リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~
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番外編:幸福
前書き
本編が殺伐としてきたから、番外編を書こうと思います。
お茶を飲みながら、晴れ渡る青空を見上げるリンディ。
勿論お茶にはミルクと砂糖という緑茶愛飲家に喧嘩を売りそうな組み合わせをしているが。
リンディ「いい天気ね~」
毎日こういう日ならいいのだがそうはいかない。
大輔達がOLDデジタルワールドを平和にし、大輔達となのは達の世界が一つになるまでだ。
世界が一つとなった時、大輔達はまた戦いに身を投じることになる。
せめてその時になるまで大輔達にはゆっくりとして欲しい。
ルカ「母さん、ただいま帰りました」
礼儀正しく挨拶をしながら帰って来た次男にリンディも笑みを深くする。
夫をとうに亡くしたリンディは予想外のことではあったが、もう一人子を授かった。
長男であるクロノのクローンであるが、年齢差、特に雰囲気などが全く異なるのだ。
だから多分大輔達も自分達も二人が成長しても間違えることはないだろう。
気のせいかどうかは分からないが、兄のクロノよりも成長がいい気がする。
リンディ「さてと…食いしん坊さん達が来る前に昼食を作らないとね」
今日はルカが可愛らしい彼女?さん達を連れて来る日だ。
最初は息子達の一名除いた者の食欲に度肝を抜かされた。
最初はエイミィに手伝ってもらい、スバルとギンガの母親のクイントにアドバイスを貰いながら何とか息子達の食事作りには困らなくなった。
リンディ「それでも、時々あの子の食欲には驚かされるのだけれどね」
時々夜遅くまでルカが帰ってこない日がある。
最初体中擦り傷だらけで、汗だくになって帰ってきた時は驚いたが、それは来るべき日に備えて鍛練していたのだ。
デジモンとの戦いで要となる融合進化はデジモンもそうだが、パートナーの強さも影響を与えるらしい。
こればかりは世界の未来のためとやらで見逃すしかないのだが、あまりに遅いと心配するのも事実だ。
リンディ「あら、来たわね」
ルカ「母さん、ただいま帰りました」
敬語を使わなくてもいいと言っているのにルカは変わらず敬語を使う。
しかしスバル達やアリシア達に対しても同じらしく、長い冒険で染み付いてしまったらしく変わる気配が全くない。
これも息子の性格、口調なのだと諦めた。
ルカ「母さん、手伝いますよ。一人では大変でしょう?」
リンディ「あら、ありがとうルカ。」
ルカ「はい!!というより今日は僕が作ります。母さんはゆっくりしていて下さい」
リンディ「そう?」
頭を撫でると嬉しそうにするルカ。
これが長男と次男の最大の違い、幼くして父を亡くしたためか、素直でなく、少々口が悪いクロノ。
デジタルワールドの冒険、そして大輔達の優しさに触れ、素直で真っすぐに育ったルカ。
ルカはフライパンと菜箸を取って炒め物を作り始める。
やはり自分達が食べる量は把握しているのだろう、材料の量が半端じゃない。
スバル「いい匂い~」
ティアナ「スバル、涎垂らしたらはしたないよ」
ティッシュを取ってスバルの口元を拭うティアナにリンディとギンガは吹き出した。
ルカはスバル達がリンディと話している間に黙々と料理を作っている。
相変わらず手際がいい。
リンディ「(ルカはいいお父さんになれそうね。良妻賢母ならぬ良夫賢父ってとこかしら)」
こっそり炒め物以外に作られた揚げ物をスバルはこっそり食べようとしたが。
ルカ「スバル、まだ食べてはいけませんよ」
スバル「ふえっ!!?」
ギンガ、ティアナ「「え?」」
驚くスバルとギンガ、ティアナと同じくリンディも驚いた。
ルカ「バレてますよ」
ニッコリと笑いながら料理を続けるルカに一同は引き攣り笑いを浮かべる。
リンディ「(あの時、完全に後ろ向いてたわよね…?)」
ギンガ「ルカ君、気配の読み方が凄くなった…」
大輔と賢達以外でルカが主力メンバーとして戦ってこれた理由が分かった気がしたリンディであった。
こうしてルカが作った昼食を皿に盛ると、食べ始める。
スバルはルカの作った夕食を勢いよくかき込む。
ルカが来るまではなかった光景。
ティアナ「そんなに慌てなくても沢山あるんだから」
スバル「だって、ルカ兄のご飯、お母さんみたいで美味しいんだもん!!」
口のまわりに米粒をいっぱい付けて、スバルは空の茶碗を差し出して言った。
スバル「お代わり!!」
ルカ「はい」
ルカもスバルの茶碗を受け取り、どこか嬉しそうな顔でご飯を山盛りについでいる。
ギンガ「お代わり!!」
ギンガもスバルと同じ顔で同じようにお代わりを要求した。
そっくりな姉妹にティアナとリンディは思わず笑ってしまった。
その様子にまたも同じ顔で同じようにキョトンとしているスバルとギンガ。
ルカもギンガの茶碗にスバルと同じ量のご飯を山盛りについでいる。
リンディ「あなた達が早く大人になってルカのお嫁さんになってくれれば義娘が三人も出来るのよね…」
ティアナ「お、おばさん!!?」
赤面してリンディを見上げるティアナにリンディはニヤニヤと悪戯っ子のような笑みを浮かべる。
ルカ「母さん、ティア達が困っていますからそういうのは止めて下さい」
リンディ「あら?あなた達はルカのお嫁さんになりたくないのかしら?」
スバル「私は大きくなったらルカ兄のお嫁さんになるの!!」
ギンガ「私も!!」
ティアナ「え?」
スバル「ティアもお嫁さんになりたいでしょ?」
ティアナの方を向くスバルにティアナは思わずたじろぐ。
しばらく視線をさ迷わせると肯定の意味で頷いた。
ルカ「…???」
リンディ「ああ…最低でも10年待たないといけないなんて…プレシアさんの気持ちが分かるわ…早く孫の顔が見たいわ…」
夢心地な表情で、天井を見上げるリンディ。
スバルとギンガはルカに好きな食べ物は何なのかを聞いて、コンビニ弁当が好きだと聞いて驚愕したり。
母親の妄想の暴走は、この家の長男が仕事から戻ってきて母親に雷を落とすまで続いていた。
おまけ
スバル「あれ?楽しみに取っておいた唐揚げが!!?」
ギンガ「私のも無い!!?」
ティアナ「私のも…まあ犯人は分かってるけどね…ガムドラモン!!?」
ガムドラモン[ギクッ…バ、バレた…]
ルカ「モロバレです」
スバル「ガムドラモン~」
ガムドラモン[こ、これには海より谷よりも深~い訳があるのであります]
スバル「うるさい!!よくも…よくも楽しみにしていた唐揚げをっ!!こんの…ボケガエルーーーーッ!!!!」
ルカ「ガムドラモンはカエルというより竜ですが?」
ルカのツッコミを他所にスバルはウォーグレイモンXの甲冑を身に纏い、ガムドラモンにドラモンキラーを向ける。
IS:振動爆砕発動。
ガイアフォース+アフターバースト。
零距離アフターバーストフォース!!
ズドオオオォォオンッ!!!!
ガムドラモン[NOーーーッ!!?]
星になるガムドラモン。
食い物の怨みは恐ろしや。
後書き
おまけは声優ネタ。
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