| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

魔道戦記リリカルなのはANSUR~Last codE~

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

Epico10-Bシュテルンベルクの騎士~Perceval & Tristan~

†††Sideルシリオン†††

俺とエリーゼの間に生まれた子供――ルルとベディヴィアの子孫にあたる現シュテルンベルク家の人間が住まう屋敷へとついに訪れることになった。俺が内務調査部の研修で居ない間にはやて達はシュテルンベルク家の現当主のパーシヴァル、その妹のトリシュタンと出会ったのだそうだ。そしてお互いの都合があった今日、こうして招待されることとなった。

「なんつうか、シャルん家に比べりゃ質素つうか・・・。まぁ、十分デケェ屋敷だけどさ」

八神の家の4倍ほどの大きな洋館とそれ以上の庭の広さはあるが、外観での絢爛さで言えば確かにシャルの家――フライハイト城に劣ってはいるな。それを聞いたシャルが「まぁうちは特別だしね~」と苦笑した。

「そう言えば・・・なぁ、シャルちゃん。シュトゥラの王族って、現代ではどうなっとんの?」

門から正面玄関へと伸びる石畳の道を歩いている中、はやてがそんな事を急に訊ねたため、「どしたの突然」シャルも呆気にとられた。するとヴィータが「あっ、あたしも気になる!」ヴィータも話しに乗ってきた。

「わたしも本格的に次元世界に関わるようになったからな。それなりに勉強してるんよ。特に古代ベルカ史をな。そんでグラオベン・オルデンやシュテルンベルク家、シュトゥラについても学んだんよ」

リインフォースⅡの製作を終えたはやては、仕事の空き時間などを利用して次元世界の歴史を勉強し始めた。お気に入りは古代ベルカ史で、ベルカ中期から末期(というか、資料はその年代のものしか残っていない)の歴史をアインスに教わりながら勉強している。

「聖王家の血筋はもう絶えているのよね・・・?」

「雷帝ダールグリュンはどうなったのだろうな」

シャマルやシグナムもまた、かつて関わった王家の現在について気になっているようだ。

「まずイングヴァルト王家ね。血筋は現代でも残ってるよ。しかも直系ね。とは言ってもほとんど没落って感じで、現代じゃイングヴァルトって名乗らずにストラトスを名乗ってるよ」

アインハルト・ストラトスの家族のことだな。あの娘の年齢を考えれば、この時代ではまだ生まれるちょっと前と言った感じだな。

「ダールグリュンの直系についてはもう存続してないって話なんだけど、遠縁にあたる一族が今も続いてるよ~」

この時代では3歳くらいになるのか、ヴィクトーリア・ダールグリュンは。シャルは続けて聖王家の直系や遠縁の血筋全てが途絶えていると話した。それからイリュリア王家の直系が現代でも続いていることも教えてくれた。

「大丈夫なのだろうか。イリュリアには嫌な思い出しかないのだが・・・」

「アインス、大丈夫ですか? 顔色が悪いですよ」

車椅子に座るはやての膝に置かれているショルダーバック――通称お出かけバッグ(今もなお進化を続けるはやて&アインス作)から顔を覗かせたリインが、イリュリア王家の直系の存在に不安がるアインスを心配した。

「ありがとう、リイン。大丈夫だよ」

「えへへ」

アインスに頭を撫でられ気持ち良さそうに目を細めるリイン。不安がっているのはアインスだけじゃない。シグナム達も表情に陰りがある。そんなみんなの様子に、「あはは、大丈夫だよ」シャルが笑う。

「イリュリア王家の直系って言っても今じゃほとんど権力も武力も無いし、危険視するほどのものじゃないよ」

とのことだ。今は紛争世界や貧困世界を救うための慈善事業の会社も経営しているそうだ。そんな話をしながら30mほどの道を渡り、玄関へと辿り着く。すると自動ドアのように玄関の両開きのドアが外に向かって開いた。

「ようこそお越しくださいました、八神家の皆様方。改めて自己紹介を。シュテルンベルク家、当主のパーシヴァルです」

「トリシュタンです。・・・お会いできて光栄です、ルシリオン様、リインフォース・アインス様。それといらっしゃい、イリス。1年ぶりくらいです?」

「そだね。最近はちょっと忙しくて。久しぶり、トリシュ、パーシヴァル君」

エントランスホールで出迎えてくれたパーシヴァルとトリシュタン兄妹は、俺とエリーゼ2人の面影を持っている青年と少女だ。シャルの挨拶が終えたのを確認。

「八神家にてお世話になっている、ルシリオン・セインテストです。ルシルと気軽に呼んでくれると嬉しい」

「同じく、リインフォース・アインスです。アインスとお呼びください」

俺とアインスの自己紹介も終わり、俺たちは応接室へと通された。レッドカーペットにアンティーク調の家具、シャンデリア、高そうな美術品と展示台。そして「この絵・・・!」アインス達が壁に掛けられた数枚の絵画の前で足を止めた。

