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東方喪戦苦

作者:鬼心
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~三十七幕~完全なる秩序

「···思い出した···ぞ」
俺の、俺自身の記憶。

神「お帰り、骸」

「あぁ、ただいま、骸」

お互いは無意識に骸と呼んでいた。

祐「次は、俺が秘密を教えてやるよ」

「その必要は無いぜ、お前をここで叩く!」
俺は強く拳を握りしめ、祐海を睨んだ。

祐「記憶が元に戻ったごときでなにができる?」
そう言って、嘲笑した。

「お前をぶん殴ることだ」
俺のスピードは人智を越えていた。
自分でも気がつかない程の速さになっていた。
一歩、踏み出した途端、祐海の目の前に移動していた。

祐「····っ!!」

祐海は慌てず、回避行動に出た。
一歩後ろに下がり、俺と一定の距離を保った。

祐「何故だ···?」
祐海が見たことのない顔をした。
俺の異常なスピードにも慌てず対応した男には、不似合いの顔を。

「何の事だ?」

祐「その速さの事だァ!」
祐海の顔には怒りの表情が丸出しであった。
幼児の様な、感情を剥き出しにして

「駄々を捏ねるのは終わったか?」
腕を組み、ため息を一つ吐いた。

祐「駄々、だと?」
祐海は笑い出した。

「何が可笑しい?」

祐「その程度の速さなら、目で追えるし、俺でも出すことは可能だ」
にやけ顔で祐海は言った
そのにやけ顔は妙に忌々しく、俺は腹をたてた

「今度は当てる」
また一歩、それだけで祐海との距離をグッと縮めた。
間髪入れず、祐海の顔目掛け、ストレートを放った。

祐「ノロいんだよ!!」

祐海と俺の拳が交わる。

祐「何故、お前らをこの地に呼んだか分かるか?」
拳を交えたまま、祐海は淡々と喋る。

「知るかよ」

祐「この地に『完全なる秩序』をもたらす兵器を作成する為だ」

「兵器だと?」
交わっていた祐海の拳を払いのけ、距離を取る。

祐「本来ならば、十人全員で殺し合いさせて、生き残った物の心臓を使う筈だったのだ
だが、事態は変動した」

また瞬間移動紛いの移動をして、祐海にこれでもか、とパンチを浴びせた。

祐「突然の世界的運命変動、新月狂夜の登場だ」
パンチを一発一発、避けながら話していた。

祐「狂夜の力は強大、“成長”させる必要も無い。兵器を作るのには、打ってつけだったのだ」

「俺が人になった時か···」

祐「後は、アレさえ手に入れば!!」

祐海は興奮状態に陥っていた。

祐「アレの為に、君には帰って貰う!」

祐海は俺の脇腹を蹴飛ばした。
脛が脇腹を抉る。

「ぐっ!」

俺は畳にた倒れ込んだ。
祐海は俺に近づいて、響真の弾幕によって負った腕の傷目掛けて、蹴りをいれた。

「ぐあぁ!!」

祐海の爪先が右腕の傷の、脆い部分に当たって、ナイフが刺さったかのように、肉を抉り、傷口を大きく広げた。

「く····っが!ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
腕全体に痛みが染み渡る。
叫ばずに居られなかった。

祐「サヨウナラだ···骸くん」

腕を踏もうとした。刹那ーーーー

千『動くことを禁止する』

目前に千尋、神無、阿部が見えた。

阿「ここは逃げるぞ!」

阿部さんは俺の腕を掴んで、走り始めた。

千「骸の声が聞こえたから、危ないと思って」

「ありがとう···」

神無「どこに行くの!?」
走りながら問った

阿部「博麗神社!幾斗に合いに行く」


To be continud



























 
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