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リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~

作者:setuna
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第九十四話 願望の輝き

 
前書き
ヴァンデモン最終決戦。

賢「リリカルアドベンチャー、始まります」 

 
ファントモンに連れ去られたティアナ。
子供達は己の力の無さを怨んでいた。
しかしいつまでもこうしてはいられないと言わんばかりに立ち上がる。

賢「こうしてはいられない。何とかルカ達と合流しないと!!」

プレシア「あなた達…」

アリシア「お母さん達はここにいて、私達がティアナを絶対に助けるから」

エイミィ「…分かった。気を付けてね!!」

子供達は立ち上がると同時に結界の中心部に向けて走り出す。





























一気に駆け抜けて結界の中心部へ辿り着いた子供達。
そこに、メタルグレイモンXとブラックウォーグレイモンがいた。

賢「!!?」

スバル『大丈夫、敵じゃないよ!!』

ユーノ「…スバル?」

ギンガ『グレイモンXがメタルグレイモンXに超進化したの』

賢「そうか…」

賢は安堵の溜め息を吐いた。

メタルグレイモンX[それよりどうしたの?ティアナは?]

フェイト「ティアナが敵に拐われたの!!」

Bウォーグレイモン[何だと?]

ワームモン[これから僕達は結界の中心部にいるヴァンデモンの所に行くんだ。]

スバル『私達も行く!!』

賢「よし、行こう!!」

スバル、ギンガを伴って次はルカの元に向かう。































ティアナ連れ去られた中、このビルの中では未だにストラビモンと子供達との顔合わせが続いていた。
そこへ…。

イビルモン[ヴァンデモン様!!ストラビモンのパートナーらしき子供が見つかりました!!]

ヴァンデモン[何?]

ストラビモン[(ティアナ…)]

ファントモンから連絡を受けイビルモンがヴァンデモンに伝える。
イビルモンの話を聞いたストラビモンは悔しさと不安から顔が俯いた。
そんなストラビモンにヴァンデモンが顔を向ける。

ヴァンデモン[聞いたか?ストラビモン?]

余裕の表情でストラビモンに尋ね、ストラビモンはヴァンデモンを睨む。

ヴァンデモン[よし、そうと分かれば此処にはもう用は無い]

イビルモン[はっ…こやつらはどういたしましょう?]

ヴァンデモン[眠らせておけ…後でゆっくりと味見する]

ヴァンデモンは舌舐めずりをしながらイビルモンに命令を下す。
イビルモンは催眠術を使い、顔合わせのために集めた子供達を深い眠りへと誘った。
そして、ストラビモンを連れ、ヴァンデモンとイビルモンはティアナが捕らえられているクラナガンから大分離れた荒野に向かった。






























そしてそれは無人となったビルを探していたルカ達も目撃していた。

ルカ「あれは…ストラビモン!?」

フレイモン[何!?追いかけるぞ!!]

大輔「まさか、ティアナ達が見つかったのか…?」

ブイモン[分からない。とにかく行ってみよう!!]































しばらく走り続けると、そこで賢達と再会した。

ルカ「皆!!」

なのは「ルカ君、大輔さんも久しぶり!!」

ルカ「うん。ストラビモンがヴァンデモンに…」

賢「ああ、こちらも悪い報せだ。ティアナが拐われた。」

ルカ「え!?」

賢「ごめん…僕達の力不足だった…」

ルカ「大丈夫…奴から取り返せばいいだけの話だよ!!」

はやて「そやな…ほな、行こ!!」

子供達がヴァンデモンが向かった所に向かおうとするが、ヘラクルカブテリモンとグランクワガーモンが立ち塞がる。

賢「今度はそう簡単にはいかない!!先程の借りを返させてもらう!!」

全員【ユニゾンエボリューション!!】

全員が完全体に進化すると、ヘラクルカブテリモンとグランクワガーモンに向かっていく。

エンジェウーモン[セイントエア!!]

メタルグレイモンX[トライデントアームVER9.9!!]

