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俺の名はシャルル・フェニックス

作者:南の星
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閑話という名のイチャイチャ話、前編

 
前書き
今回は本編に関係はありません。
元々は2月14日に投稿する予定でしたが束や千冬が登場してなかったので断念。
一度削除したのを思い出しつつ書き直してます。完全な趣味パートなので色々と思うところはあると思いますが、ご了承下さい。

 

 
今日は2月14日バレンタインデーであるッ!!

平成の一桁台の時期なら女子たちが好きな人にチョコと共に愛を告白する時期であったとか。

残念ながら今は恋人や友達の間や同僚でのチョコを渡すといった日でしかない。

だからまぁ、変態三人組は今年こそはッ!と言っていたが、ドンマイとしか言えないな。

さて、バレンタインデーである。

何故そんなにバレンタインデーを強調するのかと言えば、俺も恋人たちがいるわけで、ちょっと今日が楽しみだったりするわけだ。

まぁ、七人もの相手に手をだすという現代日本において男から呪殺されてもおかしくないクズな人であるのは自覚してるんだが……

楽しみなモノは楽しみなわけで。

でも、ウチには何を考えてるのか分からない奴が二人いるわけで。

朝、目を覚ましたら二人のうちの一人が何故か俺に妙にニコニコしながら馬乗りしてるわけで。

どうしろと……?

「ぐっもーにん!しーくん」

「……ああ、おはよう……」

と返したもののどないしろと?

「しーくん、しーくん。今日は何の日か知ってるかなー?」

「バレンタインデーだろ」

「ざっつらいとだよ!しーくん!」

うるさくて思わず顔をしかめる。

朝からテンション高いな。おい。

「それでね。今日は束さんからしーくんに贈り物があるのだよ!ぶいぶい」

ぶいぶいじゃねぇって。

「まず初めはこれっ!
ロシアンクッキー!
6個のうち1つになんと獣化クッキーが入っております!お値段なんとタダ!安いね!」

タダじゃなかったら贈り物って言わねぇよ。

「最後はこちら!
私編集のマル秘映像なり!」

ずんっと胸の谷間から出したUSBメモリーを召喚。

いや、確かにUSBメモリー程度の大きさなら絶対に落ちてこない場所ではあるけどな。

態々そこにいれんなよ。

揉むぞ?揉んじゃうぞ?

いや、今揉まないけどさ。

「それじゃあ、束さんからのバレンタインはふぁいんだよん!」

「ん。まぁ、ありがとな」

くれたからにはお礼を言う。

それに貰って嬉しいしな。

「ふふっ、素直に言われると純粋無垢な束さんは照れちゃうのだ。じゃ、ばいばいきーん!」

頬を少し赤く染め照れ笑いをしてからトウッと俺の体の上から跳んで床にシュタッと体操選手がラストにする両手を上げるポーズをしてから部屋から出ていった。

ん、まぁ、いいよな。こういうの。

惚れた弱味って言うのか?

千冬もそうだけどさ。

たまに照れたり甘えたりしてきてくれるとな。

ちゃんとその本人なんだなって。生きてんだなって思うんだよな。

原作という知識がある人間からしてな。

現実にいるんだなってそう思うわけだ。

さて、ロシアンクッキーは後で食べよう。

今日は学校があるからな。

獣化なんてしたら目も当てられない。

今日はちゃんといかないといけない日だからな。

まぁ、でも、束が案外早く来たお陰で朝飯まで時間はある。

USBメモリのマル秘映像ってのでも見てみるか。

ベッドから起き上がり、頭を掻いてから机へと向かいノートパソコンを起動させ、USBメモリーの映像を再生させる。

そこには真っ暗なリビングに明かりのついたキッチン、そしてそこに立つ千冬の姿が。

ああ、なるほど。

内容が何と無く分かったので一時停止をしてスリープ状態にする。

まぁ、これは明日か寝る前あたりに見るべきだよな。じゃないと完全なネタバレだ。

やることも無くなったので一階にあるリビングに行くか。

皆はまだ寝てるだろうから足音をたてないように歩く。

ウチのやつらは色々と気配に敏感だから起こしてしまうかもしれないからな。

一階に降りリビングにたどり着くと既に制服を着てその上にエプロンをつけてる白雪がキッチンにいるのがわかった。

「白雪おはよう」

「…………」

あれ?返事がない。

朝食や昼の弁当を作るのに集中してるのか?

