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リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~

作者:setuna
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第九十三話 願望を司る者

 
前書き
仲間達、そして頼りになる増援を受け、一気に攻勢に出ようとするが…。

フェイト「リリカルアドベンチャー、始まります」 

 
ルカ達が結界の中心部に向かった頃、賢達は廃ビルに向かってくるデジモン達の迎撃をしていた。
最初はバケモンだけだったが、タスクモン、スナイモンと言った精強なデジモンも現れ、賢達は完全体の状態で戦っていた。
ジュエルビーモン[スパイクバスター!!]

エアロブイドラモン[Vウイングブレード!!]

フレイドラモンエア[ナックルファイア!!]

ミスティモン[ブラストファイア!!]

ディノビーモングランス[イリタントバズ!!]

パンジャモン[残影反転撃!!]
レーベモン[エントリヒ・メテオール!!]

エンジェウーモン[ホーリーアロー!!]

ジュエルビーモン達は一撃で敵を葬っていく。

フェイト『数が多すぎる!!これじゃキリがないよ!!』

ユーノ『一体何体いるんだ…!!』

ルーテシア『敵の強さは大したことないけど…』

敵の戦闘力自体は大したことはない。
しかし数が多く、かなり劣勢に立たされていた。
フライモンがジュエルビーモンの隙を突いて廃ビルに向かう。

賢『しまった!!』

グレイドモン[クロスブレード!!]

一瞬でフライモンを瞬殺した見覚えのあるデジモン。

賢『遼さん!!』

遼『よう、賢。お前からしたら久しぶりかな?大変なことになってんだな』

一輝『おい!!話は後にしろ!!』

パンジャモン[冷気功波斬!!]

襲い掛かるスナイモンを返り討ちにするパンジャモン。

はやて『せや、話はこいつらを倒してからやな』

アリサ『後、残りは80体。数だけは多いわね』

メガログラウモン[だけどこいつらを倒すくれえなら何とかなりそうだ]

エリオ『はい!!』

一輝『そうだ。こいつらさえ倒してしまえば後は大した奴らはいないはずだ』

賢『ええ、一気に片付けよう!!』

すずか『はい!!』

ジュエルビーモン達は向かって来るデジモン達を一気に倒し始める。































それを見ていた大人達は…。

ゲンヤ「くそ…情けねえ…子供が戦っているのに俺達は見ていることしか出来ないとはな…」

ゲンヤが拳を握って呟く。
大人達は全員俯く。
ゲンヤの言葉はここにいる全員が思っていることだからだ。






























メガログラウモン[これで最後だ!!]

メガログラウモンの一撃が最後のダークティラノモンのデジコアを粉砕する。
ダークティラノモンは粒子と化して消えた。

エンジェウーモン[これで最後だったようね]

ジュエルビーモン[ああ、そのようだ。さて…どうする?このままルカ達の元に…]

?[その必要はない!!]

ジュエルビーモンに鎖を投げる謎の影。
反射的に鎖を避ける。

メガログラウモン[誰だ!?]

?[ヒッヒッヒッヒ、13人目を探し出さずともお前達を倒せば同じ事…ここで果てるがよい!!]

なのは達を尾行してきたデジモンが現れた。






























ティアナ「ファントモン…ウィルス種、完全体。巨大な鎖鎌を持った死神のようなデジモン。バケモンとは違い上級のゴーストデジモンで、ファントモンにとり憑かれたが最期、完全に死が訪れるだろう。首からぶら下げている眼球の形をした水晶は、マンモンの紋章と同じく千里眼の力で全てを見通すことができるため、死期の近い者を見抜いてしまう。体を覆う布の中身は別次元のデジタルワールドに通じていると言われている。必殺技は巨大な鎖鎌で敵の魂をも切り裂く“ソウルチョッパー”。」

ティアナはD-3からの情報を見て心配そうにジュエルビーモン達を見つめる。































グレイドモン[貴様1体で私達を倒せると?]

ファントモン[ヒッヒッヒ…出でよ!!]

そして、カブトムシの様なデジモンとクワガタの様な2体のデジモンを召喚した。






























ティアナ「アトラーカブテリモン…ワクチン種、完全体。熱帯圏のネットエリア内で発見されたカブテリモンの進化型種。サイズは約1、5倍と、昆虫型の中でもかなり大きい。青いアトラーカブテリモンと同種であり、同様に主力武器である角の強度が飛躍的に高められていが、こちらのアトラーカブテリモンの方が飛行能力が優れている。また、前肢付け根に筋肉状の部分が現われ、格闘能力も向上した。性質的には、生存本能以外に弱いものを守るという行動が認められ、その行動は騎士的にさえ見えることがある。必殺技は巨大な角を敵に突き刺す“ホーンバスター”。」

ティアナはアトラーカブテリモンの情報を読み取ると次はクワガタのようなデジモンからデータを読み取る。

ティアナ「オオクワモン、ウィルス種、完全体。クワガーモンが規則的な進化をした姿。なお、大きな特徴としてクワガーモンの劣っていた防御面が特に重点的に強化されている。攻撃面では触角の索敵能力が向上し、鋏の攻撃精度が増強された。凶暴性も格段に強化されている。必殺技は強化された鋏でダイアモンドすらもやすやすと切断する“シザーアームズΩ”」






























メガログラウモン[たかが2体を呼んだところで…]

ファントモン[これだけでは無いぞ!!]