エンジェウーモンの技で能力を強化したトライデントアームによる必殺の一撃を繰り出すメタルグレイモンX。
それを受けたヘラクルカブテリモンの外殻に亀裂が入る。

クレシェモン[アイスアーチェリー!!]

パンジャモン[冷気功!!]

氷の矢と闘気が瞬く間にヘラクルカブテリモンの身体を凍結させた。

パイルドラモンイクス[消えて無くなれ!!]

Bウォーグレイモン[ガイアフォース!!]

凍結したヘラクルカブテリモンにエネルギー波とエネルギー弾が炸裂し、ヘラクルカブテリモンを粉々にした。
勿論、ヘラクルカブテリモンのデータは回収して。

ディノビーモングランス[ヘルマスカレード!!]

ライドラモンエア[ブルーサンダー!!]

グレイドモン[クロスブレード!!]

ジュエルビーモン[スパイクバスター!!]

機動力が凄まじいジュエルビーモン達がグランクワガーモンに息をつかせる間もないくらい攻撃を浴びせる。

メガログラウモン[ダブルエッジ!!]

フレアモン[紅・獅子之舞!!]

エアロブイドラモン[Vウィングブレード!!]

三体の技がグランクワガーモンに炸裂し、怯む。
その隙にミスティモンとワーガルルモンXが迫る。

ミスティモン[ブラストファイア!!]

ワーガルルモンX[カイザーネイル!!]

グランクワガーモンの胸部に深いX字の傷が刻まれる。

エリオ『離れて下さい!!』

レーベモン[エントリヒ・メテオール!!]

レーベモンのエネルギー弾が炸裂し、グランクワガーモンは消し飛んだ。






























クラナガンから離れた荒野に連れてこられたティアナとファントモンの姿があった。
空に蝙蝠が沢山現れるとそこからヴァンデモンが現れた。

ヴァンデモン[娘、お前は何故自分から名乗り出たのだ?私が何をするのか分かっているのか?]

ヴァンデモンはティアナの目の前に立ち、何故自ら名乗り出たのか理由を問う。

ティアナ「何となく…」

ティアナは泣き叫びたい恐怖を必死に押さえ込んでヴァンデモンに答える。

ヴァンデモン[では何故?]

ティアナ「皆を…傷付けるから…あなたが皆を苦しめるから!!」

ヴァンデモン[フッフッフ、気の強い娘だな…ストラビモン、何故自らのパートナーの顔を見ない?]

ストラビモン[そんな娘…俺は知らない…]

ストラビモンはティアナから顔を背け、しらを切りティアナを知らないと言う。
それはストラビモンなりの最後の足掻きだった。

ヴァンデモン[成程…ならば…]

ヴァンデモンは指をパチンと鳴らす。

ティアナ「きゃあ!?」

荒野にティアナの悲鳴が響いた。
イビルモンがティアナの髪の毛を乱暴に引っ張ったのだ。

ティアナ「い、痛い…」

ストラビモン[ティアナ!!]

ストラビモンはつい反射的に自身のパートナーの名を叫んでしまった。

ヴァンデモン[そうか、その娘の名はティアナと言うのか?]

ストラビモンの顔色は青くなった。

ティアナ「ストラビモン…」

ストラビモン[くっ…!!]

ストラビモンはティアナの前に立ち、少しでも彼女を守ろうとする。

ヴァンデモン[ティアナ…ストラビモン…覚悟はいいだろうな?…デッドスクリー…」

ヴァンデモンがティアナ達を亡き者にしようと、技を繰り出そうとしたその瞬間。

ダスクモン[ゴーストムーブ!!]

ヴァンデモン[何!!?]

ダスクモン[ブルートストライク!!]

ファントモン[ぎゃああああ…!!]

イビルモン[ファントモンが…]

ヴリトラモン[お前もだ!!]

イビルモン[え!?ぎゃあっ!!?]

