戦え!!正義の兄弟戦士ジャスティスカイザー
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第十三話 立花中尉!野球は九人でするものだ!その十六
そうしてだ、その海老反りハイジャンプの頂点に達した時にだ。
大回転をした、それは。
「今度は大回転か!」
「やっぱりそれかよ!」
「どうでもいいが滞空時間長いなおい!」
「俺達どれだけ喋ってんだよ!」
「細かいことは気にするな!」
スポーツ漫画では常のことだからだ。
「気にしたら負けなんだよ!」
「それでも俺達喋り過ぎだろ!」
「解説長過ぎだろ!」
「幾ら何でもな!」
「三分は滞空してないか!」
バッター一人は打ち取っている、早い展開ならば。
その長い滞空時間、実際は一秒位の間でだ。尚智は遂にボールを投げた、そのボールは。
「分身だぜ!」
「出た、海老反りハイジャンプ大回転分身魔球!」
「番場蛮がテレビ版最終回で投げた最強最後の魔球!」
「ちなみに番場蛮の声優さんは故富山敬さんだったんだぜ!」
「古代進やヤンウェンリーの初代の人だ!」
「グレンダイザーのデュークフリードでもあった!」
「凄い演技の人だったんだ!」
説明も入れる、その説明の中でだ。
尚智は投げた、だが。
その中でだ、尚智は。
投げたその瞬間にだ、何と。
帽子を取った、すると。
そこにはジャスティスカイザーの頭があった、赤く金属のメタリックな輝きを見せるその頭がだ。そう、金属なのだ。
金属は光を反射する、そして。
その光でだ、バッターの立花の目をだった。
眩ませた、それは僅かではあるが。
立花のバッティングを怯ませた、そしてだった。
打球は僅かだが低かった、それで着地した尚智は。
頭上を超えようとするそのボールを再びハイジャンプして取った、その瞬間にだった。
「ゲームセット!」
審判の声が木霊した、それが勝利の言葉だった。
二人はマウンドとキャッチャーボックスでだ、それぞれガッツポーズをして叫んだ。
「やったぜ!勝ったぜ!」
「俺達の勝利だ!」
「海老反りハイジャンプ大回転分身ピッカリ魔球!」
「成功したぜ!」
「おい読者よく聞け!」
尚智は読者の方を指差して叫んだ、尚武も一緒にそうしている。
「このピッカリが醍醐味なんだよ!」
「帽子を取ってその光で目を眩ませるんだよ!」
「相手のバッターのな!」
「それでだよ!」
「俺達は勝ったんだよ!」
「一発カン太君みたいにミラー使ったら反則だからな!」
「頭使ったんだよ!」
ジャスティスカイザーのその頭をだ、パワースーツの金属を使ったのだ。
「これなら反則じゃねえだろ!」
「そうだろ!」
「俺達のそのスーツを使ったらな!」
「こうして出来るんだよ!」
「反則じゃなくな!」
「こうした戦術もあるんだよ!」
野球においてはというのだ。
「身体の特徴を活かす!」
「元近鉄の佐野さんにヒントを得た投法だぜ!」
所謂ピッカリ投法である、髪の毛に深い関係がある独特の投法だったとして球史にその名を残している。
「今回は卑怯じゃねえからな!」
「読者も褒めろ!」
「いいことをした時は褒めろ!」
「ちゃんとやった時はな!」
「やかましい、何処がじゃ!」
ここでまた観客から抗議の声がした。
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