ファントモンが鎌を振るうと、アトラーカブテリモンとオオクワモンの真上からどす黒いエネルギーが降り注いだ。
アトラーカブテリモンとオオクワモンは姿を大きく変化した。

賢『究極体…!!』
































ティアナ「ヘラクルカブテリモン、ワクチン種、究極体。カブテリモン種とクワガーモン種のデータを併せ持って進化した究極の昆虫型デジモン。巨大な角と鋏を持ち、正反対の性質だった2種のデジモンの欠点を完全に補った形態と言える。体は黄金色に輝き、アトラーカブテリモンが失った飛行能力も復活強化し、超音速でデジタルワールドを駆け巡る。最早この究極の進化を果たしたヘラクルカブテリモンに敵う存在は少ないだろう。必殺技はメガブラスターの強化版“ギガブラスター”。」

子供達はヘラクルカブテリモンのデータに絶句する。

ティアナ「グランクワガーモン…ウィルス種、究極体。クワガーモン系の最終形態で深き森の悪魔と呼ばれる程の恐ろしい存在。デジタルワールドの森林の奥深くに生息している完全な夜行性。ヘラクルカブテリモンとは宿命のライバル。必殺技は鈍く輝く漆黒の鋏で空間ごと相手を切り裂く“ディメンションシザー”」































ディノビーモングランス[究極体が2体なんて…]

メガログラウモン[こいつはヤバイかもな…]

ファントモン[さあやれ!!奴等を血祭りに上げろ!!]

ヘラクルカブテリモンとグランクワガーモンが向かっていく。

フレアモン[来るぞ!!]

ヘラクルカブテリモンとグランクワガーモンの突進をかわす。

数はこちらが有利だが、連戦で疲労しているジュエルビーモン達はヘラクルカブテリモンとグランクワガーモンの攻撃をかわすので精一杯だった。

レーベモン[ブリッシェン・シュペーア!!]

ワーガルルモンX[カイザーネイル!!]

ワーガルルモンXは自慢の爪による一撃、そして槍で攻撃するレーベモンだが、ヘラクルカブテリモンの外殻には傷一つつかない。

パンジャモン[獣王拳!!]

エアロブイドラモン[ブイブレスアロー!!]

二体の技が炸裂したが、疲労のためか全くダメージを受けていない。

レーベモン[くっ…こんな疲労さえしていなければあんな雑魚の一匹や二匹…]

フレアモン[ぐああああ!!]

ヘラクルカブテリモンの角の一撃を受けたフレアモンが地面に叩きつけられる。

クレシェモン[この…!!]

クレシェモンがノワ・ルーナを構えてヘラクルカブテリモンに突進する。
ヘラクルカブテリモンは電撃弾をクレシェモンに向けて放った。

クレシェモン[くっ!!]

クレシェモンは咄嗟にノワ・ルーナを盾にすることでダメージを緩和したが、廃ビルに叩きつけられる。

ミスティモン[コアダート!!]

エンジェウーモン[ホーリーアロー!!]

ミスティモンとエンジェウーモンは距離を取って攻撃するが、グランクワガーモンは全くダメージを受けない。

ティアナ「(私のせいだ…私のせいで皆が…)」

目の前で繰り広げられている戦いを見て、ティアナは心が押し潰されそうになった。
そして、決定打となったのが…。
ヘラクルカブテリモンが放ったハイメガブラスター。
避ければ廃ビルに当たるため、避けることも出来ず直撃を受けた全員が倒れてしまった。
ヘラクルカブテリモンとグランクワガーモンが止めを刺そうとした時。

ティアナ「…お願い止めて!!」

ティーダ「ティアナ!!」

耐えられなくなったティアナは兄の制止も聞かずに廃ビルから出る。
ティアナの叫び声で辺りは一瞬の静寂に包まれる。

ティアナ「私が…選ばれし子供なの、どこにでもついて行くから…もう皆を傷つけるのはやめて…」

ファントモン[いい心がけだ…よかろう]

ファントモンはヘラクルカブテリモンとグランクワガーモンを下がらせた。

ユーノ「ティアナ…!!」

アリシア「行っちゃ駄目…!!」

ティアナ「(怖い…でも、私のせいで誰かが傷付くのは嫌だから…)ありがとう…」

ティアナの身体が青黒い球体に包まれる。

フェイト「駄目!!行っちゃ駄目!!」

賢「ティアナ!!行くんじゃない!!」

青黒い球体に包まれたティアナは処刑場となる荒野の方へと飛んで行った。
これ以上自分のために傷つく者を見ていられない。
ティアナは自ら選ばれし子供だと名乗りをあげ、敵の手に落ちた。

賢「くそお!!ルカに…ルカに何て言えば…」

大敗を喫した賢達。
子供達は自分達の力の無さを怨み、唇を噛み締めた。
 
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