剣聖龍使いの神皇帝
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第1巻
実戦部隊への特別顧問入り
で、放課後になったので俺と沙紀に静乃は第三武道場へと向かった。俺は保留だが、静乃は予備隊員なので一緒に行く事になった。俺は相変わらずの真っ黒の戦闘服だが、静乃はいつもの戦闘服だった。
「改めてだが、歓迎するよ。『実戦部隊』へようこそ、漆原静乃君。そしてまだ保留だけど灰村諸葉君も」
『実戦部隊』の隊長をしている石動がそう言うが、俺は興味がないと思う。見た目だけで、俺よりも強くない者ばかりだ。率先して出迎えるが、俺はあくまでポーカーフェイスだった。アリーナには既に三十人程の生徒が集まっていたが、『実戦部隊』と『予備隊員』達だ。全員不敵な面構えをしているが、それは上級生だけという風格であって、俺的には全員対俺だけでも十分余裕持って倒せると考えていたら、相棒達もそうだった。
「あそこにいる三年生達・・・・石動先輩の代は、黄金世代と呼ばれているのよ」
静乃が耳打ちをしてくる。
「ズバ抜けて強い《救世主》が揃っているの。去年、《異端者》を殲滅した数では日本支部にいる誰よりも強いわ。本来、亜鐘学園の『実戦部隊』はあくまで学生である事を考慮されて、ほとんど出動機会がなかったけれど、黄金世代は常識外れのペースで狩りまくったそうよ。でもCBよりも、劣っていると見ているそうね」
「まあな、俺的にはこんな弱い者同士の中にいるのは、俺的には嫌だな。それと流石事情通だ」
白騎士機関の大人よりも強いらしいが、それはあくまで白騎士機関でのランク付けである。当代の実戦部隊は学生集団ではなく、日本支部の主力部隊らしいけど、流石にドウターまでは倒せなかったと聞く。そんで、化け物と呼ばれるのが石動迅で隊長さんだ。ランクAの意味は、『真打階級』のAらしい。
「さてと早速だけど、この部隊の中で一番足が速い者は誰なんだ?」
「それは神足通の名手で学内最速を誇る百地君だが、それがどうかしたのかね?」
「俺はまだ入隊をした訳ではないのでね、第一試験は俺との速度勝負という事だ。俺から見て、全員が俺より劣っていると見ますが?」
「な、何だと!『確かにそうだったね、君が勝てば我ら部隊の特別顧問になるという約束を』そうなんですか隊長!」
と言う事で、早速アリーナでのかけっこ勝負となった。俺との対決は百地先輩だそうで、そんでスタートと言った後に彼女が優勢だったがあっという間に抜いてしまったので、第一試験は俺の勝ちとなった。そんで第二試験は俺と隊長さんである石動兄と戦う事だ。
「まあ僕は先日の君の試合を見ているから、速度では勝るだろう。それに他の者は是非神皇帝の力を見たいと言っている」
「さっきのはほんの準備運動に過ぎないんですけど、何かリクエストでもありますか?」
「そうだね・・・・では赤龍帝の力を見せてほしい。君の最高の一撃を僕に打ち込んでくれればいいさ」
「どうなっても知りませんよ?『相棒は加減出来ないからな、相棒は相棒の力量をこいつらに見せてやればいいさ』分かった」
言葉と同時に、石動兄の周囲の空気がゆらりと胎動した。全身から白みがかかった通力が、陽炎のように立ち昇る。稲妻のような荒ぶる通力で戦闘服もそれと呼応するように鋭角なデザインになる。ピリピリ感が出るが、それは他だったら警告音となるが俺の場合は殺さないように力を加減する必要がある。
「本当に俺の一撃を喰らってみたいんですか?死ぬ事になっても?」
「ああ僕はまだ君の全力というのを見たいんでね、死ぬ事はないだろう。いくら神皇帝でもね」
俺の力はまだ目覚めたばかりだと思っているから、ああいう風に余裕ぶっているのだろうな。上級生達は見学席へ移動するが、静乃は沙紀が見る事となるので安心だ。皆一様に、物見高そうな目付きをしていたが、嫌な感じではなく実力者であるから余裕あるのだろう。
「静乃は沙紀が守るから安心だ」
「大丈夫なの?」
「お任せを。何があってもお守り致します」
そう言ってから、見学席の方に向かって行った。アリーナにいるのは、俺と石動兄だけとなった。さっきの速度はクロックアップであるが、それを見えないでいると痛い目を見る事になるのは知っているだろう。
「武器は出さないんですか?」
俺は徒手空拳の態勢となり、まだ禁手化はしない。少しだけ遊んでから、禁手化したいと思った。
「僕はあくまで受ける側だからね」
「では行きますよ?」
「いつでもど・・・・ぐぅ!」
どうぞと言う前に石動先輩の目の前まで来てからの拳は放つが、俺の攻撃が見えなかったのでノーガードだった。そして吹っ飛んだ先まで回り込んでからの回し蹴りを放ったので、防御する前となった。神速通を使う百地先輩が、俺の姿を見えていない様子でいた。石動兄は壁に激突してから、立ち上がったので今度はそちらからの攻撃という事で剣を抜いた。
「攻撃を受けるだけではなかったのですか?」
「このままだと僕は隊長として失格何でね、本気を出させてもらう!」
そして俺は、手で来いよと挑発をしたら真っ直ぐに向かってきたので剣を軽く避けたりしていたが、紙一重だ。受けるとしても拳で攻撃をするが、今度は避けて見せた。まあ今のは軽く喧嘩売っている状態だから、剣で立ち向かって来ても勝負は変わらないだけ。なので隙が出来たので、拳を背中にぶつけたのだ。今のは殺す程だったが、俺の拳と石動の通力がぶつかったので、衝撃が走るがすぐに石動兄が吹っ飛んだ。
