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ドリトル先生と学園の動物達

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第八幕その九

「今だってね」
「寝る前にはですね」
「歯を磨くよ」
 巨峰を食べつつ言うのでした、そして。
 寝る前に歯を磨いてでした、そうしてから。
 先生は学校に向かいました、それからこの日も動物園や水族館の動物達の歯を検診します。そうしてなのでした。
 一緒にいる日笠さんにです、昨日のことを尋ねました。
「防犯カメラに映っていた人ですけれど」
「はい、あの人ですね」
「何かわかったでしょうか」
「いえ、まだ詳しい調査はです」
 それはというのです。
「まだです」
「わかっていませんか」
「はい」
 そうだというのです。
「どうにも」
「そうですか」
「先程調査をお願いしたばかりで」
「ではその結果がわかるのは」
「今日中にはわかると思いますが」
「今すぐにはですね」
「もう少しお待ち下さい」
 こう先生に言うのでした。
「今日中ですので」
「わかりました、それでは」
「そういうことでお願いします」
 日笠さんは先生にこう答えました、少しがっかりとした様子で。
 そうしてでした、今度は自分から先生に言いました。
「ところで先生のお好きな食べものは」
「そうですね、何でもですね」
「どの食べものでもですか」
「美味しく食べます」  
 先生はレイヨウ達の歯を診察しつつ先生に答えます。
「どんなものでも」
「そうですか、どんなお料理でもですか」
「嫌いなものは特にありません」
「では特にお好きなものは」
「最近はカレーでしょうか」
「カレーライスですか」
「あれはいいですね」
 相当にというのです。
「美味しいですし栄養もありますし」
「幾らでも食べられますね」
「はい」
 先生は日笠さんににこりと笑って答えます。
「最近食堂でも食べます」
「どの様なカレーがお好きでしょうか」
「チキンカレー、カツカレーでしょうか」
「その二つですか」
「どのカレーも好きですが」
「その中でも特にですね」
「最近はこの二つがお気に入りです」
 そうだというのです。
「かなり」
「わかりました、カレーがお好きですね」
「特にチキンカレーとカツカレーです」
 また答える先生でした、ただ日笠さんがどうして先生に尋ねてきたのかは気付いていません。それも全くです。
「この二つです」
「カツカレーですね」
「あのカレーは日本独自ですね」
「イギリスにはありませんか」
「日本だけです、それで興味を以て調べたのですが」
 そのカツカレーについてです。
「あのカレーは戦後野球選手が考え出していますね」
「野球選手がですか」
「千葉茂という選手がいましたね」
「巨人のセカンドだった」
「あの人が考え出したものです」
 その人がというのです。
「洋食が好きでカレーとカツの両方を食べようと思って」
「それで考え出したのがですか」
「カツカレーです」
「カレーライスにカツを付けてですね」
「そうして食べたものらしいです」
 そうだというのです。 
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