「オーディンさん、アギトちゃん、アイリちゃん・・・。エリーゼちゃん」

「この人が、エリーゼ・フォン・シュテルンベルクさんなんやなぁ」

「アギトとアイリ・・・。わたしとアインスと同じ、融合騎・・・」

「生で見ると、結構大きい絵画だね~」

壁に掛けられていたその絵画は、シャルの家で見せてもらったグラオベン・オルデンの集合絵、俺とエリーゼのツーショット絵、守護騎士のみの集合絵、アギトとアイリのツーショット絵の計4枚だった。
シャマルは感慨深そうに描かれた俺たちの名を呼んだ。はやては、1つの椅子に俺と並んで座って幸せそうに微笑んでいるエリーゼの姿に見惚れている。そしてリインは、1つの椅子に寄り添って座って笑顔を浮かべるアギトとアイリをジッと眺めていた。シャルはその大きさに背伸び。

「懐かしいな。今でもハッキリと思いだせる」

「だな。オーディンとツーショットで描いてほしいって騒ぎになったりしてな」

「ヴィータもちゃっかりオーディンの背中に覆い被さるようなポーズで描いてもらっていたじゃないか」

「あ、あれは、その・・・悪ぃかよ。あたしだって、オーディンと2人だけで描いてほしかったんだよ」

脹れっ面になりながらも照れるヴィータに、「あはは、すまない、意地悪をしたな」アインスがそう謝りながらヴィータの頭を撫でた。

「シュテルンベルク家の家宝ですよ。しかし残念ながら現存しているのはそれらだけなんです。本当は皆さんそれぞれの絵画があったようなんですが、ベルカ崩壊時に喪失してしまって・・・」

コーヒーと何種類ものクッキーの準備をトリシュとしていたパーシヴァルが悔しそうに説明してくれた。確かに俺たち1人ずつの絵も描いてもらったよな。しかしそうか。失われたんだな。だが不幸中の幸いとも思う。残っているのが1人だけが描かれた絵ではなく、2人以上が描かれた集合絵であるというのが。

「――準備が出来ましたので、どうぞこちらへ」

それから少し絵を眺めて思い出に浸った後、応接室中央に設けられた楕円形の足の短いテーブルを囲うソファに座り、クッキーとコーヒーを頂く。はやてとリインはミルクと砂糖を入れたのちに口に含み、「美味しいです♪」と頬を緩ませた。シャルは「うん。相変わらず美味しい」と褒め、そしてシグナム達は「これは・・・!」口に含んだコーヒーに目を見張った。

(このコーヒーの味は・・・!)

そういう俺も、その味わいに驚いた。今でもハッキリと思いだせる独特のうま味や風味。驚きを顔には出さないように努め、シグナム達の反応を先行させる。

「やはりお判りですか? このコーヒー、シュテルンベルク家専属のメイドが淹れてくれたんですよ。・・・うん、今日も美味い」

「イリスのフライハイト家のように、シュテルンベルク家にも古くから連なってくれる方たちがいるんです」

パーシヴァルとトリシュもコーヒーに舌鼓を打つ。トリシュの話を聞いたヴィータが「おい、まさか・・・!」表情を輝かせながら反対側のソファに座るパーシヴァルとトリシュへと身を乗り出した。

「アンナ・ラインラント・ハーメルン。モニカ・クラジウス。ルファ・オートクレール。御存じですか?」

「ええ、もちろん♪」

「我々も大変世話になった少女たちだ」

「まさか現代でもアイツらの子孫が居んのか!?」

「今でも会えるのだろうか!?」

食い気味に反応するシグナム達に、当時を知らないはやてとリインとシャルは呆然として、俺は俺で溢れ出て来る懐かしさの感情を押さえ込むことに必死になっているため俯いたまま。

「はい、お三方の子孫も現代に居ます。そして、このコーヒーを淹れてくれたのが、当家自慢のメイドであるディナス・ラインラント・ハーメルンなのです。アンナ・ラインラント・ハーメルンの子孫です」

やはりか。このコーヒーの風味はアンナの出すものだ。そうか。彼女の子孫が居て、その味も受け継がれて来たんだな。ヴィータとシャマルとアインスは「おお!」と嬉しそうに表情を輝かせ、シグナムとザフィーラでさえも「そうか」と一言漏らして微笑んだ。

「お呼びしましょうか? ディナスは今、キッチンで夕食の仕込みを行っているんですが・・・」

「お仕事中でしたら悪いんで・・・。みんなもそれでええな?」

はやてに訊かれたシグナム達は首肯した。

「あ、兄様。ハヤテ達を夕食にご招待しては? その時にディナスを紹介しましょう」

「実に良い提案だ、トリシュ! 夕食だけでなく泊まっていってもらおう!」

「素敵です、兄様! そうしてもらいましょう!」

パーシヴァルとトリシュが手を取り合って俺たちの意見を聞かずにサクサク決めた。とりあえず「今日明日とお休みやから問題は無いですけど・・・」はやてが俺たちを見た。学校はちょうど土日で休校だし、局の仕事も八神家全員の休日が重なるように調整してある。俺たちははやての意思に任せるということを伝えるための首肯を1回。

