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ハイスクールD×D大和の不死鳥

作者:sou×yuki
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6ホテル攻防戦なの!

◇ティアナ

「俺が前に出て大型と怪物を叩きます! ティアナ達は小型を叩いてください!」

「わかったわ、無茶しないでよ」

「わかってるよ、ラクス、モード『ソードブレイカー』」

【了解!マスター。モード『ソードブレイカー』】

ヤマトは剣を構えて怪物と新型へとかかっていった。

『防衛ライン、もう少し持ちこたえてね。
ヴィータ副隊長がすぐに救援に向かうから。』

「スバル、エリオ!」

「おう!」

「はい!」

それでスバルとエリオが仕掛けていく。
だが、二人の攻撃はどれも当たらなかったり当たってもAMFで防御されたりの繰り返しだった。
ヤマトは怪物、大型、計9台を相手にモードチェンジで追撃しているがAMFに阻まれてなかなか突破できないでいる。が、

「アラガミは俺が狩る!」

剣にカートリッジが付いている訳でもないのに剣が光り出し六体同時に真っ二つに切り裂いてしまった。
やっぱり強い!
そして指示は防衛だけど、攻めないと駄目だ!

「守ってばっかりじゃ駄目です! 全機落とします!」

『ティアナ、一機ずつおとしてけ!』

「大丈夫よ! 毎日何度も練習してきたから!」

それで後ろにいるエリオ達に指示を飛ばし、

「エリオ、キャロ!
センターまで下がって。
あたしとスバルの2トップでいくわ!」

「わ、わかりました!」

「二人で大丈夫ですか!?」

「平気よ! スバル、いけるわね?」

「おー!」

それでスバルがガジェッドをウィングロードで引き付けている間にクロスミラージュを構える。
証明するんだ。
特別な才能や魔力がなくとも、一流の隊長達の部隊でだって、どんな危険な戦いでだって…!
すべてあたし、ランスターの弾丸がすべてを撃ち貫く!
それでカートリッジを四発ロードする。

『無茶よ、ティアナ!
四発もカートリッジロードなんて…!
それじゃティアナもクロスミラージュももたない…!』

「撃てます! 撃ちぬいて見せます! そうよね。クロスミラージュ?」

【Yes.】

そして弾丸生成が終了し後は撃ち抜くだけ!
これで…すべて終わらせる!

「クロスファイヤー………シュートッ!!」

すべての弾丸がガジェッドを貫いていく。
そうだ。あたしならやれるんだ!
でも、一つだけ弾丸が逸れてしまい、それはスバルへと向かっていってしまった。

(スバル…!)

だけど、そこに一つの閃光が通り過ぎた。
そしてあたしの弾丸を貫いて消滅させていた。
誰がこんな芸当を!
ヴィータ副隊長も駆けつけてくれたが唖然としている。
そこに通信が響いてきた。

『ティアナは下がれ!後は俺がやる!』

「や、ヤマト!?」

ヤマトの通信の声と共に何度もレーザーが流星のようにガジェッドに降り注いできてすべてを正確に射抜いていく。
よく見ると複数のオートスフィアみたいのからの狙撃だ。
そして最後の一機を貫くと、

『ヴィータ副隊長、後はお願いします。ドラグーンで周辺の調査をするので』

「あぁ」

『それとティアナ。後で二人でお話だからな?』

「…はい…」

それでヤマトとの通信は切れた。

「…それよりティアナ。
今回はヤマトに救われたからよかったが、今のは直撃コースだった。
そこんところ分かってんのか!?」

「あ、あの…ヴィータ副隊長、今のも作戦で…」

「あんなのが作戦であってたまるか! もういい。お前らは二人とも後ろに下がってろ!」

ヴィータ副隊長にそう言われてしまいあたし達は後ろに下がる事になってしまった。
それから裏手の警備に入るとエリオ達に告げてあたしは一人裏へと回っていった。
だけどスバルがついてきて、

