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剣聖龍使いの神皇帝

作者:黒鐡
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第1巻
  不愉快極まりない言葉と挑発

午後からは実技授業なので、男子女子は更衣室で戦闘服に着替えるが俺は生憎量子変換機で着替えてしまう程の早技を持っている。なので、サツキと静乃が着替え終わってから一緒に行く事になったけど、今日も第一武道館に来た。少し早めだったのか、四クラスの生徒の集まりが疎らだったし、各担任も来ていない。俺達はクラスメイトがいる所に向かう。俺と沙紀は相変わらず浮いているけど、そこは気にしない方向でな。無論雑魚=石動もいるが、何やら大声でとくとくと語っていたので証拠としてボイスレコーダーをオンにした。

「オレの兄貴が言うにはよ、《異端者(メタフィジカル)》の脅威は年々増えてて、白騎士機関はますます力をつけていかなきゃ対抗できねえって話よ」

それを三人の男子で囲んで聞き入っているが、雑魚の腰巾着なのか。

「でも石動クン、それってヤバくないスか?パナくないスか?」

「バカ言えいっ。オレ達にとっちゃあメシの種が尽きねえって事だろ?兄貴みたいに活躍次第でどこまでもノシ上がれるって話だろ?《異端者(メタフィジカル)》様々だぜ」

確かに一理はあるが、それは聞くに堪えない理屈であり、即瞬殺されますよとアピールしているようなもんだ。そういう輩の事は《救世主(セイヴァー)》ではなくただの盗賊理論だ。

「あ、そうか!石動クン頭いいっ。マジパナいス!」

というかアイツは死語を言っている気がするが俺の気の所為か?今時パナいとか、いつの時代の学生何だか。石動が大声で語り、腰巾着は拍手喝采する。他者は皆、眉をひそめていたが、石動の実力を分かっているのか、何も言えない状況となっていたけどね。石動と取り巻きは我が物顔でふんぞり返り、他の生徒は肩身が狭い思いをしていた。

「オレは思う訳よ!いっそ《異端者(メタフィジカル)》がどっかの大都市でも火の海にしてくれりゃあ、国だって白騎士機関への援助金は跳ね上げてくれるぜってな!」

「そしたら俺らの給料もポロって寸法ですねぃ!」

雑魚と腰巾着たちが大笑いするが、皆一様に下卑な顔をしていた。誰もが、正規に耐え兼ねる程に。《救世主(セイヴァー)》よりコソ泥理論に近い程にな。

「お前ら!テメエらが言っているのはただの屑だ、《救世主(セイヴァー)》の面汚しだと思わねえのか!」

サツキが行こうとしたのを止めてから、静乃と沙紀にサツキを見ててくれと言った後に俺は文句を言いに行った。

「またテメエか、ゴチャゴチャとうるせえな」

「調子扱いてんのはテメエらだと言うのが、まだ分からないのか?周りを見てみろ、お前らがそういう安い話をしているから、全員否定的な顔してんのがな」

「お前は何様何だよ!同じ力を持ちながら抜け抜けとやかましいんだよ!何を根拠に見下している」

「それを屑だと言ってんだよ!それ程分からない者はすぐ瞬殺されて終わりだとまだ分からないの?あ、そうかー。お前らは頭が悪いから、そういう屑な考え方が出来ないという事を」

