。
マルコシアスは壁に激突した。
「…リュウ」
「…なんだい?」
「あのガードと肉体強化」
「その魔法を…使えと…?」
剣は、ニヤッと笑い、リュウは、「はぁ…」と溜め息を吐いて、口を尖らせてブツブツと文句を言った。
「さぁ、次は失望させないぜ…駄狼ォッ!」
剣は、先ほどの何十倍と言う速度で、マルコシアスに近づいた
マルコシアスは、剣に向かって、炎の息を吐いた。
「足を止める必要はない」
リュウの呟きと共に剣の周りに丸い膜のようなものが表れた。
炎の息は膜に阻まれ、無と化した。
マルコシアスは喉を唸らせて地面に勢いよく拳をたたきつけてリュウに瓦礫を打ち出した。
リュウは飛んできた瓦礫に対し何もせずに立ち尽くした。
瓦礫はリュウの居る場所に当たらずに外れた。
『あいつの魔法を打ち消せば』
そんな風に思った魔狼マルコシアスは、盛大なミスを犯した。
リュウの頭脳を舐めていたのだ。
また、どんな戦闘に関しても、一瞬でも気を逸らしてはならない。
最強クラスの悪魔。
魔狼マルコシアスは、『ニンゲン』に対し、甘く見ていた。
その慢心は、マルコシアスを『破滅』へ、と導いた。
既に、マルコシアスの目の前に剣がいた。
狙うのは、『首』。
マルコシアスは、瞬時に反応して拳を振るうが、斬るが早いか、剣の『雅月』は、マルコシアスの首に刃を食い込ませた。
ズバァッ!!
と、雅月がマルコシアスの首を刎ねた。
首から血が噴出し、雨のようになった。
しかし、マルコシアスは完璧に殺される前に攻撃を繰り出していた。
地上へ落下した瞬間。
マルコシアスの腕は剣の腕を、大剣ごと弾き飛ばした。
「ぐっっ!?この!!駄狼がぁァッッ!!」
剣は既に死亡したマルコシアスを拳で殴りぬけた。
マルコシアスの身体は、壁まで吹き飛び
やがて、牙と爪、黒い結晶を落として消滅した。
剣は、自分の腕を拾い、傷口にくっつけた。
そして次は、大剣『雅月』を取りに向った。
大剣を剣が手に取った瞬間。
大剣はボロボロと崩れ落ちて、白い色の結晶だけが残った。
「任務完了だな」
リュウの呟きに剣は頷く。
リュウはマルコシアスの牙を持って「これでいいかな…」と呟いた。
剣はまた、爪と水晶を持った。
「…リュウ、そういやあんた…魔法使いだよな?」
「うん?そうだけど?」
剣はニコニコ笑顔のリュウを指差して言った。
「お前…『空間転移魔法』とか無いのか?」
「…」
「…」
リュウはニコニコ笑顔のままそこからフッと消えた。
剣は、ため息をついて、悪態を呟いた。
「…なんだったんだ?あいつ…」
剣は、二つの水晶とマルコシアスの爪をもって、来た道をだらだらと引き返した。
後書き
ちなみにちょっと豆知識。
普通の人は、剣のように魔法剣を扱うのではなく、
武器に魔力を込めて扱う。
武器に魔力を込めると言うのは、武器の軽量化、など様々な用途に役に立つ。
逆に魔法剣は、旧型の武器で、剣自体に魔力が構成されている。
メリットは、使用者は、魔力を消費しない(魔力がなくても使える)
デメリットは、とにかく重い。
成人男性でも、とにかく軽量化されたものでもまず持てない。
だが、重さ+魔力で破壊力は半端ない
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