ファントモンはダスクモンに両断され、ブルートエボルツィオンによりダスクモンの糧となり、イビルモンはヴリトラモンに踏み潰された。

大輔『大丈夫かティアナ?助けに来たぜ?』

ルカ『待たせてごめん』

ティアナ「ルカ…みんな」

ヴァンデモン[ふん。あの時拾った命をわざわざ捨てに来るとはな。]

大輔『今度は前のようにはいかねえ!!』

エアロブイドラモン[Vウイングブレード!!]

クレシェモン[アイスアーチェリー!!]

逆V字の熱線と氷の矢がヴァンデモンに向かっていく。

ヴァンデモン[ふんっ…はぁ!!]

ヴァンデモンは吐息だけでエアロブイドラモンとクレシェモンの必殺技を吹き飛ばした。

フレアモン[紅・獅子之舞!!]

パンジャモン[残影反転撃!!]

ヴァンデモン[その程度か?]

フレアモンとパンジャモンの連撃を掌圧で吹き飛ばす。

フェイト『皆、一斉攻撃を!!』

エアロブイドラモン[Vウイングブレード!!]

ジュエルビーモン[スパイクバスター!!]

ミスティモン[コアダート!!]

フレアモン[紅蓮獣王波!!]

クレシェモン[アイスアーチェリー!!]

ワーガルルモンX[カイザーネイル!!]

メタルグレイモンX[ギガデストロイヤー!!]

メガログラウモン[アトミックブラスター!!]

ヴリトラモン[コロナブラスター!!]

パンジャモン[氷獣拳!!]

グレイドモン[クロスブレード!!]

フレイドラモンエア[ナックルファイア!!]

ディノビーモングランス[イリタントバズ!!]

パイルドラモンイクス[デスペラードブラスター!!]

ストラビモン、エンジェウーモン、ダスクモン以外のデジモン達の技がヴァンデモンに迫るが、ヴァンデモンは余裕の表情を崩さず、ことごとく消し去ってしまう。

賢『馬鹿な…あいつは化け物か!!?』

数では確実に勝っているはずなのに、攻撃を加えることも許されない。
今更ながら、子供達は敵の理不尽なまでの強さを思い知った。

ヴァンデモン[これも貴様のおかげだ。感謝しているぞ]

賢『何?』

ヴァンデモン[貴様の体内にある暗黒の種のおかげで私は最強の力を得たのだ。さて…皆さん?これでおしまいかな?]

どこまでもこちらを小馬鹿にした口調でそう言いながら、ヴァンデモンはゆっくりとティアナとストラビモンの方へ向き直る。

エンジェウーモン[させないわ!!]

ヴァンデモン[貴様は…!!]

自分と相性の悪い光属性のエンジェウーモンにヴァンデモンは顔をしかめた。

エンジェウーモン[ヘブンズチャーム!!]

指先から放たれた光線がヴァンデモンに直撃した。

ヴァンデモン[があああ!?]

暗黒の幕で多少はダメージを緩和出来たが、闇属性のデジモンであるヴァンデモンに光属性のエンジェウーモンの技は効果が抜群だった。

ダスクモン[デスゲーズ!!]

ヴァンデモン[ぐあああああ!!?]

至近距離で放たれた光線にヴァンデモンは吹き飛ぶ。

エンジェウーモン[これで終わりよヴァンデモン!!]

とどめとばかりにエンジェウーモンが電撃の矢をヴァンデモンに向ける。
今度こそヴァンデモンに勝ち目はないと思われた。
だが、そこまで敵は甘くはなかった。
どこまでも追い詰められようとも、敵は決して諦めはしなかったのだ。

ヴァンデモン[このくらいで私を倒せるなどと思うな!!ナイトレイド!!]

振り向き様に、ヴァンデモンは掌から無数の蝙蝠の群れを放った。
空気を切り裂き、獰猛な蝙蝠達は襲いかかる。

ルカ『ティアナ!!?』

賢『ゲスが!!』

思わず賢は吐き捨てる。
ティアナは反射的に目を閉じるがストラビモンはティアナを庇うように構えた。

ストラビモン[ティアナには…俺のパートナーには指一本触れさせん!!]

