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リリカルクエスト

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15日目 ゆういちはだまっている

ーアリサ sideー

私は今、信じられない光景を目にしている。

いつの間にか寝ていて、起きたら杉田がいて、誘拐されたと言われたけど、鮫島を見た時にそんな事は無いと呼び掛けてみても、私が知ってる鮫島の態度じゃない。

それから、誘拐犯と思わしい人が出て来たけど、人間とは思えない姿だった。

明らかに馬みたいな顔をしているのとか、猪のようだけど、角が生え、口からは鋭利な牙が突きだしているし、最初は変装をしているのかと思ってた。

でも、鮫島と思っていた男が、変身を解けと言われて、本に出てくる様な悪魔になった時、今何が起こっているかわからなくなってると、オカマみたいな口調の人?がこれからの事を話しだしてた。

ただの身代金目的の誘拐じゃなく、奴隷としてとか、聞いた事のない宗教の神に仕えるとか言っていたけど、すずかの事に話が変わって、すずかが人間じゃなく、吸血鬼だと言われた時、そんな事を信じたくない思いからすずかを見たら、

『 人間から見たら 我らと同じ化け物 』

私はすずかが吸血鬼だなんて思ってもいない。

だから、すずかに聞いてみたけど、返事は無かった。

『 幾ら隠しても無駄ですよ 』

その言葉で、すずかは泣いていた。

そんなすずかを見て、どうして私やなのは達に何も言ってくれなかったの? 親友でしょ? と言いたかったけど、言えなかった。

その時、杉田が変な質問をしてた。

質問? が終わると、いつものボ~とした杉田の雰囲気が一変して、周りの空気が痛くなっていく。

猪みたいなのが、斧を振りかざし、杉田に振り下ろそうとしていたから、不意に目を瞑ってたら、凄いおたけびが聞こえた。

恐る恐る目を開けると、左腕がなくり立ちつくす猪?の姿があった。

それから、どこから持ってきたのか? 両手に剣を持ってる杉田が、猪?を無残に斬りつけて、

『 なんだ 化け物って言うから期待したのに この程度か 』

そんな台詞を、薄ら微笑む様に言い・・・・・


『 小賢しい!! 』


怒気とともに、周囲を圧迫するような衝撃波を出し・・・・・

『 俺のメラゾーマ 喰らってみる? 』

『 メラゾーマ 』

したり顔で、馬? の顔に手を付け、燃えさかる炎を発生させている・・・・・

自らを化け物と称してた男? に化け物と呼ばれ・・・・・

雷まで落としている・・・・

毎日学校で会う杉田は、どこかボ~っとしてて、いつも立花に弄られてるけど、今目の前にいる“人”が同じ杉田だと思えない。

私達に振り向いた“人”と目が合い、私は





・・・・・・・・・・怖かった・・・・・・・・・・





ーアリサ side endー





ーすずか sideー

アリサちゃん家の車に乗って、習い事に行くはずだったのに、車の中で眠気がきて寝ちゃって、目を覚ましたら暗い部屋でした。

起きたら、同じクラスの杉田君がいてビックリ。

杉田君から、車で寝ている間に誘拐されたらしいと聞いて、愕然としてしまいました。

杉田君は、私とアリサちゃんより先に目を覚ましてたみたいで、色々と今の状況を説明してくれてたら、アリサちゃん家の執事さんの鮫島さんが来て、アリサちゃんが鮫島さんに呼びかけてみてるけど、普段の鮫島さんじゃないと感じられたの。

そうしたら、馬?と鬼?と背の高いフードを被った人?が部屋に入って来て、私は言い知れない感覚を覚えて、『この人達 人間じゃない』と直感しました。

アリサちゃんが、鮫島さんの姿をした人に向けて呼びかけてるけど、その人? は鮫島さんの姿から悪魔みたいな人? に姿を変えた時、私やお姉ちゃんとは違う何かをハッキリと感じる。

そんな中、大きなフードの人が、私達がこれからどうなるかをおもむろに言って、私と目が合うと、私に向かい手を翳して、


『 吸血鬼の一族ですか 』



私の家の秘密を、アリサちゃんと杉田君に知られた。

アリサちゃんが、違うよね?って顔で私を見ているけど、大きな人? が続けて、



『 おや そちらのお嬢さんは 知らなかったようですね 人間から見たら・・・




隠していた事を知られた事と、この後に続けられるだろう言葉で、私の全てを奪われると感じ、精一杯の声を出して懇願したけど、



・・・我らと同じ化け物 よく人間といれますね』

大きな人? が言った事で、全てが壊れた様な気がしました。

小学校に入って、初めて出来た大切な友達。

こんな私を親友と言ってくれるアリサちゃん、なのはちゃん、立花ちゃん・・・・・

『 幾ら隠しても無駄ですよ 闇の気配は隠せませんよ 』

変えられない事実を言われて、私は目の前が真っ白になってしまい、泣き崩れた。

私が絶望してる中、杉田君からも何とも言えない感覚が伝わってきて、顔を上げてみると、杉田君が、

『 本当の化け物ってヤツ味わってみる?? 』

化け物? 私やあの人達? に向けて言ってるんじゃないのはわかる。

じゃあ、化け物って・・・・・誰の事?

杉田君は、普段のボ~っとした感じじゃなく、大きな力を纏った“何か”に見えました。

小さな袋から取り出した氷の様な2対の刀? で鬼の人? を切り裂き、壺の様なモノに鬼の人? を吸い込むのを見て、あまりにも現実離れしている出来事に、何が起こってるのか理解が追いつかない。

『 なんだ 化け物って言うから期待したのに この程度か 』

杉田君が言ってる事の意味が解らない。

馬の人? が何かしたと思ったら、部屋の壁が一部凍っていて、大きな人? が大きな火の玉を出している。

何でかわからないけど、これが手品なんかじゃないのはわかる。

だけど、杉田君は自分に向かってくる大きな火の玉を、小さな火の玉で消していました。

そして、杉田君から今までよりも荒々しく強大な力を感じると、


『 小賢しい!! 』


その一言で発せられた津波の様な衝撃、

『 俺のメラゾーマ 喰らってみる? 』 

『 メラゾーマ 』

大きな人? が出した火の玉よりも数倍は大きい火の玉を出して、馬の人? を飲み込んでいる。

大きな人? が、杉田君に何か聞いていて、

『 ミルドラース様も敵わなかった 化け物 』

大きな人? が、杉田君は化け物だと言っている。

すると、杉田君が雷? を纏って大きな人? を斬りつけていた。

人じゃない人達? を壺? に吸い込み、杉田君がこちらに振り返った時に、彼の目を見てやっとわかった。






杉田君は、私やあの人達ではなく、彼自身を化け物だと言っていたんだと・・・・・






ーすずか side endー

 
 

 
後書き
アリサとすずかの視点書いてたら案外長くなりました。
次話は戦闘後のまとめ話の予定です。
この戦闘の回想は、別の話でも端折って出す予定です。
悠一のうんのよさを甘く見てはいけませんw 
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