珍しいなと思いつつ、喉が渇いたのでキッチンにある冷蔵庫からお茶を出し、食器棚からコップを取って注いでお茶を一気に飲む。

そして白雪を見てみると一心不乱に何かを作っていた。

何を作ってるのか分からないが何の目的で作ってるのかは分かった。

だから、俺はキッチンから立ち去ることにした。

シャワーでも浴びて着替えとこ。


シャワーを浴び終わり、着替える頃には朝飯が出来上がっており皆席についていた。

いつもより30分くらい早いな。

おはよう、と皆で朝の挨拶しあい、席に座る。

いつもは左側の中央なんだが、今日は左側の端が俺の席らしい。

隣は白雪で前が恋だ。

「今日はバレンタインということで五種類のパンケーキを作ってみましたっ」

少し照れ気味に白雪が言う。

目前には五色のパンケーキ。

色合い的にプレーン、チョコ、ゴマ、イチゴ、抹茶だろう。

プレーンには『DEAR SYARU』とチョコソースで書かれており、少し生クリームや苺やブルーベリーなどの果物がトッピングされている。

『My Husband』、『My Boyfriend』、『I Lave You』、『愛しのシャルちゃん』と書かれていた。

トッピング付きで。

芸が細かいというかなんと言うか……

おい、理子ニヤついてんじゃねぇよ。

「あの!シャルちゃん様!」

グイッと近寄ってくる白雪。

左腕に柔らかいものが当たってるぜ。

「ど、どうした?」

「わ、私が食べるお手伝いをさせて頂きます!」

食べるお手伝い?

えっ?なにそれ?

でも、白雪の好意を無下にするわけにもいかないので――

「ああ、頼むわ」

了承する。

「そ、それでは……」

白雪はプレーンのパンケーキをナイフで切り、フォークで刺してそのまま俺の口の前にもってきた。

「あ、あーん」

えっ、ナニコレ、公開処刑?

ついには黒歌までニヤニヤし始めた。

恋と白音は羨ましそうにこっちを見て、千冬は顔を少し赤く染め、そっぽを向き束は俺と千冬を交互にニヤニヤと見つめてる。

普段なら千冬が止めるんだが、今日はバレンタインを渡す人が何しようと邪魔してはいけないと家族ルールで決まってる。

当然俺の拒否権もないことが決まってるわけで……

パクッと食べた。

朝飯だからか若干甘味を抑えたパンケーキやチョコソースの味が口に広がった。

「お、おいしいですか……?」

「ああ、美味いぜ」

「はぅぅ……シャルちゃん、次、次はこっちをどうぞ……!」

次も食べる。

雛鳥気分が味わえる。

「ちーちゃん、ちーちゃん。
束さんがあーんしてあげるよ!」

「いらん。自分で食べれる」

「ぶぅー。ちーちゃんのケチぃ」

「れんれんハチミツたれてるよ!おっぱいにっ!」

「……べとべと、する」

「うはっ、エロゲ、エロゲキタコレ!」

「ほら、白音ちゃんと食べなさい」

「にゃぁ……黒歌姉様……」

「はいはい。後があるから今は我慢よ」

皆さんそのまま俺を弄らずに朝食を終えてください。

「シャルちゃん様……あーん」

与えられたものを食べる。

こりゃあ、朝食終わるまで時間かかりそうだわ……





◇◆◇◆◇

永い朝飯を済ませ登校なう。

今日は一人での登校だ。

他の皆は別行動。

いつどこで渡すかはその人しだいだからな。

邪魔にならないよう今日俺の側には誰もいないんだ。

完全にフリーな日だ。

そして何事もなく教室についた。

クラスメイトに挨拶をし、自分の席についてバックから用具を机の中に入れようとしてある存在に気づいた。

赤地で可愛らしい装飾が施された箱が入ってることに。

開けてみるとそこには手作り感漂うハート型の一口サイズほどクランチチョコが数個入ってた。

手紙も作ってくれた本人の名も書いてないバレンタインのチョコ。

何ともまぁ、可愛らしいことで。

こういうの苦手なんだろうなぁ。

恥ずかしがり屋だし、嫌がられたりされるかもと怯えてるみたいだし。

そんなことはないんだけどな。

箱の中から1つ取りだし、食べる。

「美味いな」

こちらをチラチラと伺う作ってくれた本人のシスコンな兄に聞こえるように言う。

そして大切にバックの中へと仕舞う。

来年は本人に言ってやれたらな。




 
 

 
後書き
本当は一話で終わらせる予定だったのですが……
シャルルにチョコを渡す相手が多すぎるっ!!
ということで分けさせ頂きます。

 
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