「ティア。終わったみたいだから戻ろう…」

「あたしはここを警備しているわ。あんただけで戻りなさい…」

「で、でもティア。ティアは悪くないよ。だから…」

「うるさい! さっさといけって言ってんのよ!」

「………ごめんね、ティア。また後で………」

それでシュンとしながらスバルはその場を離れていった。
…バカだ、あたし。
心配してくれる相棒にもこんな言葉を言っちゃって。
本当ならあたしは謝るべきなのに…。
あたしが証明したいはずの兄さんの、ランスターの銃の事も証明したかっただけなのに…!
それで思わず壁に寄りかかり、

「……あたしは……あたしは……」

悔し涙をいくつも流してしまっていた…。

◇ヤマト

…オークションが終了し、色々な報告が行われている最中。
ティアナはやはり暗い表情のままだった。
あれはいけない。

「報告は以上かな?
現場検証は調査班がやってくれるけどみんなも報告してあげてね。
しばらく待機して何もないようなら撤収だよ」

「「「「はい」」」」

俺達はなのはさんの言葉に返事を返すがティアナだけは返事がない。
それでなのはさんはティアナと少しお話をしようと言って二人で歩いて行った。
俺も行こうと思ったが、今はなのはさんに任せてみよう。
それからしばらくしてなのはさんは戻ってきた。

「…なのはさん。ティアナはどうでした?」

「うん。もう無茶はしないって約束はしてくれたよ」

なのはさんはそう言って笑うけど、きっとティアナは納得はしていない。
なにか思いつめているものがあるのだろう。
前に俺とキャロが兄妹なのかって話の時に少し暗い顔をしていたからもしかしたらそれに関係があるのかもしれない

「なのはさん…ティアナには兄がいたのですか?」

「なんで、そう思うのかな?」

「前に俺とキャロが兄妹なのかって話の途中に暗い顔してたんでもしかしたらと思って……」

「その通りだよ、ティアナには執務官志望のお兄さんが、いたんだ…」

やっぱり『いた』のか、自分が『凡人』だと、思っていて思いつめているのかな

「ティアナのお兄さん、ティーダ・ランスター。
当時の階級は一等空尉。所属は首都航空隊。享年二十一歳…」

「かなりのエリートだったんですね…」

「そう。エリートだったから…なんだよね」

いつの間にか来ていたフェイトさんが声のトーンを落としてそう呟く。

「ティーダ一等空尉はとある亡くなった時の任務中、逃走していた違法魔導師に手傷を負わせたんだけど取り逃がしちゃってて…」

「陸士部隊に協力を仰いだお陰でその日のうちに犯人は捕まったそうなんだ。
だけど、その任務のことで心無い上司がひどいコメントをして問題になっちゃったんだ」

「コメントって、なんてです…?」

「犯人を追い詰めたくせに取り逃がすなんて首都航空隊の魔導師としてあるまじき失態だ。
たとえ死んでも取り押さえるべきだった。
しかも行方不明になるなんてどういう事だ。馬鹿者め!ってね…」

「そして、さらにその上司は言ってしまった。
任務を失敗するような役立たずは云々…とかね」

「ティアナはその時、まだ十歳で、たった一人の肉親をなくして、そしてその最後の仕事が無意味で役に立たなかったと言われて、きっとものすごく傷つき苦しみ、悲しんで…」

「ティアナはそれで躍起になっているのよ。
きっと証明したいのよ。
お兄さんの教えてくれた魔法は役立たずじゃないって事を…。
それにティーダさんの体はまだ処置すれば助かる見込みがあった傷の状態で誰かに奪われてしまったらしいのよ」

