ハイスクールD×D大和の不死鳥
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
21アリアとヴィヴィオなの!
王座の間ではなのはとヴィヴィオ、ヤマトとアリアの戦闘が始まる
◇ヤマト
「ウオォォォォォ!」
「ハアァァァァァ!」
アリアはアヴェンジャーを俺はGNソードⅣを幾度となくぶつけ合う
「アリア……君はなぜ、オオグルマに従っているんだ?」
「私を作ってくれた親だからです」
アリアに取っては親か……だが、俺にとってはただの狩る対象だ
「自分を道具扱いしているとしてもか?」
「はい」
まあ、そういう風に教育されているよな……やっぱり、あいつのやることは許せねえ!
「ヤマトはオオグルマ先生にどうしてそこまでこだわるのですか?」
「俺は…………俺は昔、お前と瓜二つの仲間を道具扱いされ、俺を何度も殺そうとし、最近でも、残してきた仲間を人質に殺そうとしてきた、そんな奴を生かしておけると思うか?」
「無理でしょう、私も復讐に走ります」
そう言うと俺に剣を向ける
「ですが、オオグルマ先生をやらせるわけにはいきません!」
「そうか……」
俺もGNソードⅣを構える
「君を倒そう!」
俺達は同時に地面を蹴り、動き出す
「『ソニックキャリバー』!」
「『天翔・蒼』」
二人がぶつかり合うと同時に爆発が起こる
「ヤマト!?」
なのはさんが心配するが煙が晴れるとそこにはアリアを抱えている俺がいた
「大丈夫です、あとは、任せます」
後は、ヴィヴィオを助ければいい
◇なのは
私とヴィヴィオの横ではヤマトと女の子が戦っている。私達も始めよう
「ヴィヴィオ…ごめんね、不安だったよね。ずっと私の事見てくれてたもん、肝心な所で避けてたの分かっちゃってたよね。」
「う…あぁ!っ!?」
私に攻撃しようとしたヴィヴィオをバインドで拘束する
「…ヴィヴィオ、ごめん。もう逃げないよ。私らしく、全部見せる。うるさい人に振り回されてるから今は答えは聞かないけど…ずっと戦ってばっかりだった私でいいなら、また一緒に暮らそう。今はとりあえず…」
にっこりと笑い
「魔法戦、教えてあげる。気兼ねしないで全力でかかっておいで、ヴィヴィオ。」
私とヴィヴィオの戦い……教導が始まる
◇
戦い始めすぐの一撃で分かった事がある。それは…
聖王の力だろうと豊富な保有魔法だろうと、あくまで扱っているのがヴィヴィオだと言う事。
扱うだけの体力と戦闘経験が圧倒的に足りなさ過ぎる。
「はああぁぁっ!!」
「視野が狭い!!」
無作為に突撃してきたヴィヴィオの周囲に放った誘導弾をぶつける。
魔力爆発にのまれたヴィヴィオは…
「効くもんか!」
「でも一瞬見えない!」
そのまま進んできて、レイジングハートの尖端を体のど真ん中で受ける事になった。
突進中に魔法を構築、壁への激突と同時にバインドをかけて…
「ディバイン…バスター!!!」
砲撃を放つ。
魔力砲撃はヴィヴィオに直撃して爆発し…
お返しとばかりにヴィヴィオから砲撃魔法が飛んできた。
「そんな適当に撃っても当たらないよ!」
砲撃で一気に晴れた視界の中、間合いを詰める。
ヴィヴィオの右に接した私は再びディバインバスター・ライジングを撃つ為左手を伸ばし…
「っ!だあっ!!」
「あ…」
伸ばした左腕の内側からヴィヴィオの右腕が姿を覗かせていた。
避けられない…当たる。
◇
無視して全力で放ったディバインバスター・ライジングと魔力打撃が引き起こした激しい衝撃で、私とヴィヴィオは互いに吹き飛んだ。
同時に横の方で爆発が起こる
「ヤマト!?」
横で戦っていたのはヤマトだ、もしかして、ヤマトなにか!
