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ハイスクールD×D 新訳 更新停止

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第4章
停止教室のヴァンパイア
  第84話 士騎家集合

 
前書き
タイトル通り、千春の登場です。 

 
「な…なんで…!?」
アザゼルって、堕天使の総督じゃねえか!?
なんで、そんな奴が悪魔の契約者なんてやってるんだよ!?
「っっ!」
神楽も目を鋭くして臨戦態勢になっていた。
件のアザゼルは不敵に笑みを浮かべながら窓際に近付く。
「そういきりたつなよ。っと…」
いきなりカーテンと窓を開けた瞬間、何かが開いた窓から部屋に入り込んできた!?
「ッ!」
「え!?千秋!?」
入り込んできたのは千秋だった!
てか、なんで千秋が!?
千秋はアザゼルに敵意剥き出しで臨戦態勢になっていた。
「だから、そんなにいきりたつなよ。ここは借り物の部屋なんだから、壊したりしたら、いろいろと面倒だろうが」
当のアザゼルはのっけらかんとしていた。
そんな態度に千秋はますます敵意を膨らませる!
とりあえず、俺は敵意剥き出しの千秋と神楽を下がらせて、どうしてこんな事をしているのか聞く。
「コカビエルの企みを察知してな、町に潜入していたんだ。ついでに君の赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)にも興味があったしねぇ」
思わず、左手を庇う様に抱いてしまう。
「ッ!!」
それを聞き、千秋がますます敵意と殺気を滲み出していた!
「いい加減にその敵意と殺気をしまえよ。ったく…」
そんな千秋を見て、アザゼルは首を振って嘆息する。
「一度イッセー兄を殺しておいて…!?」
「ああ、その事か…」
たぶん、千秋が言ってるのは、俺が悪魔になる切っ掛けになったあの時、堕天使レイナーレに殺された時の事だろう。
確かにあの時、レイナーレは上からの指示と言っていた。
上って事はつまり、こいつが俺を殺す様にと指示を出したって事なんだろう。
直接手を出していないとは言え、原因はこいつって事になるんだろう。
「しかたねえだろ、赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)の力は使いこなせないと世界に影響を及ぼしかねない程強大だ。過去の所有者は皆、その力を使いこなせず、あまつさえ、力に飲まれて世界に多大な被害を出してる。今までの所有者の中で才能が一切無いそいつじゃあ、暴走する可能性が高い。そんな危険な存在を放っておけると思うか?ま、殺される側からすればいい迷惑だし、お前さんからすればそんな事はどうだっていいって感じだな。世界よりも目の前の大切な一個人、愛されてるねぇ、悪魔君」
詫び入れる様子も無く、淡々と告げる。
「話を戻すが、コカビエルに関しては、アルビオンがうまくやってくれたからな。俺が直接手を下すのはいろいろまずいんで、事の収拾を頼んだんだ。あいつにしちゃあね素直に頼みを聞いてくれた方だ…」
「そうか…」
「ん?」
それを聞いて、俺は込み上げてくる物があった!
「あんたのせいか!……部長の乳首を吸わせてもらえなかったのは、あんたのせいかぁぁぁッ!!!!」
「ハッハッハッハッハ!そうか、それはすまなかったなぁ♪だが、言っちゃ悪いが、今のお前の力じゃコカビエルクラスは倒せんよ。どんなにパワーアップしてもな」
そう言われてしまい、押し黙ってしまう。
「当然、嬢ちゃん達が俺に敵うはずも無い。そんな訳だ、とっととそんな物騒な物はしまって、ゲームの相手をしてくれや。せっかくだ、四人対戦と洒落込もうぜ♪」
そう言って、アザゼルはゲームの準備を始めてしまった。
「あ、そう言やぁ、今回の件で近い内にこの町で堕天使、天使、悪魔のトップで首脳会談が行われる事が決まったから、そん時はよろしくな♪」
『首脳会談!?』


