リリカルクエスト
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13日目 ゆういちはらちされた
ある夜、リビングで暇つぶしに天使の詩集を読んでると、お隣のテスタ家の重要そうな会話が聞こえてきた。
全部が聞こえた訳じゃないが、『母さんの病気』、『ジュエルシード』『アルハザード』『アリシア姉さん』、何やら重要なキーワードが並ぶ。
テスタ姉は転生者だから、もしかするとテスタ家の状況をなんとかしようとしているのかもしれない。
姉の転生特典では、プレシアだっけか? テスタ母の病気を治す事は出来ないし、死んだ娘を生き返らせる事なんて出来ないから、原作通りにジュエルシードを集めてるんだろう。
原作と違い、テスタ姉にリニスといった戦力があれば、テスタ妹とアルフだけだった原作と違い、効率的にジュエルシードを集められるかもしれん。
ワードから憶測してると、『母さんと姉さんの為、がんばろう』と聞こえた。
ふむ、なんかテスタ家は良い意味でまとまってね? 原作のアルフはプレシアの事を鬼ババアとか言ってんじゃなかったっけ?
そんなワードは聞こえて来ないし、聞こえてくる会話からは親子仲も良さそうだし、一致団結って感じを受ける。
しかし、テスタ姉は橘と違って、先日の件から変な探りとか入れてこんし、マトモかと思う。
まぁ~あれだ、胸の中で『頑張れ テスタロッサ家』とエールを送っておこう。
ここ数日、ジュエルシード絡みの事件もなく、例の3人と橘関連に悩まされない、平穏な日々を過ごしていたら、放課後にアリサ・バニングスにしてやられた。
アリサ「杉田 アンタどうせ暇なんでしょ これからすずかと習い事に行くのだけど 鮫島の迎えが来るまで話し相手になりなさい」
うそ~ん。俺、アンタ達とそんな関わりないはずよ? なんでやねんと呆けてたら、
アリサ「この間 すずかの家でまた今度って言ったでしょ」
それさ~、その場の社交辞令だから、間に受けちゃダメだろ。
すずか「今日はなのはちゃんも立花ちゃんも用事があるって帰ったし アリサちゃんは杉田君と前からお話ししたかったんだよね?」
月村さんや、そんな断りにくいフォロー入れんといて、断りにくいじゃん。 (TдT)
悠一「じゃあ その迎えの人が来るまでね」
今は橘いないし、少しだけならいいかと思った矢先、今度は3馬鹿が引率の先生に連れられて現れたよ。
なんか俺の事を、物凄い目で睨んでるし、先生いなきゃ襲い掛かって来そうな雰囲気。
各々がボソボソ言ってんだろけど、『羽虫が!』、『調子ノんな三下』、『クソモブ』って聞こえてるからな。
それが聞こえてた先生に一喝されてるし、釘さされてるんだから、少しは態度改めたら?
それからは、バニングスと月村に、迎えとやらが来るまであの3人の愚痴を聞かされ続けた。
迎えの車が来ると、まだ話足りないのか、
アリサ「杉田も乗りなさいよ 家まで送ってあげる」
バニングスに手を引かれ、問答無用で車に押し込まれた。
車中でも愚痴は続き、家に着くまでの我慢と相槌打ってると、急に眠気が・・・・・
2人も静かになり、何かおかしい。
運転手の方を見ると、ガスマスクっぽい仮面をつけているのが見えて、俺は意識を手放した・・・・・
―――――
―――
―
目を覚ますと、廃屋っぽい部屋に横たわっていて、日の明かりも落ちているのか、部屋は薄暗い。
身を立てようとしたが、縄で手足を縛られているので立てなかった。
周りを見渡すと、俺と同じ様にバニングスと月村も縛られて横になっている。
状況的に、誘拐されたっぽい。
奥の部屋から、何やら話し声が聞こえてきた。
『キーキーー うまく いきましたキー ジャミ様』
『ゲマ様 あの人間の子供達は教団の奴隷になさるので?』
『オーホッホッホッホ ゴンズ 子供達は我が光の教団の労働力となるのですよ』
聞き覚えのあるフレーズ、特徴的なあの笑い声、もしかして・・・
『して 転移の準備はどうなのだ?』
『キー もう少しで魔力が貯まるキー ジャミ様』
これはヤバイと、アバカムで縄を解き、ザメハで2人を起こす。
起きた2人に、誘拐された事の状況説明すると、困惑してすくみ上ってる。
そんな時、初老の執事っぽい男性が部屋に入ってきた。
バニングスが驚愕な表情で、
アリサ「鮫島 どうゆうこと!?」
鮫島と呼ばれた男性は、バニングスの声に反応する事も無く、
『キーキー ゲマ様 ジャミ様 ゴンズ様 人間が目を覚ましてるキー』
男性に似つかわしくない声を上げ、奥の部屋に引っ込むと、この世界にいるはずのない3匹+αが姿を現した。
馬?『ほう 人間にしては早いお目覚めだな』
猪?『ゲマ様いかがなさいます?』
顎『オーッホッホ 現状を教えて 絶望してもらいましょう』
偉そうに御託並べてるコイツ等・・・あれだ。
DQ5のゲマとジャミにゴンズじゃねぇか! 何でこの世界にいるんだよ!?
アリサ「鮫島!!?」
バニングスが、まだ初老の男性に向かって呼びかけているが、
ゴンズ『ガーゴイルよ そろそろ その変身を解け』
モシャスで変身してたのか、男性の姿が翼のある悪魔、ガーゴイルに変わって行くと、
ガーゴ『キー 人間の姿からやっと解放されたキー』
バニングス、月村の目が見開かれ、うまく声が出ない様だ。
ゲマが、これからある場所に俺達を奴隷として連れて行くだの、我が教団に奉仕だの、我らが神ミルドラース様に仕えれるのを光栄に思えだのと、好き勝手抜かしてやがる。
横を見ると、バニングスは怯え震えていたが、月村は何か様子がおかしい。
月村の目の色が徐々に赤く染まっていく。
それに気づいたゲマは、
ゲマ「ホッホッホ そちらの御嬢さんは 普通の人間ではありませんね 私達とは違いますが 闇の血族の力を感じます」
ゲマは月村に向かって手をかざし、
ゲマ「ほ~ 吸血鬼の一族ですか これは良い贄です イブール様もさぞお喜びなるでしょう」
バニングスが我に返り、ゲマの言葉を信じられないって顔で月村を見ている。
ゲマ「おや そちらのお嬢さんは 知らなかったようですね 人間から見たら・・・
すずか「やめて!!! 言わないで!!!」
・・・我らと同じ化け物 よく人間といれますね」
月村は、必死にゲマの言う事を止めようとしたが、重大な秘密を知られてしまった様だ。
アリサ「嘘よね? すずかが吸血鬼なんて・・・?」
月村は黙ったまま下を向き、目には涙が溜まっている。
ゲマ「ホッホ 幾ら隠しても無駄ですよ まだ魔力には覚醒しきれてないみたいですが 闇の気配は隠せませんよ」
非情な宣告をされた月村は、とうとう涙をこぼした。
同じ誘拐犯でも、憎いアン畜生な変態パンツのカンタダと違って、ゲマは本当に胸糞悪いヤツだ。
今回ばかりは、原作キャラがどうのってより、コイツをブチのめしたくなったよ・・・
マジで!!
後書き
個人的にDQで1番許せない敵は断トツでゲマです。
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