剣聖龍使いの神皇帝
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第2巻
静乃と日向ぼっこ×実戦部隊出動
『今度は冥王シュウ・サウラでの記憶か』
『そうだな。それに最初は聖剣の守護者フラガの次は冥王シュウ・サウラとは、何かが起こる予報なのかもしれんな』
さっきのはまた相棒達と見ていた前世での記憶で、今いる俺達がいるのは現世であり私立亜鐘学園の中庭で居眠りをしていた。前世の記憶と超人的な力を受け継ぐ『輪廻転生者』《救世主》達の学園にいる。芝生にて、日向ぼっこをしていたがついつい寝てしまったようだったが、あの感じはリアルだな~と思った。最近情事をしていない俺なのか、女の肌が懐かしく感じる。
「あん・・・・」
「ん?この声は静乃か」
俺は見開いた目で見ると、いつの間にか右手が静乃の胸を鷲掴みしていたようだった。
「おはよう、諸葉いえ愛しの君であるあなた」
「おはよう静乃。それとすまない、前世での記憶と同じように掴んでしまったようだ」
俺が起きると目の前には漆原静乃がいたが、それも寄り添いをしていたので沙紀はと探したら静乃の反対側にいたので、納得した。
「もしかしてまた思い出していたのかしら?」
「まあな。それに前世ではこういう行為もしていた事やこういう事も・・・・」
添い寝状態のまま、そのままキスをしていたが沙紀もという感じなり、反対側にいる沙紀にもおはようのキスをしていた。それで添い寝をやめた俺らは座り込んでから、日向ぼっこを中断した。静乃的にはもっと揉んで欲しかったが、ここが学校内であり、不純異性行為として罰則されるのでやめたけどな。
「誰も見てはいないが、校舎の廊下からは丸見えなんだ。それに女子の噂というのは、すぐに全校生徒に流れる」
「私は別に気にしないけど、諸葉がそう言うならまた今度しましょう。今度は学生がいないところで」
そう言いながらも、座りながら俺の腕をしがみ付いてきては、俺の肩に頭を載せていた。俺は全くと思いながらも、この前の大蛇戦から時間は経っている。『実戦部隊』はCBとの連携が出来るような戦術を考えてはそれを実行するような訓練を最近している。最近はドウターと異端者が結託したのか、CBの地上部隊と共に屠る時がよくある。なので、地上部隊との連携が必須となってきた。
「どこに行ったかと思えば、妹に隠れてイチャイチャしてた訳なんだ~。ふーん『パシイィィィィィン!』いったーい!」
「誰がそう拗ねろと言ったんだ。それも確かに兄妹だと言ったが、静乃の前世では一生の伴侶だったのだから当たり前の答えを言わせるな」
仁王立ちをしていた自称妹だが、すぐに空間からハリセンではたいた俺だった。それに静乃との関係を忘れているような言い草だったので、少し苛ついた俺だった。言い訳はしないが、これは俺との関係を持ったのなら当たり前のような行動だ。
「お前も静乃みたいに感情を表出した方がいいぞ。その内俺はサツキの事を嫌うぞ?」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!私が悪かったわ~、だから代わりに漆原と同じぐらいにして~」
サツキは反省しながら、俺の隣に来てからキスをしてハグをした。俺の怒りを買わない方がいいというのは、亜鐘学園の暗黙ルールとなっている。最近はハリセンだけで模擬戦しているのか、その威力は剣以上の硬さを持ち叩かれた者はしばらく動けない状態となるぐらいのダメージを喰らうという事。俺は軽くやったとしても、相手側にとっては畏怖のハリセンとまで呼ばれている。
「ん?ちょいとすまない、通信機からだ」
そう言うと沙紀と共に離れた場所で、通信機をはめると何かを喋っている俺だった。
「最近の諸葉は、通信機で喋っていた後に必ずと言っていい程に《異端者》が出るのよね~」
「そうね。嵐城さんの言う通りで、喋り終えると必ず実戦部隊の出動命令が下るから」
『通達します。「緊急事態宣言(フェイズ1)」から「非常事態宣言(フェイズ2)」へ移行・・・・白騎士機関・日本支部より「実戦部隊」に正式な出動要請が出されました。各員と予備隊員は至急、校庭に集合して下さい』
