リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~
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番外編:家族
前書き
少し、穏やかな話を書きたいと思います。
世界統合のための戦いから半年。
世界を一つにするための戦いからかなりの月日が過ぎた。
エリオ達はまだ帰る手段が見つからず、フェイトの家に居候していたのだが。
今日はキャロがいつの間にかいなくなっていたのだ。
フェイト「キャロ~!?どこにいるのキャロ~!?」
オロオロとなりながら探すキャロにアリシアは苦笑する。
過保護な妹に苦笑いしたくなるお姉ちゃんであった。
キャロ「あ、お父さん」
大輔「こ~ら。フェイト母さんが心配してたぞ。あんまり心配かけないようにな」
キャロ「ごめんなさい…」
現在大輔達がいるのはデジタルワールド。
デジタルワールドには現実世界にはない木の実が沢山実っていた。
キャロが袋に入れているのは、父の大輔が好んで食べていたデジタルワールドでしか実らない木の実。
真っ赤でまるでマンゴーに似たような木の実だが、とても甘く、程よい酸味があるため父が美味しそうに食べていたのを見たキャロは父親に喜んで貰おうとこっそりデジタルワールドに来て、木の実を採っていたのだ。
大輔も歳が近い娘が自分のために採っていたのは分かっているのできつく叱ったりはしなかった。
大輔「よしよし」
キャロ「えへへ…」
父親に頭を撫でられて嬉しそうに笑うキャロ。
例え血の繋がりは無くとも未来の父親の大きい手も、過去の父親の小さい手もとても優しくてキャロは大好きだった。
大輔「じゃあ帰るか。ちゃんと母さんに謝るんだぞ?」
キャロ「はあい」
大輔「それから皆で食おうな」
キャロ「うん!!」
キャロの握り締めた袋に視線を移すと大輔は優しく笑う。
その大輔の優しい顔が嬉しくてキャロも満面の笑顔を見せた。
フェイト「キャロ!!何処に行ってたの!!お母さん、心配したんだからね!!」
キャロ「ごめんなさいお母さん…」
シュン…と謝るキャロ。
親子というよりも姉妹と言った方が納得しそうな光景だが。
フェイト「でも…」
チラリとキャロが握り締めている袋を見て微笑む。
フェイト「お父さんにプレゼントしたくて行ったんでしょう?気持ちは分かるから今日はここまで。でも次は誰かに言ってから行くように」
キャロ「はあい」
エリオ「全く…心配したよ」
キャロ「ごめんね」
エリオ「全く…出て行くなら僕にも一言言ってよ…」
大輔「ほう?エリオ、そいつはお前もこっそりデジタルワールドに行くってことか?」
エリオ「ゔ…」
ふと漏らしたエリオの言葉に反応する大輔。
エリオはしまったという顔をする。
大輔「はは、そんな顔すんな。やっぱ俺の息子だな」
先程キャロにしたように頭にポンと手を置き、くしゃくしゃにする。
フェイト「せっかくキャロがデジタルワールドから木の実を持って来てくれたんだし、今日のおやつはこれにする?」
大輔「ああ、そうだな。マンゴーみたいにプリンとかジャムとかにするのも良さそうだな」
フェイト「エリオ、キャロ。これを洗いに行ってくれる」
エリオ、キャロ「「はい!!」」
二人は袋を持って、キッチンに向かう。
大輔「あいつら本当にいい子だよな」
フェイト「うん。血の繋がりはなくても今の私達にとっても大事な息子と娘だよ。胸を張って言える」
大輔「ああ」
フェイト「でも未来の私達はちゃんと構ってあげられたのかな?それが心配だよ」
ブイモン[大丈夫だよ。あいつらの懐き具合を見てればいかに好かれてるか分かるよ]
それだけ言うとブイモンもキッチンに向かう。
フェイト「ありがとうブイモン…」
大輔「んー、そうだな…あ、いいこと考えた」
フェイト「?」
大輔「なあ、フェイト。大人になって結婚したらエリオとキャロに弟か妹作ってやろうぜ」
フェイト「ふえ…?(//△//)」
突然の発言にフェイトは顔を真っ赤にする。
大輔「駄目か?嫌か?」
フェイト「い、嫌じゃないよ…?(//△//)」
大輔「そっか、じゃあ行くか。あいつらはともかくブイモンとチビモンがうるさいし」
フェイト「う、うん…(//△//)」
キッチンに向かう大輔と顔をトマトのように真っ赤にしたフェイト。
そして今からかなりの年月が過ぎた未来。
大輔「なあ、フェイト」
フェイト「何?」
息子と娘が過去に飛ばされ、今は二人っきり…まあ、パートナーはいるけども。
大輔「あいつらもいないし、世界を救った記念も兼ねてそろそろあいつらに弟と妹作らないか?」
フェイト「ふえ!!?(//△//)」
大輔の言葉に赤面するフェイトだが、大輔はフェイトの肩を抱くと寝室に向かおうとする。
大輔「帰ってきた時、弟や妹が出来てるなんて知ったらあいつら驚くぞ~」
フェイト「だ、大輔!!?」
フェイトもエリオとキャロに弟か妹を作るのに賛成してくれた。
エリオとキャロが驚いて喜ぶ姿が目に浮かぶ大輔であった。
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