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ワールド・エゴ 〜世界を創りし者〜

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parallel world2 -『 』と『刈り取る者』-

 
前書き
前回のアルマはクライマックスまで出ないって奴、訂正で。
ちょくちょく出てきます。
ちなみに初見さんの為に一応解説
アルマ=ルーク=ルーシクス 

 
 ソレは、世界の管理者だ。
 物語の歯車を、止める事なく回し続ける為の存在。

『 』は、その崩壊を知っていた。

 それは何度も繰り返されてきたものだ。
 同時に『 』はその役目から解き放たれ、命を終える。

 ごく自然なサイクルだ。
 何千億年周期で訪れる『終焉』は抗いようの無いものだ。ごく稀にその終焉から逃げ切る者も存在するが、
 そればかりは『 』にも干渉しようが無い。その存在は無視される。

 だが、それほどの力を持つ者で無くとも、終焉を遅らせる事は出来る。
『 』はこれまで、そうしようとする存在を潰してきた。なぜなら、それは自然のルールに反するからだ。

『 』は無情なる存在、一切の慈悲を持たず、全てをルール通りに進める管理者。

 今宵もまた、終焉を拒む者が現れた。
 煩わしい、受け入れろ、それがお前達の運命だ。

「お前に、僕の運命を決められる筋合いは無い」

 その存在は、闇から現れた。

 真っ白だが、そこからは恐怖すら感じられる肩ほどまでの髪。
 所々が血で染まっている、純白のコート。
 拳や首などを覆い隠す、ボロボロの包帯。

『……アルヴァート・ルーク・マレイドか』

「こんにちは、管理者さん。僕の名を知って頂けているとは光栄の至り」

 完全に尊敬の色合いなど無い敬礼を行い、ルークはクスリと嗤う。

『お前が今宵の依り代か』

「ええ、今『世界断絶(リシュト・エリス)』は僕が保持している。来るべき時に使いますよ」

『で、お前はその『来るべき時』を邪魔しようとしていると』

「おっと、流石にバレてます?」

 ククッ、と再び嗤い、心底馬鹿にするような笑みで答える。

「ええ、僕は終焉など受け入れる気は毛頭ない。『家族達』もいるわけだしね」

『だが、終焉は訪れる。お前の意思など関係ない』

「やってみなければ分からない」

『分かる。自然の法則には逆らえない』

「そんなもの知った事じゃない」

『……話し合いは無駄らしい』

「ええ、そうですね。この調子だと僕の目的も果たせそうに無い」

『最初から受ける気など無い。世界の終焉の邪魔はさせない』

「流石にバレてるか。だけど、僕の仲間が動いているのは当然知っているだろう?」

『あの程度の弱小な者共が集まろうと、何ら変わらない』

「さて、どうかな?」

 軽く口論を交わし、腹を探り合う二人の化け物。
 ルークは話し合っても無駄と言いたげに踵を返し、一つ呟いた。

「確かに、今の彼らなら僕が手を下せば簡単に皆殺しに出来る。しかし僕に終焉は止められない。だがその弱い彼らなら終焉を食い止められる」

『……どういう意味だ』

「そのままの意味さ。『彼ら』という存在はどうにも進化というものをするらしくてねぇ……その速さは計り知れない。
 ナメきってると、いつか足を掬われるよ?」

 ルークという存在は、闇に溶けた。
 暗闇は晴れ、辺りに静寂だけが残る。

 突如、今度は光が収束し、槍となって『 』に襲いかかる。

『……失せろ』

 闇が、光槍を喰い潰す。
 その瞬間、闇を拒絶するかの様に光が暴発するが、その光さえ喰われてゆく。

 光が消え去った途端、今度は大地が盛り上がり、『 』を潰さんと迫る。

『失せろと言っている』

 消失する。
 岩盤が砕け、岩となり、砂となり、粉となり、粒子となり、やがて消え去る。

 雷が、波が、病が、地震が、『 』を殺そうとするが、傷一つ付ける事なく等しく喰い潰されていった。

 許さない。
 変化などさせはしない。
 自然は何者にも遮られる事なく進んで行く。
 それは不変。
 それは停滞。
 永遠の輪廻は廻り続ける。

 お前達に拒否権は無い。服従せよ、投降せよ、絶対なる忠誠を捧げよ。

 それを拒むのならば__



『……等しき死を__』












 世界転生まで、あと70時間。
 《滅びの依り代》の完成まで、あと68時間。

 
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