「ん。それじゃあ、お言葉に甘えて1泊させてもらいます。お世話になります」

はやてがお辞儀するのに合わせて、「お世話になります」俺たちもお辞儀した。そんな中で「わたしは? わたしも一緒でオーケー?」シャルがそわそわしながら確認した。パーシヴァルとトリシュの返答は「もちろんオーケー♪」だったため、「よしっ! お風呂はみんなで一緒に入ろうね~♪」とシャルがはしゃぐ。

「俺も一緒に良いのか!?」

「パーシヴァル君は裏庭の池にでも浸かってれば~♪」

「兄様、冗談もほどほどにしてください。リインが困ってます」

男と一緒にお風呂に入るという話を聞いて「あぅあぅ」顔を赤くしているリイン。生まれたばかりと言えでも少女としての恥じらいは十分に持っているからな。そんなリインを見たパーシヴァルが「あはは、ごめん、ごめん。冗談だからな」頭を下げて謝る。すると目に見えてホッとするリインにみんな微笑ましくなる。

「なあなあ。モニカとルファの子孫って何してんだ? そのディナスって奴と一緒でこの家のメイドなんか?」

「はい。でも今はもう1つの職業の方へ行っています」

「もしかして、お医者様だったりする?」

「シャマル様、正解です♪ モニカ様の子孫ニミュエと、ルファ様の子孫ヴィヴィアンは医者として、聖王医療院でお仕事しています。ちなみに聖王医療院を開院したのは、2人のご先祖なんですよ」

自慢げに教えてくれたトリシュ。それを聞いたシャマルは「嬉しいわ、ホント。モニカちゃんとルファちゃんの意志が現代にまで続いていてくれて」本当に嬉しそうだった。

「さて。そろそろ本題へ入りましょうか」

パーシヴァルが真剣な顔となった。それで俺たちも居住まいを直して話をする姿勢を取る。そんな中でトリシュがソファからひとり離れ、近くにあった美術品のようなナイトテーブルへと向かった。

「アインス様、シグナム様、シャマル様、ヴィータ様、ザフィーラ様。皆さんの真実について、なんですが・・・」

「それについては・・・なんですけど、パーシヴァルさんとトリシュちゃんは、アインス達の外見に変化が無いことについてはどう思うてます?」

はやてがいきなり核心について切り出す。と、「エリーゼ様の日記です」トリシュが1冊の鍵付きの書物を持って戻って来たかと思えば、そう言いながらテーブルの上に置いた。

「エリーゼ卿の日記の中でも特別な物で、いつの日か再びアインス様たちと出逢えた時、開帳を許す、というものです」

「歴代当主とその親・兄弟にのみに受け継がれてきた物なんです。みながその条件に従ってこれまで開帳せずにいました。ですけど、兄様の代で皆様と会うことが出来ました」

「そういうわけで、皆さんと出会ってから今日までの1週間。俺と妹は、このエリーゼ卿の裏日記を開帳し拝読しました。そして知ることが出来ました。アインス様たちの真実を」

「闇の書の管制融合騎と守護騎士ヴォルケンリッター。それが皆様の正体なんですね」

パーシヴァルとトリシュに見詰められたシグナム達は、その視線から逃れようとすることなくしっかりと受け止めている。そのまま俺たちは“闇の書”事件の大まかな全容を話した。
まずは俺とはやての出会いから。次いで“闇の書”との出会い。それから俺が楽園の番人パラディース・ヴェヒターのランサーとして犯罪者狩りを行い、あとからシグナム達が参戦してリンカーコアを一緒に蒐集した事を話す。

「パラディース・ヴェヒター・・・!」

「一時期次元世界を席巻したあの騎士隊って、ルシル様たちのことだったんですか!?」

思ったより反応が大きくて驚いた。何故かと問えば、「兄様、ランサーにライバル意識を燃やしてしまっていて・・・」トリシュが苦笑する。聖王教会騎士団最強の槍騎士、シュペーアパラディンのパーシヴァルは、大々的にランサーと名乗って有名になった俺に嫉妬してしまったそうだ。

「あの、ルシル様って、私やハヤテと同い年くらいかと思うんですけど・・・」

トリシュからの問いに俺は、歴代セインテストの魔法を引き継いでいる、というはやて達にも吐いた嘘をこの兄妹にも伝えた。すると「オーディン様の魔法ももちろん・・・?」パーシヴァルが興奮気味に訊いてきた。