「沙紀さんは、今の諸葉を見てどう思いますか?」
「・・・・弱すぎですね、こう言ってはアレですが諸葉様の足手纏いになりますよ」
それに今は手加減してますからと言ったら、周辺にいた先輩達が驚愕していた。今ので手加減だから、本当の力はどの程度なのかと興味を持った先輩方だった。壁に激突した石動先輩は、壁に埋もれていたが念力で引っ張り出した。
「・・・・まさか君の力がこんなのとは思わなかった。今まで本気ではなさそうだね、こちらも本気でやらなければ瞬殺されるのがオチだ」
「まだ立ち上がってきますか。やはり俺の予想通りで、あなたは弱すぎますね。特別顧問になるのは確定のようですが、まだやりますか?」
渾身の一撃ではないが、手加減の一撃だ。そして通力で溜めて放出し暴風を起こしたが、俺の拳である衝撃波で消されたのだった。ここで赤龍帝を出すにもいかないので、ここまでにしましょうと言おうとした。そしたら通信機で、聞いたらまたドウターゲートが開くようなので、俺の仲間達を全員出したのだった。
「来い!クロウ、グレンデル、ダハーカ、ラードゥン、ティア!」
呼んだ瞬間に、ドウターゲート出現したので結界を張ったが、実戦部隊の先輩方が先に来てしまったので、結界を強くしたのだった。そんで出てくるドウターに向かう先輩達だったが、効果ないのでやられそうになったのでダハーカで動きを止めたのだった。
「先輩達に見せてやりますよ、対ドウター戦での戦い振りをね。・・・・禁手化!」
『Welsh Dragon Balance Breaker!!!!』
赤い閃光と共に、鎧化となり覇気と殺気を解放したので実戦部隊は、浴びたのでここから先には来るなという警告を出した。そして沙紀はIS展開し今回はエクシアだったがまあいいかと思いながら、俺らのドウターでの戦い振りを見せたのだった。白鉄でも黒魔でも倒せない敵であるドウターを簡単に倒す事が出来るからだ。そんでドラゴンブラスターや剣で斬り倒しながら、ラードゥンは後方にいて、グレンデルとダハーカでの連携で行くが、クロウは今回は様子見としてラードゥンの隣にいる。
「凄い、僕達では傷一つ付けられないのになぜ灰村君達は倒せるんだ?」
「アンタに言っとくぜ、俺らがただの人間じゃない事をな」
「俺達はドラゴンだ、で、諸葉の旦那もただの人間じゃないって事さ」
「私達はドラゴンでヒト化にできるから、こういう格好しているけどね」
そんで最後の一体を倒した所で、禁手化を解いてから呪文を言ったが今回も赤龍帝の力で倍加付きで、重力球を放った。数分後になると、門は閉まったのでラードゥンに結界解除してから、俺はクロウ達の所に向かった。
「君達は何者なんだ?」
「俺達はソレスタルビーイングの者だ、さてとドウターによって勝負に水を差されたが、俺の実力は分かったろうに。皆お疲れさんだ、中に戻れ」
クロウ達は魔法陣と共に、元に戻って行ったので、俺との勝負は勝ちとなった。好きにしろと言われたので、実戦部隊の特別顧問になるという枠に入った。見学席にいた先輩達もお手柔らかにと言われるが、俺は手加減はしないと言ってからアリーナがボロボロになったので、指を鳴らすと元に戻った。まるで時を戻すという事だったが、これからは俺の指揮の元で動けと言ったので、隊長枠ではなく司令官枠としてな。
「凄いよアンタは!」
「ああ。隊長を倒しちまう何てな!」
「これならすぐに実戦に出ても大丈夫デース。去年の三年が卒業した今、即戦力は大歓迎デス」
「光技、闇術、両方使えないからどうなるかと思ったけど、私らのレベルを遥かに超える」
「久々に敗北の気分だったよ。神皇帝」
戦闘中、剣技の必要な局面では俺は素早く動きながら冷静に指示を与えられる頭脳を持ち、魔法では最前線での動きをする。それに神皇帝はドラゴン達を使役していると、最近分かった事だったけど、それがさっき見れたので石動先輩が本気になる相手は俺しかいないそうだ。ま、俺は俺で動くだけであり、それを指導するのだから命令違反をするとどうなるかな。
「では、今日のトレーニングを始めるぞ。ああ、灰村君は見学で構わない。僕らの司令官なのだからね」
石動の言葉で、俺は見ていたが全員で円陣を組み、石動が大声で号令をかけた。
「我ら救世の剣なり!(We are the Saviors)」
「「「民と平和と正義のための一撃なり!(We are the Saviors for our people,our peace and our justice)」」」
続いて全員で唱和していたが、誰もが声を張り上げて、ビシっと気を付けをするがまるで軍人のようで。ま、ソレスタルビーイングも元は国連軍のようなもんだしな。
「それは何かの意味でもあるのか?」
「皆の心を一つにし、崇高な目的のために練磨する心構えを忘れないため、大事な事なのだよ。灰村君は別に覚えなくても構わんさ、既にCB所属なのだから」
まあ全員が鋭い空気となって纏っていたが、俺の覇気や殺気を少し出せばそのオーラは消えて無くなって、顔を青くしていた。スイッチをオンにしたが、流石に俺達の戦闘を見たのだから、隊長である迅じゃなかったら殺されるぐらいだと察したみたいだった。ま、俺らは少数部隊で倒すが、コイツらは《異端者》を倒すための部隊。チームワークを大切なのかもなと思った。
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