「そうなのですか…」

兄の為に……強くなろうと……兄の魔法を認めさせようとしているのか、六課の仲間達がエリート過ぎて自分が凡人だと思ってしまっているんだな

「ヤマト?」

このままだと、かなり無茶して、自滅してしまうだろう。

「ヤマト!」

「は、はい!」

俺はなのはさんとフェイトさんに呼ばれているのに気づかないで考え事をしてしまっていた

「どうしたの?」

「すみません、ティアナの事を考えていまして……」

「そう。ヤマト、一つお願いしていい?」

フェイトさんのお願い?何なんだろう

「エリオ、キャロもそうなんだけど、ティアナの事もみてもらっていいかな?」

あれ?それって、なのはさんがお願いする事何じゃあないのかな?まあ、良いけど

「わかりました、できる限りやってみます」

「うん。お願いね、ヤマト」

『はーい! 機動六課前線メンバーの皆さん。撤収準備が出来たから集合してねー?』

そこに声がかかってきたので俺達は機動六課の隊舎へと帰るのだった。
そして隊舎前で集合して、

「それじゃみんなお疲れ様でした。今日の午後の訓練はお休みだよ」

「明日に備えてご飯食べて、お風呂に入ってゆっくりとしてね」

「無茶な訓練はしないようにね。私がいつも言い含めているからそこは守ってちょうだいね?」

「「「「「はい!」」」」」

俺達フォワード陣は宿舎に歩いていく

「(キャロ、スバル、少しお願いがある)」

「(なにヤマト?)」

「(なんです、お兄ちゃん?)」

「(お風呂の時に俺とティアナが2人っきりになるようにしてくれないか?)」

「(良いけどなんで?)」

「(なんで、ですか?)」

「(ティアナと素で話がしたいんだ。風呂なら素直になれると思ってね)」

これ、リアスがいたら、殺されるレベルだよな。

「(わかった)」

「(わかりました)」

そうして、宿舎に戻り、一足先に風呂に入ってティアナを待つ

『ん?誰か入ってるわね』

お、きたきた。

「や、ヤマト!?」

風呂場に入ってきたティアナはかなり驚いている

「なんで、ここにいるのよ!」

「ん?それは、ティアナと二人っきりで話がしたかったんだよ」

「それで、なんで、お風呂なのよ!」

なんで、そんなに怒るかなぁ~まあ、なんとなくわかるよ、好きでもってない、男に見られるのはいやだよな?

「湯に浸かって溜めてるもの出すには良いからだけど?いいから、入って来いよ」

「わ、わかってるわよ!」

怒りながらもお風呂に浸かるティアナ

「で、話ってなによ」

「お前、何焦ってる?」

「ッ」

まあ、そういう反応だよな、わかってはいたけどね

「お前は自分を過小評価しすぎている。自分は凡人だとか、自分はみんなより弱いとかな」

「……」

「お前はなんで、フォワードに選ばれたと思う?」

「スバルの相棒だから?」

(´ヘ`;)根本的に違うな

「八神部隊長がついでで選ぶような人だと本気で思っているのか?」

黙り込むティアナ

「八神部隊長はお前の才能を見抜いて六課のフォワードとしてスカウトしたんだと思うぞ?」

「才能……」

「あぁ、お前には才能がある。才能はすぐには芽吹かない、俺には才能の欠片も無いがな」

「え、ヤマトには才能が無い?」

俺のは才能と言うか努力の賜物だからな、世界を回って経験したのが俺の強さだからな、俺の強さは後付け、最初生まれた時なんてただの凡人だったしな

「あぁ、俺には才能の欠片も無い、あるとしたら仲間をまもるために地獄の特訓をした、『努力する』と言う一つの才能かな、あとは全て後付けの力さ」

全て後付けだ。戦う力も守る力も誰も傷つけないという意志も後付けだ

「お前がこれからどうするかを考えな、もし、道を外してもそのときは俺が引きずり戻してやる」

そういって風呂場をでる俺、一人残されたティアナ

「……」

黙ってヤマトの背中を眺めていた

続く



 
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