「ええ、もちろん。それと、すでに察しているかと思いますが、エヴェストルムも受け継いでいます」

「見せてもらってもいいかい!?」「見させていただいても!?」

左中指にはめた指環を掲げて見せると、兄妹揃ってソファから立ち上がって身を乗り出してきた。その勢いに若干引いてしまったが、「わ、判りました。エヴェストルム、ニュートラルで起動」“エヴェストルム”をランツェフォルムで起動し、テーブルの上に置いた。

「本物、だよな・・・?」

「もちろん」

「触ってもよろしいですか?」

「どうぞ」

子供みたいに表情を輝かせるパーシヴァルとトリシュ(は、まんま子供だが)が“エヴェストルム”に触れる。そんな中で驚いたのが「わっ、結構重いですね」トリシュが片手で持ち上げたことだ。はやてがそれを見て、「トリシュちゃん、力持ちなんやなぁ」目を丸くした。

「うちの妹、華奢に見えても同年代の男の子以上の怪力の持ちぬ――あいたっ?」

「コホン!」

トリシュが、黙ってろ、っていう風にパーシヴァルの足の甲を踏んだ。そしてトリシュは「どうぞ、兄様。重いですよ」と両手で水平に持ち変え、パーシヴァルに“エヴェストルム”を手渡した。

「ずっしりと来る重み。コレがオーディン様の自作したアームドデバイス・エヴェストルム。俺、伝説に触れてる・・・!」

感極まったのかパーシヴァルの目から1筋の涙が流れた。そこまで感動してくれるのか。嬉しいな。そして話は、“闇の書”を“夜天の書”へと戻すために、何百年と続いた呪いの旅路を終わらせるために、祝福の風リインフォースという名前を管制プログラムだった元シュリエルリートに付けた事も話す。

「それで、リイン――リインフォースⅡはどういった経緯で生まれたのでしょうか」

「・・・私、アインスに寿命が生まれたからだ」

「「っ!?」」

アインスが話を切り出す。“夜天の書”の闇としての旅路を終わらせるため、はやてと守護騎士を未来に生かすため、アインスは消滅の道を選んだ。だが、融合騎としての機能を持つアインスが居なくなれば、はやては魔導騎士として半端になる。だから「・・・それゆえのリインなんですね」とトリシュが1切れのクッキーを両手に持ったまま話を聞いていたリインを見た。

「アインスの想い・願いの為にも、わたしは・・・強くなりますです!」

「ああ、期待しているぞ、リイン」

「はいですっ!」

アインスが微笑み、リインは真剣な表情で頷き応えた。“闇の書”関連の話を終えた後、「私たちのことが恐ろしくなっただろうか」アインスが不安げに訊ねる。

「いいえ。闇の書については多少なりと調べたので判っています。皆さんが悪いのでなく、歴代の主が悪いのだ、と。エリーゼ卿の日記を読めば解りますし、こうして直接話すことで判ります。皆さんがオーディン様やエリーゼ卿らとどれだけ楽しく過ごされたのかを。そして今、ハヤテを主として健全な生活をしていることも。ですから怖れなんてありません。トリシュも、そうだよな」

「はい、兄様。私も、皆様に怖れはありません」

パーシヴァルとトリシュからの敬愛感情は守護騎士の真実を知っても消えることはなく、だから「ありがとう」とシグナム達は感謝した。はやてもまた「嫌いにならんでくれてありがとう」と微笑んだ。

「パーシヴァル君、トリシュ。闇の書――正式名を夜天の魔導書って言うんだけど、はやて達が夜天の書の関係者だっていうことは局内で箝口令が敷かれていてさ。2人も教会内ではちょっと・・・」

「もちろんだとも」「もちろんです」

パーシヴァルとトリシュが確約してくれた。そして話は「ここからはシュテルンベルク家当主としての話になります」パーシヴァルの真剣味を帯びた声色で切り出されたものへ。

「ルシリオン・セインテスト君。君、好きな女の子、居るかい?」

どんな話をしてくれるのかと身構えていたら、「はい?」好きな女子が居ないか、なんて質問なんて。いない、その一言を発しようにも・・・

(なんだ、このプレッシャーは・・・!)

俺の両脇に座るはやてとシャルから視線――無言のプレッシャーに口を噤まざるを得なくなった。が、なんとかそのプレッシャーを押しのけて、「いない、かな」と答える。すると「はあ」はやては溜息を吐き、「チッ」シャルは舌打ちしやがった。

「舌打ちってなんだよ」

「べっつに~」

そっぽを向いてクッキー数枚を鷲掴みして一気に頬張ったシャルはもう放っておいて、「急にどうしてこんな質問を?」とパーシヴァルに問うと、返って来たのは「ルシル。妹のトリシュを嫁として貰い、シュテルンベルク家に再び加わってくれないか」まさかの、トリシュと結婚してくれ、発言だった。

「ぶはっ!?」

「ぎゃぁぁぁ! きったねぇー! シャル、テメェ!!」

「だぁー」

「「主はやて!?」」「はやてちゃん!?」「マイスターはやて!?」

シャルは頬張っていたクッキーを吐き出してヴィータにキレられ、はやては半開きの口から飲んでいたコーヒーを滝のように零し、シグナムとアインス、シャマル、そしてリインを驚かせた。