校舎のあちこちに設置されたスピーカーからアナウンスの声が聞こえた。俺はちょうど通信を終えた頃に来たので、またかと思いながらサツキと静乃がいる所に戻った。
「どうやらまた出たらしいが、通達が相変わらず遅い。既にCBは戦闘中だと言うのに」
「何でいつもCB側が、このアナウンスが流れる頃には既に戦闘をしている訳?」
「それについては後にして行きましょう」
俺は二人に言うと校庭に行くが、片方はサツキ、もう片方は静乃と手を繋ぎ校庭へと向かう。まあ実戦部隊が到着した頃には、地上部隊がライフルで撃ちながら攻撃しているだろうけど。校庭には既に、戦闘服を纏った十二人の生徒が集結していたが、俺は真っ黒の戦闘服を量子変換機でな。沙紀はIS展開はまだしていない。
「揃ったな。ああ灰村特別顧問、あちら側はどうなっているのか情報提供を頼めますか?」
真ん中にいた石動迅は『実戦部隊』の隊長であるが、俺はその上である特別顧問で直接CBと繋がりを持った一人である。最初は到着した後は戦闘終了となっていたので、今度からまだ戦闘は続いているかどうかの確認をしてくる。『実戦部隊』がエリート部隊であるならCBは更に上のエリート部隊で、ドウターと異端者双方駆逐できるからだ。
「まだ戦闘は継続中であるが、異端者がどんな奴かは現地で知らせる」
「そう言う事ならば、さっさと門を開くわよ」
隣に並んで待っていたように告げたが、ビジネスウーマン然としたスーツに魔女の帽子を被っているのはこの学園の校長先生だ。校長は俺に確かめると金色の髪を邪魔にならないように払い、青い瞳を真剣に漏らす。
「綴る、我、望郷を訴えたり 我、懐郷を訴えたり 遥か 彼方 千里 彼方 万里、万里、遠き、故郷よ この手に届かぬ、在りし場所よ 我、妄執を訴えたり 我、憎悪を訴えたり この想いを以って、隔つ距離を繋ぎ給え この呪詛を以って、隔つ世界を歪め給え」
肉感的な赤い唇が艶やかに、歌うように、呪文を唱える。校長の魔力が高まり、大気が悲鳴を上げ、ザワザワと風が鳴り出す。俺と沙紀は少し離れた場所で静観している。俺らはそれがなくとも空間切断ですぐに行けるからだ。周囲の自然力を呑み込み、辺りが翳っていく。夕暮れとなったような視界の中で、校庭に一点の青白い光が生まれた。光はジワジワと強くなり、円状に広がり、世界を侵食するかのように魔法陣を描いて行き、ついには直径百メートルある魔法陣が完成した。
「ふーっ」
校長先生は満足するかのように一息つくが、他の生徒から見ればそれは魔女の業であり幻想的な光景となっていた。ま、こっちにも魔法使いはいるから、余り驚くような仕草はしない。それに亜鐘学園では、これが日常茶飯事のようなので誰も驚く者はいない。迅達『実戦部隊』の隊員も、サツキや静乃ら予備隊員も、教室の窓辺で見守る全校生徒達も、隊長石動迅が号令をかけようとしていた。
「我ら救世の剣なり!(We are the Saviors)」
「「「民と平和と正義のための一撃なり!(We are the Saviors for our people,our peace and our justice)」」」
石動は沈毅に頷くと、一歩踏み出した。青白く魔法陣の中へ行くが、その姿は光の中へ消えて行くのでまるで泉に足を踏み入れるかのような感じであった。予備隊員達に応援され、見送られながら、一人また一人と隊員が後を続く。
「今度もすぐにやっつけてよ!」
「お土産話をよろしくね」
「はいはい、分かっているよ。行くぞ沙紀!『了解!』はああああっ!」
俺と沙紀だけは魔法陣を通らずに、手刀で真っ直ぐ上から下に振り下ろすとそこから傷が生まれてから、俺と沙紀は入る。すぐに消えるが、俺と沙紀がいた場所は目の前にいる異端者とドウターと戦っているCB地上部隊とIS部隊が戦っている最中の最前線に来ていた。ここは飛騨山脈らしいので、山々の奥地。『実戦部隊』がいるのは、ここから五キロ離れた場所にいるが、亜鐘学園から数百キロ離れた場所に行くには校長先生が作りだした瞬間転移をする魔法陣《移ろいの門》によってな。
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