【DQⅤ】ゲーム内容全把握のニートが転生時に死なない為の心得。
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
4,隠し事はいつまでも隠し事だというのは甘い考えです。
前回のあらすじ。
姐さんと呼ばせてくださいビアンカ姉、以上。
はい起きた!俺起きた!
「あ、リュカ、起こしちゃった?ごめんね、まだ夜だから寝てていいわよ」
おいおい戦闘準備バッチリじゃねえか!
完全一人で行く気じゃないすかビアンカ姉!
「そっか、お姉ちゃんはどうしたの?」
「え、えっとね。ちょっとのどが渇いて」
「お水は玄関にはないよー」
「そうね……ちょっと寝ぼけちゃった」
嘘つくなや。
姉さん一人で行ったら気絶だぞ。
金半分になるぞ。
「僕も行く」
「リュカもお水飲む?いいわよ、ちょっと待ってね」
「違くて。僕もオバケ退治するー」
「はぁ?」
はぁ?と言われましてもね。
ビアンカ姉強い(精神)けど弱い(物理)し。
「違うのよ?オバケ退治とかじゃなくて」
「お姉ちゃんがあの魔物を見捨てるはずないもん」
「ありがと、リュカ。でも本当に」
「僕も行く」
「リュカ」
「僕も行く」
わー俺超絶駄々っ子ー。
まあ6歳だから許されるよねー。
精神はニート(18)だけどねー。
「……リュ……」
「なぁに?」
「えっ、あ、うん。なんでもないわ」
いや何。
何その挙動不審。
ご用件はなんでしょうか姉さん。
「そっか。じゃあ僕も行く」
「ずいぶん話飛んだわね」
「今の所これが最優先事項だから」
「そう。だが断る」
「ナ、ナンダッテー」
やばい楽しい。
なんか前世を思い出すわ。
前世で腐れ縁の友達(笑)とか彼女とかとこういう風に話してた気がする。
ぶっちゃけよく覚えてないけど。
とりあえず彼女は可愛かった。それは分かる。確信持ってる。
あと友達はうざい。それは分かる。確信持ってる。
「分かった?本当に危ないのよ?何かあったら私を囮にしてでも逃げなさいよ?」
「だが断る」
「それをさらに断る」
「ナ、ナンダッテー」
結局駄々をこねこねして連れて来てもらいました。
「ふふ。じゃ、レヌール城はここの西にあるわ。行きましょう」
「うん!」
「一応言うけど、オバケなんかいないと思っちゃダメよ?意外と色々いるんだからね?」
「分かった!」
オバケ信じるタイプの人間っすかビアンカ姉。
いやまあ実際いますけど。
ちっす。リュカっす。
現在ビアンカ姉さんの強さに目を疑ってるところっす。
「ギラ!!」
「ぎゅいぃっ」
なぜか出会ってしまった無駄な強さを誇るオバケねずみが一瞬で燃え尽きてます。
しかもメラじゃない。ギラだ。
何lvっすか姉さん。8lvですか。
戦うの初めてなはずなのに8lvなんすか。
「……すごいね、お姉ちゃん」
「駄々こねて戦闘訓練受けさせてもらってたから」
マジですか。
「ついたわね」
「うん……」
ぶっちゃけこれなら俺着いてこなくてよかったような気がしてしまう俺氏。
俺の命が危険になるだけのような気がしてしまう俺氏。
「ん……正門は開かないわね。裏口とかないかしら、回ってみましょ」
わーおスピード攻略。
「そうだリュカ、入る前にこれ」
ブーメランと薬草、鱗の盾を手渡される。
「ありがとう、お姉ちゃん!」
「どういたしまして。いい、ここまでは私が守ってあげられたけど、万が一この先私がいなくなったりしたときは、自分の身は自分で守りなさいよ」
「うん!」
何この人、ゲームの内容知ってんじゃないの?
「何か変だと思ったものには触っちゃダメよ」
うごくせきぞうのことか……?
「私がいなくなっても動揺しないで。大丈夫、私は死なないから」
はい死亡フラグ入りましたー。
しかし実際にビアンカ姉さんは死にません。
姉さんの勘どんだけ冴え渡ってんすか。
……それとも、まさかとは思うけど。
「分かった。ねえ、お姉ちゃん」
「なぁに?」
「ドラゴンクエスト、って知ってる?」
目を見開くビアンカ姉。
えっ嘘、マジ?姉さんも同じなの?マジで?
しかしビアンカ姉はすぐにいつものように笑顔になって、
「さあ……知らないわ、ごめんね。何かの絵本?」
そう言った。
ダメだ、この人絶対何か隠してる。
隠し事っていうのは暴かれるためにあるんだ。今俺が決めた。
ということで、オバケ退治が終わるまでにその秘密を暴いてやることにする。
幾多の推理ゲームをクリアしてきた俺の腕をなめるなよ、ビアンカ姉!
ページ上へ戻る