「ちょっとパーシヴァル君! 急に何言ってんの! ルシルはね、わたしの将来の夫なの!」

「いつ俺は君の夫になった? ん?」

「つうか、まずはお前が吹き出したクッキーを片付けろ、こら!!」

「はやてちゃん、スカートがコーヒーで汚れてます!」

「騎士パーシヴァル、トリシュ! 何か拭く物を貸してくれ!」

もうてんやわんや。ここで一旦話を切ることにした。シャルが吹き出したクッキーだったモノを片付け、はやては汚れた服を着替えるためにトリシュやアインス、リインと共に、トリシュの部屋へ向かった。

「――はぁ。しかし、パーシヴァルさん。どうしてあのような事を・・・?」

「トリシュとの結婚話かい?・・・ルシル。セインテスト家はもう君ひとりしかいないと聞く。オーディン様が一員だったセインテスト家の直系の血を絶やしたくはないんだ。というのが半分。もう半分は、恩返し、というのかな。シュテルンベルク家がこうして存続しているのは、多大にオーディン様とアインス様たちグラオベン・オルデンの皆さんのおかげだと思うんだ。
それに、エリーゼ卿の晩年の裏日記の最後にこう記されていたんだ。守護騎士の皆さんと、皆さんが心より敬愛している主と巡り合えた時は、シュテルンベルク家の全力を以って力になってあげて、と。君もハヤテも血の繋がった親族の居ない、天涯孤独の身だ。だから・・・」

「俺とトリシュの結婚に繋がる、と。・・・トリシュはこの事についてはなんと? 顔合わせ初日なのに俺と結婚なんて・・・彼女は納得して――」

頭痛の種がまた増えた、と若干ストレスを感じながらそう訊こうとした瞬間、「もちろんです!」言い終わるより早く返答が応接室の出入口から聞こえた。そちらに振り向くと、トリシュとアインスとリイン、そして淡い翠色のゴスロリドレスを着たはやてが居た。

「ただいま戻りました。・・・私とハヤテの体格、服のサイズが同じで良かったです」

「きゃぁぁぁぁ! はやてちゃん、可愛すぎです❤」

シャマルが真っ先に魅了された。シグナム達も次々と似合っている、可愛い、と褒めていく。俺も「うん、可愛いよ、はやて」と褒めると、「お、おおきにな♪」はやては照れ笑いを浮かべた。ああ、本当に可愛らしい。

「ずるーい、はやてだけずるーい! わたしも着るー!」

「イリス。お前は服を汚していないだろ。そのワンピースのままでいれば良いじゃな――」

パーシヴァルがそこまで言ったところで、シャルはティーカップを手に取ってパシャっと自分の服に掛けた。前から・・・そう、前世から解っていたことだが、コイツはやはりバカだった。

「トリシュ、服貸して!」

「・・・こちらに来て下さい、イリス。皆様、再度失礼します」

「はーい♪ ル~シル~、待っててね~❤」

シャルはウィンクしながらトリシュと一緒に応接室を後にした。

†††Sideルシリオン⇒イリス†††

トリシュの部屋で、わたしはトリシュの服に着替える。というか「トリシュの服って、結構メンドくさいよね」フリルやレース、リボンにボタンの数が半端じゃない。だからそう言うと、「でしたら、あんな事をしなければよかったじゃありませんか」ってトリシュが溜息を吐く。

「だって~。ルシルがはやてを褒めるんだもん。わたしだって褒められたいんだも~ん」

ドレスの袖に腕を通して、「んん~~~・・・って、ごめん、背中のボタン、留めてくれない?」最後のボタンに手が届かないからトリシュにお願いすると、「イリスは、本当にルシル様がお好きなんですね」そう言いながらボタンを留めてくれた。

「もちろん♪ だからさ、トリシュ」

カチューシャタイプのヘッドドレスを頭に着けて、「もしルシルのことが本気じゃないのだとしたら・・・諦めて」ガチな声で口撃。トリシュはわたしの胸元のリボンやヘッドドレスの歪みを直しながら「確かに私は、ルシル様と直接会ったのは今日が初めてです。ですが――・・・」そう言って、わたしの長い後ろ髪を櫛で梳き始める。超気持ち良い❤

「一目惚れ、というのでしょうか。一目でルシル様に惚れました❤」

「ぅぐ・・・!」

経験者だから反論できない。しかも嘘じゃなくて本気で言ってるのが解る。最悪過ぎする。ここにきてまた新しいライバルが出来るなんて絶対に嫌なんだけど。

「イリスもハヤテも、ルシル様を慕っているのは察しています。が、これからは私も参戦させていただきます」

「トリシュ、本気?」

「はい、本気ですとも♪」

トリシュと見つめ合う。そして「早速告白して参ります!」トリシュが駆け出して、応接室へ向かってダッシュ。か弱い見た目なんて詐欺だっていうほどに健康体なトリシュ。騎士としての身体能力も、弓騎士としての視力も、その全てが人並み以上。身体強化なしでの運動能力で言えば、わたしやなのは達以上だと思う。