「大丈夫です、あとは、任せます」
煙から少女を抱えてヤマトが出てくる、私は安心してヴィヴィオに向く
◇クアットロ
「あの悪魔…何が『教えてあげる』よ、自分の子供相手にあこまでやる普通?」
全体の戦況を見ていた私は、苦々しい思いで高町なのはと聖王の戦いを見ていた。
地上の妹達は全滅、基地は敗退して自爆装置の起動済み、竜使いにルーお嬢様の洗脳が解かれた
それでも、このままゆりかごさえ軌道上に上がれば…
瞬間、計器が異常を示す。
「駆動炉が破壊された?けど、まだまだ…」
異常を示した駆動炉に対応する為に補助動力を起動させた、直後に後ろから寒気を感じた
落ち着け……ここは最深部…指揮が取れなければ話にならないからと一番警備網の厚かった場所で、ガジェットも展開してある以上戦闘もなしに通れる人間が、いや、虫一匹ですら通れるはずが無い。
嫌な汗が伝うのを感じながらゆっくりと振り返り…
「くくく……」
先ほどまでオオグルマの駒と玉座の間で戦っていた更識ヤマトが私の後ろに立っていた
「な…な…馬鹿な…そんな馬鹿な…」
勝てる訳が無い。
第一どうやってここへ来たと言うのだ。戦闘があればさすがに分かる。
「有幻覚はどこからでも現れる」
幻覚なら、私でも……
「勝てると思ってる?残念だけど無理かな、君は既に僕の手のひらさ」
私が気づいた時には既に遅かった、ヤマトの言うとおり私は幻術にはまってしまったらしい。
首を何度も切られ心臓を何度も貫かれる。
あげくに触手に絡まれR-18まがいな事までやらされる
「ぁ…あああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」
発狂と同時、私の意識は消えた。
◇なのは
「う…ぅっ…」
「あ…ヴィヴィオ!大丈夫!?」
突然頭を抱えるヴィヴィオ。
「クアットロをやったので、洗脳が解けたはずです」
ヤマトがやってくれたらしい
私は急いで駆け寄り…
「来ないで!!」
「え?っ!」
ヴィヴィオは拳を振りかぶって振りぬいた。
間一髪防御が間に合った私は、滑っていって構えなおす。
「…謝らなきゃいけないのは、ヴィヴィオの方。」
「え?」
「なのはさんが何処か私を避けてたって話、ちゃんと聞いてた。なのはさん、ずっとこんな戦いしてるから、何かあった時の為に気を使ってくれてたんだよね。」
なのはさんという呼び方に胸がズキリと痛むのを感じる。
『駆動炉破損、管理者不在、聖王陛下、戦意喪失。』
「これは…」
「私は…ただ守ってくれてデータ蒐集させてくれる人を探してただけの、ゆりかごを動かす為の生きた鍵で、ただの兵器。なのはさんとかヤマトさん、フェイトさんをいいように利用して、こんな騒ぎに使われた…っ、避けて!」
勝手に動かされてるらしいヴィヴィオが、砲撃魔法を放ってくる。あわせてショートバスターを撃って相殺したけど、やっぱりブラスター使っていると負荷が大きい。
「全部作り物の偽者の命、生きたフリをした道具。何処を探してもママやパパなんていない、今の世界にいちゃいけない死んでいるはずの」
「「馬鹿!!!」」
泣きながら叫ぶヴィヴィオのあんまりな言葉の連続に、私とヤマトは本気で怒鳴っていた。
「ば、馬鹿って!ゆりかご壊すんでしょ!?こんな事してたらなのはママやヤマトパパだってまきこまれちゃう!そんなの」
「巻き込まれない!ヴィヴィオも一緒に帰るの!!」
「巻き込まれない!ヴィヴィオも一緒に帰る!!」
暴走は続いてたけど、ヴィヴィオ自身が嫌がってるせいかさっきまでより更に荒い攻撃。
とは言っても、泣きながら完全に操られてるだけのヴィヴィオにさすがに攻撃なんて出来ず、防戦一方なのでちょっと厳しい。
「なのはママとヤマトパパにはただの兵器の私と違って返る場所があるんだから!我侭ばっかり言っちゃ駄目だってなのはママが自分で言ってたはずなのに!!」
「「帰る場所だったらヴィヴィオにもある!!」」
「そんなものある訳」
「「だって!さっきからずっと『ママ』(『パパ』)って呼んでくれてるじゃない(か)!!!」」