現在、部長が怒りを露に激昂していた。
「冗談じゃないわ!堕天使の総督が私の縄張りに侵入し、営業妨害していたなんて!しかも、私のかわいいイッセーにまで手を出そうとするなんて、万死に値するわ!」
原因は最近イッセーのお得意となっていた人物が実は堕天使の総督のアザゼルであり、自身の縄張りで勝手な事をやっていた事実とイッセーに接触していた事実に対してだ。
「まあまあリアスちゃん、そんなにかっかしないで落ち着こうよ」
激昂している部長の前に兄貴が紅茶を差し出す。
部長は差し出された紅茶を一気飲みしてしまう。
兄貴はすっかり、オカ研の給仕係的な物になっていた。
ポジションを奪われたと副部長が対抗心を燃やしていたが、兄貴の方が腕前が上な為、渋々兄貴にやらせている。
「……部長、この町でトップ会談って言うのは本当何ですか?」
「ええ、さっき私の所にも連絡があったわ。一度トップ同士が集まり、今後の関係について話し合う事になったの」
「コカビエルとの戦いが悪魔、天使、堕天使、この三すくみの関係に影響を及ぼしてしまったと言う訳か」
むしろ、奴はそうする事で戦争を起こそうとした訳だからな。
「もし、堕天使と悪魔のトップがいきなりこの町で出くわしてしまったら、事態はもっと複雑になっていたはずよ」
確かに。
「しかし、どうしたものかしら…」
「……アザゼルの事ですか?」
「ええ」
「……やっぱ、俺の赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を狙ってたのかな?」
コカビエルもアザゼルは稀少な神器(セイクリッド・ギア)を集めていると言っていた。
今回の接触もイッセーの神器(セイクリッド・ギア)を狙っての事なのかもしれない。
「そんなに深く考えなくても良い様な気がするけどね」
突然、兄貴がそんな事を言い出した。
「なぜ、そう言い切れるのかしら?」
「根拠はあるのか?」
「う~ん、勘なんだけど、ただの悪戯だと思うんだ」
「それこそ冗談じゃないわ!堕天使の総督がそんな事で悪魔の縄張りに侵入するなんて、悪戯じゃすまないわよ!」
「でも、イッセー君を狙っていたのなら、もっと前に手を出していたと思うよ。コカビエルの事も止めずにね」
「どう言う事だ?」
「イッセー君は今やグレモリー眷属で、その主は魔王ルシファーの妹、さらにグレモリー一族は自身の下僕に対する情愛が深い。そんなイッセー君に手を出せば、悪魔と堕天使の問題事になってもおかしくない。コカビエルが単独で事を起こす程になるまで戦争を拒否していたのに矛盾があるだろう」
確かに、コカビエルの目的は戦争を起こす事。
そして、コカビエルが単独で事を起こしたのも、堕天使全体が戦争を起こす気が無かったからだ。
コカビエルの発言からアザゼルが一番戦争を拒否していた。
そんなアザゼルが戦争が起こりかねない問題を起こすはずも無い。
いや、今回の事も十分問題がある気がするが…。
「正体を明かしいたのも、今こうやって憤慨させる事が目的の一つじゃないかな?」
仮にそうだとしたら、今頃その光景を想像して笑ってそうだな…。
「……う~ん…」
イッセーはそれでも不安を感じずにはいられなさそうだった。
「大丈夫よ、イッセー…」
そんなイッセーを見て、部長が安心させようと抱き締め…。
「イッセーに手を出そうとしてきたら、私が守ってやる」
「え!?」
「なっ!?」
『っ!?』
「ふふ」
「はあ…」
…ようとしたら、別の女性がイッセーを後ろから抱き締め、その事にイッセーや部長達が驚き、兄貴は変わらず笑みを浮かべ、俺は盛大に溜め息を吐く。
「ちょっと貴女、私のイッセーに何をしているのよ!?って言うか、貴女誰よ!?」
突然現れた女性に部長がまくし立てて抗議するが、女性の方はどこ吹く風と言う感じだ。
「ん、通りすがりの美少女?」
「ふざけないで!いいから、イッセーを放しなさい!」
部長がイッセーを取り戻そうと女性に駆け寄る。
「よっと」
「なっ!?」
「え!?」
が、女性に片手で部長を勢いを殺さずアーシアに向けていなされる。
『きゃあ!?』
勢いそのままの部長をアーシアは受け止める事ができず、部長に押し倒されるが、すかさず、俺は片手で二人を支える。
「その辺にしとけよ、姉貴…」
『え?』
俺の発した単語に皆(女性、イッセー、兄貴、千秋、鶇、燕、神楽を除く)が素っ頓狂な声を出す。
「姉って、まさか!?」
態勢を立て直した部長が改めて女性を見る。
「ふふ、明日夏、千秋の姉で冬夜の妹、士騎千春、イッセーを抱いて参上♪」
そう、突如として現れた女性の正体は俺の姉である士騎千春であった。