「あーもう! 速い、足が速い!」

遅れてトリシュの部屋を出て、応接室へダッシュ。トリシュの背中はすでに見えず。遅れて「トリシュ!」応接室に入ると、「ルシル様! 私と結婚してください!」トリシュが堂々と宣言してた。思わずズッコケて、ヘッドスライディング。

「ちょっとー! いきなり何を言い出してんの! 告白ならまだしもプロポーズ!?」

「ルシル! 妹もこう言っているんだ! 改めて言おう。トリシュと結婚し、シュテルベルク家に入ってくれ!」

パーシヴァル君からも再提案されたから、「わたしは反対!」挙手。すると「わたしも反対です!」はやても挙手して反対意見を宣言。そしたら「私だって諦めません!」トリシュがあろうことかルシルの隣に座って左腕に抱きついた。

「「あああああああ!!」

はやてと2人揃って絶叫。もう我慢なんない。こうなったら「トリシュ! ルシルとの結婚を賭けて勝負よ!」“キルシュブリューテ”を起動して切っ先をトリシュに突きつけると、「イゾルデ起動」トリシュも大弓の“イゾルデ”を起動した。

「構いませんよ。管理局ではエースなんて言われているようですけど、騎士団の中ではまだまだ弱いってことを思い出させてあげます、イリス」

「言ってくれるじゃん、トリシュ。わたしだって日々成長しているってことを教えてあげる」

「俺の意見は無視か。判っている、ああ、判っているとも。こうなったらもう男は片隅に追いやられる存在だって・・・」

「あ、あのな、シャルちゃん、トリシュちゃん! ルシル君を放ってそんな勝手な――」

「それじゃあはやては婚約権争奪戦の不参加ね」

「わたしも出る!」

「もう勝手にしてくれ」

というわけで、わたしとはやてとトリシュのルシル争奪戦が始まった。シュテルンベルク邸の地下には、地上の敷地と同じ広さの模擬戦用の鍛錬場があって、そこでわたしとはやて、そんでリインがチームを組んで、「ま、俺も妹には勝ってほしいからさ」トリシュとその兄パーシヴァル君の2人チームとマジバトルを行うことに。

「シャルちゃん。パーシヴァルさんて、やっぱり強い、やんね」

「馬鹿みたいにね」

「わたしとユニゾンしたマイスターはやてと、シャルさんの2人がかりで勝てる確率って、どれだけです?」

「・・・多く見積もっても20%、かな」

「思ってた数字よりずっと良いです」

「シャルちゃん、ホンマのところは?」

「・・・5%くらい」

「負け戦確定ですぅ!?」

正直な話、パーシヴァル君が戦うなんて言うとは思わなかった。わたし&はやて&リインVSトリシュでやるつもりだったし。はやてと協力してトリシュを潰し、そのまま終わろうかと、ね。でも「大丈夫。策はあるから」わたしにはとっておきの策があるので~す。

『(さて、と・・・)シャルロッテ様、今一度目を覚ましてください!』

わたしの前世、最強の剣騎士のシャルロッテ様に戦ってもらう。もうこれしかない。心に語りかけるように思念通話を自分自身に繋げると、『ふわぁ、なに~? いい夢見てたのに~』寝ぼけ声のシャルロッテ様から返答が。シャルロッテ様に『実は――』これまでの経緯を伝える。

『にゃるほどね~。ルシルってば、次から次へと・・・。そのトリシュって子には悪いけど、私はあなたを応援したいし。いいよ、代わりに戦ってあげる。戦闘後、酷い筋肉痛になっても恨まないでね』

『助かります! ではわたしの身体、お預けします』

意識が海に沈むかのような錯覚を得て、その代わりにシャルロッテ様の意識が浮かび上がって行くのが判る。そして「うん、久しぶりの生の空気、美味しい」わたしの意思とは関係なく口が開いて、大人びた声が発せられた。

「はやて、リイン。ユニゾン後、トリシュタンを足止めして。その間に私がパーシヴァルを討つ・・・!」

「っ!・・・1人で大丈夫なんか・・・?」

「ありがとう、はやて。大丈夫。だから2人も頑張ってね」

「うんっ」「はいですっ」

そしてはやてとリインはユニゾンを果たし、わたしの身体を預かったシャルロッテ様も騎士甲冑に変身して、さらに「この背格好の方が動きやすいんだよね」大人の姿へと変身した。すると「驚いた。大人の姿になると急に美しくなるんだな、イリス」パーシヴァル君がわたしの姿を褒めた。ちょっと嬉しいかも。