「ぁ…ああぁぁっ!!」
無意識か、戻ってくれていた呼び方をを指摘すると、何かを振り払うように叫ぶヴィヴィオ。
握った拳を以って全力で突進してくるヴィヴィオの手を、真っ向から受け止める。
「「ねぇ(なぁ)ヴィヴィオ…私(俺)もママ(パパ)ってまだ分からないから困らせ(る)ちゃうかもしれないけど、ちゃんとママ(パパ)でいられるように努力する。だから、本当の気持ちを聞かせて。私(俺)がママ(パパ)になっちゃ…駄目?」」
私とヤマトの問いかけに俯いたヴィヴィオが何かを呟く。そのあと、涙でぐしゃぐしゃになった顔を上げて…
「なのはママがヤマトパパがいいっ!一緒に居たいっ!!居たいよぉ…助けて…」
息を吐く。
聞きたい事が聞けたからか、力が湧いてくるような気さえする。
「助けるよ…いつだって!どんな時だって!!」
答えにヴィヴィオが頷くのを確認した後、レイジングハートを構えると同時にヤマトからもらったリングが光り出す
「『形態変化
カンビオ・フォルマ』!」
リングの形が変え私の背中に白い羽が現れる
「レイジングハート、ブラスター3!レストリクトロック!!」
「っ!?」
最大出力での拘束魔法が、ヴィヴィオの全身に絡みついたところで、最後の兵装を展開する。
「ブラスタービット展開…ヴィヴィオ!ちょっとだけ、我慢してね!」
「うん…」
レイジングハートの尖端に似た、四機の魔法発動体。
必要な魔力が大きすぎてブラスターを使って無いと使用もままなら無いこれは、私の最大の一撃を強化するためにも使える。
撃つのは最大の一撃。時の庭園のロストロギア級の駆動炉を『消滅』すらさせた集束魔法。
「全力全開…ホーリースターライトブレイカー!!!」
放ったビット含めて総勢五本の極大魔力砲撃は、ヴィヴィオの体を瞬く間に飲み込んで、その体内からレリックを弾き出して粉々に砕いた。
砲撃を終え、魔力爆発が収まった所で体を抱えつつ下降する。
やっぱり…ブラスター3での砲撃は負担が大きい。
「っく…レイジングハート…大丈夫?」
『損傷はありますが、軽微で済んでいます。』
どうやらレイジングハートは無事で済んでいるらしい。私の方もヴィヴィオのカウンターで負傷してた骨が折れたくらいで済んでいる。なら後は…
「ヴィヴィオ!!!」
ブレイカーであけた、粉塵に包まれた巨大な穴の中心に向かってヴィヴィオの名を呼び駆け出す。
「来ないで…」
「っ!?」
小さく聞こえた拒絶の声。理由が分からなくて不安に襲われた私が、粉塵が晴れた穴の中心に見たのは…
「一人で…立てるよ…」
瓦礫に手をつきながらよろよろと立ち上がって見せたヴィヴィオの姿だった。
そんなヴィヴィオの様子に大慌てで飛び出して、抱きしめた。
「ヴィヴィオ…ごめん…」
「…何で…あやまるの?」
ヴィヴィオが私のお願いを覚えててがんばってくれたのが嬉しくて、こんな時まで無理するのが当たり前だと、そんな事を思わせてしまったことが少し悲しくて、強く強く抱きしめる。
「ホントはね…無理に強くだけならなくてもいいの。優しい女の子になってくれてもいいんだ。だけど…私にはコレだけで…」
自分で選んだとは言っても、気がついたら魔法で戦うのが日常で当たり前になってて、普通の母親になれない自分に悩んで…そんな私と同じ道に進んで欲しい訳じゃない。
望むなら所か、きっと本当はお嫁さんみたいな温かいものを目指してくれたほうがいい。
だけど、それを伝えるには色々置いて来てしまった。
皆が塾や部活、ちょっとお茶目な事だと帰り道の買い食いとか友達連れ立って遊んで回ったりとかしてる時間。
そんな事の殆どを放置して魔法と修行と戦いに明け暮れて、私は今ここにいる。
私に後悔は無いけれど、こうあるのが『当たり前』であるようにヴィヴィオに見せてしまっていることが悲しくて…
「っ!ぅ…」
唐突に、優しく背中を撫でる感触。
ヴィヴィオが、精一杯手を伸ばしてゆっくりと背中に回した手を動かしていた。
大丈夫って伝えるようなその感触に、私は少しの間声にならない声と共に涙を流していた。
続く
ページ上へ戻る