「あ、あの…千春さん…」
俺、兵藤一誠は絶賛困惑しながらも千春さんの名を呼ぶ。
「ん?何、イッセー?」
「む、胸が…当たってるんですけど…」
そう、現在進行形で俺の後頭部にむにゅむにゅの最高の感触が感じられていた!
「当ててるって言ったら…嫌?」
「いえ、最高です!むしろ、このまま…」
「イッセー!!」
「はい!!」
部長の怒声に思わず直立不動してしまう!
「……千春姉、いい加減離れて…」
「はいはい」
千秋に言われて千春さんは俺から離れてしまう。
「やれやれ」
嘆息している明日夏に千春さんが近付く。
「明日夏ぁ、お姉ちゃんの帰還にその反応はどうなのよ?それに私の突然の出現にも反応薄いし」
「神楽の時は予想外だったから驚いたが、姉貴に関してなら予想できたからな」
「ちぇ、つまんないの」
明日夏の素っ気ない反応に千春さんはむくれてしまった。
「イッセ~、弟がお姉ちゃんに冷たいよ~」
唐突に千春さんが俺に抱き付いてきた!
服越しでも分かる程の胸が俺の体に押し付けられて形が変わってしまってるぅぅぅぅぅ!?!?
「千春姉!」
そんな俺達を見て、千秋が声を荒げる。
「いいじゃん。帰ってきた時の楽しみの一つなんだから」
う~ん、確かに千春さんって帰ってくるたびに俺に抱き付いてくるんだよな。
なんか、かわいい弟分に対するスキンシップだとか。
まあ、千春さんみたいな美少女に抱き付かれるのは悪くないんだけど、そのたびになぜか千秋が不機嫌になるんだよな。
「千・春・姉!」
「はいはい、離れますよ」
そう言って千春さんは離れてしまった。
「……姉貴、あんまり場の空気を引っ掻き回すな…」
明日夏が嘆息して言う。
「まあ、いいじゃん。さっきまであった深刻ムードが無くなった訳だし」
あ~、確かに千春さんの登場でさっきまであったアザゼルの事で深刻になってた雰囲気が無くなっていた。
「……はぁ、もう少し別のやり方は無いのか?」
「この方が面白いじゃん」
「……はぁ…」
千春さんの飄々とした雰囲気に明日夏は額に手を当てて嘆息する。
「ま、冬夜も言ってたけど、アザゼルに関してはあんまり深く考えなくてもいいんじゃないの。正体を明かしいたのも、もう来なくていいって言う意思表示なんだろうし」
千春さんは朗らかに笑いながら、アザゼルについての話題を締め括ろうとする。
「……そうもいかないわよ…」
部長も明日夏同様額に手を当てて嘆息していた。
部長、千春さんの場を掻き乱す性格はどうにもできないんで。
それにしても、神楽や千春さんの突然の登場、お得意様のおっさんが実は堕天使のトップだったり、この町で悪魔、天使、堕天使のトップが集まるとか、イベントが事欠かないな。
また、何かあるんじゃ無いだろうな?  
 

 
後書き
当初予定していたオリヒロイン全員登場しました。
千春の紹介も一緒に更新します。 
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