「でも、うちのトリシュだって成長すれば君に負けないほどに美しくなる! ルシル、婚約をするなら今だぞ!」

シスコン発言と一緒に騎士甲冑に変身したパーシヴァル君。右手に携えるのは銀の懐中時計から変形した2m級の長槍、銘を“ロンゴミアント”。ルシルの“エヴェストルム”とは違って、一目で槍だって判る形状。

「恥ずかしいことを言わないでください、兄様」

頬を赤らめてトリシュは再度、金色の懐中時計を大弓、“イゾルデ”に変形させた。そして2人とも、騎士甲冑へと変身。お互いの順部が整ったところで、「あー、じゃあ、テキトーに始め~」ルシルの力ない合図で戦闘開始。シャルロッテ様とパーシヴァル君が同時に一足飛びで最接近。

「私の恋路のため、勝たせてもらうから!」

――炎牙崩爆刃(フェアブレンネン)――

シャルロッテ様が炎を纏う“キルシュブリューテ”を横一線に払うと同時に放たれた火炎斬撃。パーシヴァル君は「俺も、妹の恋路のために負けるわけにはいかないんだよ!」そう言ってそのまま突っ込んで、爆発に呑み込まれた。

――コード・フロガゼルエル――

爆炎の壁の奥から突進して来たパーシヴァル君の“ロンゴミアント”の穂には燃え盛る炎が。そして、そこから剣と槍の超高速剣戟が始まった。多方向からの斬撃を繰り出すシャルロッテ様と、愚直に刺突のみを繰り出し続けるパーシヴァル君。奥に引っ込んでるわたしにまで伝わってくるパーシヴァル君のプレッシャーに、わたしは恐れを抱いちゃってる。

「ちょっと待ってくれ。イリスってこれほどデキる子だったっけか!?」

「いつかはデキると思うけどね!」

シャルロッテ様の、いつか、の期待に恥じないようにもっと自分を鍛えないと。そう思っていると、『強いね、このパーシヴァルって子。こりゃ本気出さないと、逆に失礼だよね・・・!』シャルロッテ様から僅かな焦りを感じた。

――風牙烈風刃(ヴィントシュトゥース)――

「むぉ・・・!?」

シャルロッテ様が一足飛びで6mほど後退した直後、爆風の壁を放った。そしてソレは、追いすがろうと突進して来たパーシヴァル君を直撃。後方へと大きく吹き飛ばした。シャルロッテ様は容赦なく・・・

「そーら!」

――光牙烈閃刃(リッター・ネーメズィス)――

剣状砲撃を発射。着地したばかりのパーシヴァル君に着弾、爆発を起こさせた。と、「兄様!?」トリシュの悲鳴が。トリシュはトリシュで、リインとユニゾンしたはやてを追い込んでた。
弓使いとしてのウィークポイント――弓を構え、魔力矢を創り、魔力弦に番え、狙いを定め、発射、っていう工程の多さをものともしないで、はやての射撃・砲撃を相殺、または粉砕しての直接ダメージを与えようとしてた。

「焦ったー! 強いじゃないか、イリス! どうしてその強さを、騎士昇格試験で披露しない!?」

――コード・サラヒエル――

そんな声と一緒に煙の中から炎の槍が2本と高速で飛来。シャルロッテ様は「またいずれね♪」と“キルシュブリューテ”で炎の槍を切り捨てた。その直後、「またっていつだよ」背後からパーシヴァル君の声。

「10年くらいあとじゃない? もっと早いかもだけど」

――コード・フルグルゼルエル――

雷撃纏う“ロンゴミアント”の刺突を、シャルロッテ様は振り向きざまでの“キルシュブリューテ”の一閃で払い落して、すかさず空いている左手の平でパーシヴァル君の頬を「へぶっ!?」パァン!と平手打ち。
よろけたところに、そのままの勢いでシャルロッテ様は回し蹴りを繰り出す。“ロンゴミアント”の払い落し、そのうえビンタ。その2連撃で体勢を崩されたパーシヴァル君は「うごぉ!」背中で回し蹴りを受けることに。

『イリス。初めてあなたと出会った時に伝えたと思うけど、剣士だから、槍使いだから、弓兵だから、そんな先入観で相手をするのはアウト。剣士だから剣しか使わない、なんて道理はないんだからね。パーシヴァルは、そこを間違った』

『はい・・・!』

蹴り飛ばされるパーシヴァル君に向けて、「雷牙翔裂刃(ガーベル・ベファレン)!!」シャルロッテ様は獣の爪のような5つの雷撃の斬撃を飛ばした。

「させません!」

――雷喰らう怒涛の宝珠――

パーシヴァル君に着弾する前に翔裂刃に立ち塞がったのは魔力球。その魔力球が翔裂刃を呑み込んだ。魔力球を射ったのはトリシュ。見れば、はやてとリインはユニゾンが解除されて、「きゅう~~」バタンキュー。あちゃあ、やっぱりはやてには荷が重すぎちゃったんだ。ごめん。