「ぎゃはっ、ナニソレ先公かよ。・・・・なるほどな、オレの発言で気分害したって訳か。でもな、オレ達も人間なのよ?」

「志がゲスで屑だと言ってんだよ」

「お前はもしかしてアレ?『オレ達は正義の味方』って本気で思っているアレな人?悪い事は言わねえから、もう一度幼稚園に帰れ」

「オメエこそ、屑や下種はさっさと焼却炉に頭でもツッコんでみろよ!」

「んだコラァ!優等生振るんじゃねえぞコラァ!」

「死んでもう一度転生でもしてみろ、今度はマシな《救世主(セイヴァー)》になっているだろうよ」

売り言葉に買い言葉であったが、肝心の護衛者である沙紀は止めようともしなかったので罵り合いは限りなくヒートアップしていた。皆が唖然としながら注目していた。

「助けに入らないのですか?」

「これは諸葉様が介入した事であるので、私からの介入は出来ません」

「でも私だったらもっと言ってたかも、軽はずみで言ったら実力勝負になるところよね」

静乃やサツキも分かって聞いたのか、沙紀からも軽はずみで喧嘩をするとああなりますよとか言ってたらしい。下手な介入をしたら、もっとまずい事になるからな。どちらかが手を出すなら兎も角、口論だけなので見守る事しか出来ないと分かっている。

「これは一体何の騒ぎかね?」

武道館にやって来た二組の担任が、俺達の罵り合いを見咎めた。雑魚にとっては「また邪魔が入った」という顔をして舌打ちをする。サツキ達はこれで一件落着だと思ったら、腰巾着がいらない茶々を入れる。

「せんせーい。その二人は、もうプラーナを使えるすんげー奴らでーす」

取り巻きの一人が、人畜無害を装って挙手をした。何を企んでいる?

「ああ、私も昨日見ていたよ。入学早々使える何て、大したものだね」

「だからー、よかったら二人に模範的な?試合何かそーゆーの見せて欲しいでーす」

「おお、ウチのクラスの者にも是非見せたいね。二人で良ければと思うが、どうかな?」

なるほど、試合をして恥を教え込もうとした訳か。

「おういいぜ、正義の強さって奴を是非教えてもらいたいねえ」

「この不届き者に《救世主(セイヴァー)》の何たるかを俺が教えよう、・・・・と思ったがちょうど先生が来たので他の先生が来たら、聞かせてもらいたいのがあるのですがよろしいでしょうか?」

「私らにかい?他の教師が集まったら聞かせてもらいたい」

教師公認である以上やるしかないと思うが、ここにいる者達全員が聞いた不愉快な言葉を証拠にしたのでしばらくしてから二組以外の担任の教師と田中教師が来たのだった。

「で、灰村君。私らに聞かせてほしいものとは一体?」

「さっきコイツらが語った不愉快極まりない言葉ですよ」

ポケットにあったボイスレコーダーをオンにしてから、大音量で石動と腰巾着達が話していた会話を流す。石動と腰巾着共は見る見る顔を青くなっていったが、石道は冷や汗をかいていた。そして聞き終えた事で、一年の担任はそういう事かと思ってから一気に石動と腰巾着達に説教をしたのだった。

「なるほど、灰村君が聞かせたかったのはこれのためか。でも一理ある、弱い者いじめみたいな真似は感心しない!」

「そうだ!君達は《救世主(セイヴァー)》のなんたるかを全く理解していない」

「そもそも選ばれた人間というものは・・・・」

他の担任の教師からの説教に口答えしようとするが、それを認めないのがここにいる教師達だ。俺は、後ろにいるサツキ達に振り返らずに左手を後ろにしてから親指を立てたので、他の生徒も安心したかのような感じになっていた。石動の兄は立派な者だが、ここにいる弟はただの下種であり屑だ。

「コイツに何を言っても無駄なので、今日の放課後に公式試合を推奨する事を提案致します。石動に何を言っても無駄だと言う事が分かったのは先生も同じのはず、なのでここで《救世主(セイヴァー)》のなんたるかというのをコイツに教え込むというのでどうでしょうか?もちろん一年全員が見ても構いませんし、何だったら校長先生に言ってコイツを辞めさせる事も出来ますが?」

今日の放課後にここでの公式試合をやるか、それとも《救世主(セイヴァー)》のなんたるかを全く理解していない者は即刻退学だと言ったら、教師達はだったら放課後に公式試合をする事となった。教師達の説教しても無駄だという事を理解したようだった。一年生全員が見学する程暇じゃない者もいるので、一年一組のクラスメイトに担任と校長先生が特別に見るという事になった。 
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