ストラビモンの叫びに応えるかのようにD-3が光り輝いた。

全員【!!?】

ストラビモン[ストラビモン進化!ヴォルフモン!!]

ストラビモンはエンシェントガルルモンの力を受け継いだ光の属性を持つ戦士型デジモン。
光の剣であるリヒト・シュベーアトを武器とするヴォルフモンに進化した。
ストラビモンの進化に全員が目を見開いた。
ヴォルフモンはリヒト・シュベーアトを抜くと、蝙蝠達を一瞬で消滅させた。

なのは『進化した…』

ストラビモンの進化に全員が目を見開いた。
しかし最初に持ち直したのは大輔。

大輔『形勢逆転だなヴァンデモン。いくら暗黒の種とやらでパワーアップしたと言ってもこの数を相手に勝てるとは思えない。諦めて降参したらどうだ?』

ヴァンデモン[黙れ!!この世界を全て闇へと塗り替え、デジタルワールドと融合し、全てを統べる王となるのだ!!]

ダスクモン[全てを統べる王?下らん]

エンジェウーモン[あなたは私達には勝てない!!セイントエア!!]

エンジェウーモンは掲げた両手から光の輪を生み出した。
その輪の中からは虹色のカーテンが降りてきて、敵からは力を奪い、味方には新たな力を与える。

ヴリトラモン[力が漲る…!!]

パイルドラモンイクス[これなら…!!]

アリシア『皆、エンジェウーモンに力を貸して!!』

パイルドラモンイクス[デスペラードブラスター!!]

エアロブイドラモン[Vウイングブレード!!]

ミスティモン[コアダート!!]
ジュエルビーモン[スパイクバスター!!]

メガログラウモン[アトミックブラスター!!]

フレアモン[紅蓮獣王波!!]

クレシェモン[アイスアーチェリー!!]

ワーガルルモンX[カイザーネイル!!]

ヴリトラモン[コロナブラスター!!]

メタルグレイモンX[ギガデストロイヤー!!]

Bウォーグレイモン[ガイアフォース!!]

パンジャモン[獣王拳!!]

グレイドモン[クロスブレード!!]

ヴォルフモン[リヒト・クーゲル!!]

エンジェウーモンを除いたデジモン達はまさしくデビモン戦の出来事をなぞるように、1体の大天使へ必殺技を介して自らの力を分け与えた。
光はエンジェウーモンの上空で収束し、彼女の手で弓矢を形作る。
エンジェウーモンは迷わずそれを引き絞り、動けないヴァンデモンへ向けた。

エンジェウーモン[ホーリーアロー!!]

放たれた電撃の矢は、見事ヴァンデモンの胸を貫いた。
矢は敵の体を貫通し、胴の向こう側まで達している。
突き刺さった矢からバチバチと電光が走り、一瞬目も眩むような閃光が迸る。

ヴァンデモン[が、ああ、あああああああああああああぁぁぁぁあああああぁぁあ!!!!]

断末魔の叫びを上げ、ヴァンデモンは苦しむ。

大輔「さようならだ。生まれ変わる時はいい奴に生まれ変われ…」

ヴァンデモンのデータを取り込み始める。

ヴァンデモン[(ぐっ…この私がここで…だが、これで終わりだと思うな。私の造った兵器が必ず貴様らを…)]

ヴァンデモンのデータの取り込みを終えると、ボロボロのデジタマが映った。

大輔「(こいつもギリギリか…)」

溜め息を吐くと大輔はあることに気づいた。

大輔「霧が…?」

アリシア「ヴァンデモンを倒したのに…何で?」

ミッドチルダは未だに霧に包まれていたのだった。

































クラナガンの地下でヴァンデモンが造らせた研究室で培養液で満たされた巨大なカプセルに入れられた…かつて大輔達が対峙した怪物…キメラモンがいた。 
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