――閃駆――

「兄様! 大丈夫で――しまっ・・・!」

景色が一瞬で流れる。トリシュの背後を取るシャルロッテ様。それに気付いたトリシュが振り返った。けど、ここでトリシュは弓騎士としてのウィークポイントにその行動を拒まれた。大きな弓を構え、シャルロッテ様に照準を付ける。その2工程が敗因。シャルロッテ様は“キルシュブリューテ”の柄頭でトリシュの腹部を打ち、気絶させた。

――コード・シャルギエル――

氷の槍が2本と飛来。シャルロッテ様は閃駆でその2本の間を駆け抜けて、パーシヴァル君に接近。そして「これで閉幕!」“キルシュブリューテ”に魔力を付加。パーシヴァル君も「上等!」“ロンゴミアント”の穂に銀の魔力を付加した。

「コード・ポースゼルエル!」

わたしの目じゃ捉えられない程の速度で繰り出された魔力付加刺突。その刺突の軌道を左の裏拳で弾き逸らし、パーシヴァル君の懐に侵入。そして“キルシュブリューテ”を逆手に持ったシャルロッテ様は「トドメ!」身体の旋回と一緒に“キルシュブリューテ”を振るった。ヒットするのは脇腹。でも・・・

「ぐぅぅ・・・!」

「お♪ これを受けて吹っ飛ばないなんて、ようやく本気になったのね・・・!」

「10も歳の離れた子供に、負けるわけにはいかないだろ・・・! 男としてもパラディンとしても!」

振り抜かれた“キルシュブリューテ”。パーシヴァル君は結局、薙ぎ飛ばされた。中空を飛ぶパーシヴァル君はそんな中でも「コード・・・マカティエル!!」銀の魔力で創られた魔力槍を投げて来た。それを前進することで避けたシャルロッテ様は「どこまでもやってやろうじゃん!」そう楽しそうに言って両脚に力を込めたその瞬間・・・

「うにゃ?」

「『シャルロッテさ――』ま?・・・え?」

いきなりシャルロッテ様が引っ込んで、わたしが表層に出ちゃった。突然、自分の身体の支配権が戻ったことで力の加減が判らず、ガクッと両膝を折っちゃった。その隙をパーシヴァル君が突かないわけもなく。

「もらったぁぁぁぁぁ!!」

――コード・パシエル――

雷撃の槍が、変身が解けて元のサイズに戻った直後のわたしに迫る。もうダメだ、当たる、そう思った時、「もうそろそろいいでしょう」ルシルがわたしを庇った。左手に携える“エヴェストルム”でパーシヴァル君の放った雷槍を弾き飛ばすことで・・・わたしを護ってくれた。

「今のをあんな簡単に・・・。ルシル。つまりそれは、トリシュとの婚約を――」

「するわけないでしょう。こんなアホな事で。俺も、トリシュも、はやても、シャルも、みんな結婚とか考えるには早すぎる。だから、保留、ということで。どうです?」

「・・・そっか。そうだな。ちょっと焦り過ぎた。だが撤回するつもりはない。真剣に考えてくれよな」

「了解です」

こうしてルシルとの婚約権の争奪戦は終わった。ていうか、『シャルロッテ様、大丈夫ですか?』シャルロッテ様に声を掛ける。すると『ちょっと疲れたっぽい。ごめんね~』陽気な声が返って来た。よかった、ご無事で。一体何があったのかと思ったよ。

「ーーうん。はやてちゃんもリインちゃんも、トリシュちゃんも異常なし♪」

それからはやてとリイン、トリシュが目を覚ますのを待って、起きたところで身体に異常が無いかをシャマル先生に診てもらった。ついでにわたしとパーシヴァル君も。結果はみんな揃って異状なし。

「腹減ったな。今は・・・17時過ぎか。夕食にしよう」

こうしてわたし達は予定通り夕食を頂いた。ちなみに、夕食時にディナス、帰って来たヴィヴィオアンとニミュエを紹介されたシグナム達は、3人の先祖と「似てる!」って興奮してた。

 
 

 
後書き
ジェアグゥィチエルモジン。ジェアグゥィチトロノーナ。ジェアホナグゥィチ。
さらに増えるルシルに恋する乙女。私自身、あまりハーレムは好まない(二次創作で、原作ヒロインズのハーレムをオリ主キャラが作るというのが特に)のですが、気が付けば今の状況に陥っているわけで。
一応、うちの場合は原作キャラでは、はやて、そしてシャマル・アインス・ヴィータ(三騎士はルシルに、と言うか、オーディンに、ですが)の4人。他はオリキャラですのでグレーゾーンだと思います。いやしかし、手っ取り早くオリ主と深く話を絡ませるにはハーレムと言うのが便利だというのも事実なのかな、と思うわけで。

「・・・自分でも何を言い出しているのか判らない・・・orz」

すいません、忘れてください。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