ハイスクールD×D大和の不死鳥
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24自信と三大勢力
家へと帰宅したあと、ゼノヴィアを俺の部屋のベッドに、アーシアを自分の部屋のベットに寝かせた。
イリナはリビングで寝ている、いまは2人一緒にない方がいいからだ。
精神不安定のゼノヴィアが何かの拍子に、イリナに神の不在を漏らしてしまうおそれがあったからだ。
ゼノヴィアとアーシアをベッドに運んだあと、俺はリアス様とともに風呂に入っていた。
湯船の中で向かい合って抱き合い静かな時間を過ごす。
「今日はいろんなことがあったわね」
リアス様が俺の胸に顔を埋めながらつぶやいた。
俺は湯船の縁に両手をおいてうなずいた。
「ええ。ケロベロスに、バルパー、木場の禁手、コカビエルとの戦闘、白龍皇の来襲……」
「それに、あなたもね」
「俺も?」
リアス様の胸が俺に触れる。
触れてるのをかまわずリアス様は言う。
「まさか、コカビエルを一方的に倒し、前にも倒してるなんて思わなかったわ。本当に聖獣フェニックスだって改めて知った……」
リアス様は俺の瞳を覗きこむ。
「あなたほどの力の持ち主がなぜ私の下僕悪魔になったの? あなたは悪魔になるはずではなかったのに」
瞳に悲しげな、不安そうな色を含ませたリアス様。まったく……。
俺はリアス様に尋ねる。
「自信がないんですか?」
「……ええ。魔王の妹でもグレモリー家の次期当主でも、あなたを下僕にし彼氏にするような資格は私には……」
俯くリアス様の顔を無理やり上げさせる。
「リアス様の生まれや立場などは別にいいんですよ、俺はリアス・グレモリーを気に入って下僕悪魔に好きになって彼氏になったんですからもっと自信を持ってください」
「――っ!」
リアス様の瞳に涙が浮んだかと思えば、すぐに顔が真っ赤になった。
「俺は強大な力を持っている。確かに聖獣フェニックスですが、その力をどう振るうか、誰のために振るうのかは俺の自由。俺はあなたの眷属悪魔として力を振るいますし……」
一拍おいてリアス様の耳元で言う。
「彼氏としてをあなたを永遠に守ります」
「っ!」
どんどん真っ赤になっていく部長。
その様子が可愛らしくて笑みがこぼれてしまう。
そのあと、自室にはゼノヴィアがいるので、俺の部屋の向かい側にある、リアス様の部屋で寝ることなった。
ゼノヴィアとイリナが目覚めてから、数日後――。
放課後の部室にやって来た俺と、イッセーとアーシア。部室のソファーには外国人の女の子。
そういえば、確か今日だったな。
「やあ、赤龍帝」
緑のメッシュを入れた女の子――ゼノヴィアが駒王学園の制服に身を包んで、驚くイッセーとアーシアに挨拶をした。
動揺を隠せないイッセーがゼノヴィアを指差した。
「なっ……なんで、おまえがここに!?」
バッ!
ゼノヴィアが背中から黒い翼――悪魔である証をだした。
ゼノヴィアがふんと鼻息をつきながら言う。
「神がいないと知ったんでね、破れかぶれで悪魔に転生した。リアス・グレモリーから『騎士』の駒をいただいた。で、この学園にも編入させてもらった。今日から高校2年生の同級生でオカルト研究部所属だ。よろしくね、イッセーくん♪」
「……真顔で可愛い声を出すな」
「イリナの真似をしたのだが、うまくいかないものだな」
「 部長、貴重な駒をいいんですか?」
「まあ、デュランダル使いが眷属にいるのは頼もしいわ。これで祐斗とともに剣士の2翼が誕生したわね」
「後悔はしてないのかよ」
イッセーが訪ねる
「神がいない以上、私の人生は破綻したわけだ。だが、元敵の悪魔に降るというのはどうなんだろうか……。いくら相手が魔王の妹だからといって……」
ゼノヴィアは何やらぶつぶつとつぶやきながら頭を抱えだした。しかも、祈ってダメージ受けてる……。
うーん、アーシアも祈ったりしたらダメージくらってたなぁ。元信徒でも2人とも信仰がぬけていないし、生き甲斐だったんだ。どうにかして祈りのダメージだけでもなくす方法はないのかな~?
イッセーの視線が俺に移る。
「ヤマト! お前知ってたのか?」
「まあな。ゼノと怪我したイリナの面倒みていたのは俺だし。ゼノの住む場所も俺の家だし」
「何で俺たちに教えなかったんだよ。それに、ゼノって」
「ん? 事前に話したら面白みがないだろう? 部室を開けたら意外な美少女が――ってお前が好きなシチュエーションだろ? ゼノがどう呼んでもいいと言ったんでな、それだけだ」
そう言ってゼノヴィアを見ると、ゼノヴィアは大きなため息を吐いた。
「我が師だからな」
「……そ、そうか。ところでイリナは?」
「イリナなら、私のエクスカリバーを合わせた5本を持って本部に帰った。統合したエクスカリバーを破壊してしまったせいか、芯となっている『かけら』の状態で回収した。まあ、芯があれば錬金術で鍛えて再び聖剣にできる」
「エクスカリバーを返していいのか? てか、教会裏切っていいのかよ?」
「いちおうあれは返しておかないとマズい。デュランダルと違い、使い手は他に見繕えるからね。私にはデュランダルがあれば事足りる。あちらへ神の不在を知ったことに関して述べたら、何も言わなくなったよ。私は神の不在を知ったことで異分子になったわけだ。教会は異分子を、異端を酷く嫌う。たとえ、デュランダルの使い手でも捨てる。アーシア・アルジェントのときと同じだな」
ゼノヴィアは自嘲した。
「イリナは運がいい。ケガをしていたため、戦線離脱していたとはいえ、あの場で、あの真実を聞けば、心の均衡はどうなっていたかわからない」
「あいつなら一週間は寝込むぞ」
全員軽く笑う
「近いうちに天使側の代表、悪魔側の代表、アザゼルが会談を開くそうよ。アザゼルから話したいことがあるみたいだから。そのときにコカビエルの謝罪するかもしれないなんて言われてるけれど、あのアザゼルが謝るかしら」
肩をすくめながら、リアス様が忌々しそうに言う。
それにしても、3大勢力の会議ね~。
なんていうか面倒そうだ。
「私たちもその場に招待されているわ。事件に関わってしまったから、そこで今回の報告をしなくてはいけないの」
「マジっスか!?」
リアス様の言葉にイッセーが驚き声を上げる。他のメンバーも驚いているようだ。
リアス様が俺の方をむいて
「聖フェニックスの話も聞きたいそうよ」
「少し違います」
「どういうことかしら?」
リアス様が不思議な顔をする
「今の俺、ヤマト・フェニックスは先日の戦いで悪魔の駒が変異し聖魔フェニックスへと体が作り変わりました」
「「「「「「「ええぇぇぇぇぇぇ!!」」」」」」」
驚きすぎ
体のことを少し説明し
「話はわかったわ、なんで今まで隠してたの?」
わかっているくせに……。でも、ツンデレリアス様、好きです
「そりゃあ、おもしろいから」
そう言って話を締めくくった。
そのあと、ゼノがアーシアに会談のときの態度を謝罪した。2人とも良い子だし、すぐに友達になるな。
続く
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