ハイスクールD×D 新訳 更新停止
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第4章
停止教室のヴァンパイア
第83話 衝撃の再会です!
前書き
今回から四章の開幕です。
それから出す予定だったもう一人のオリヒロイン(22話で触れた)も登場します。
「ん、ん~…」
早朝、起床した俺は盛大に身体を伸ばす。
昨日は松田、元浜企画のカラオケで盛大に騒いだ。
アーシアが聖歌を歌いだそうとして、それをイッセー、木場、塔城が慌てて止め、その光景を見て思わず笑っちまってイッセー達に「笑い事じゃない!」って言われてしまったり、鶇が寝だして、イッセーが抱き枕にされ、それを見て松田、元浜が喚いたり、千秋、燕、アーシアがムスっとしだしたり、イッセーが部長と副部長からのメールを見てニヤついたり等があり、締めとしてイッセーと木場とのトリオで長時間歌わされたりと、久々なハメを外して騒ぎまくった物となった。
……おかげで帰ってくる頃にはクタクタだった…。
なんて事を思いながらリビングに行くと兄貴がケータイで誰かと談笑していたが、俺が来る頃には話が終わっていたのか、すぐにケータイを切ってしまった。
「おはよう、明日夏」
「ああ、おはよう。誰と話してたんだ?」
「雲雀とちょっとね」
「雲雀さん?」
雲雀とは鶇と燕の兄で兄貴と同じ賞金稼ぎ(バウンティーハンター)だ。
「で、雲雀さんとなんの話をしてたんだ?」
「今回の授業参観にも来ないのって話してたんだ」
「で?」
「忙しいし、二人も子供じゃあるまいしって言って来ないってさ」
「だろうな」
「まあ、こっそり来るんだろうけど」
「確かに」
雲雀さんは常に誰に対しても冷たく当たる人だ。
ただし、親しい人物に対してね冷たさはただの照れ隠しだったりする。
なんせ、その時になると露骨に冷たくなるからな。
しかも、兄貴以上に家族想いな為、鶇と燕の事になると特にだ。
確実に燕以上に素直じゃない。
その事は二人も知っている為、兄妹仲は雲雀さんの言動に反して普通に良好である。
むろん、俺や兄貴はもちろん、姉貴や千秋、イッセーも知っている。
悪戯好きの兄貴はよくその事で弄っていたりする。
「まったく、難儀な人だよ」
「大丈夫!僕がバッチリ攻略してデレさせるから!」
「………」
兄貴は満面の笑顔でサムズアップしながら言う。
兄貴は同じ家族想いって事でシンパシーを感じ、人となりを知り、雲雀さんの事を非常に気に入ったのか、人懐っこい兄貴は雲雀さんに端から見ても鬱陶しいぐらいによく絡んでいる。
その度に「雲雀を攻略する」なんて言ってる。
「まあ、とりあえず雲雀の事は置いておこうか」
そう言い、兄貴はテーブルの上を見る。
そこには刀身が折れている俺の雷刃(ライトニングスラッシュ)と真ん中をなにかで抉られた様に折られている千秋の黒鷹(ブラックホーク)が置かれていた。
コカビエルとの戦いの織り、致命的に破損させてしまった俺と千秋の主武装だ。
「見事にやられちゃってるね」
「……ああ」
二つとも完全に使用不可能な状態になっていた。
「直りそうか?」
「直すよりも一から作り直した方が早いと思うよ」
「……そうか」
「ああ、費用に関しては問題無いよ」
「なに?」
「これはまだ試作段階で完成品じゃないからね」
「どう言う事だ?」
「逆に聞くけど、不便だなとか思ったところとか無かったかい?」
「確かに鞘が若干重かったり、刀身強化と身体強化を併用できない事に不満はあったが…」
「その辺をどんどん改善していって初めて二人のオーダーメイドウェポンが完成するんだよ。僕のラプターズ・R&Bや竜撃銃(アーツドラグナー)もそうやって完成したんだから。で、その分の費用も前払いしちゃってるから、完成品ができるまではこれ以上費用が懸かる事は無いんだよ」
「だが、相当な額になったんじゃないのか?」
「まあ、確かに相当な額だったけど、でも、色々とサービスしてもらったし、それに結構稼いでいるのは知ってるだろ」
「まあ…」
「家族なんだし、遠慮無く頼りなよ」
「……はぁ、敵わねえな。分かったよ」
「よろしい。それじゃあ朝ごはんにしようか」
「手伝う。それくらいはさせろ」
「ふふ、ありがとう」
やれやれ、兄貴に仕送りされている内は兄貴に敵いそうにないな。
「おはよう、明日夏兄、冬夜兄…」
「おはよう、千秋」
「おはよう」
朝食の準備をしていると、千秋が欠伸をしながらやって来た。
「ねえ二人とも、家の前にある段ボールってなに?」
「は?」
なんの事を言っているのか分からず、素っ頓狂な声が出てしまった。
とりあえず、外に出てみると、千秋の言う通り、段ボールが置かれていた。
「………」
早朝、起床した俺は現在、非常に困惑していた。
「……うぅ…んん…」
現在、横に裸の見知らぬ美少女が寝ていた。
『………』
そして、そんな女の子と俺をベットの横でジト目で見ている部長とアーシア、鶇さん、燕ちゃんがいた。
「……さて、イッセー。これはどう言う事かしら?」
ヒィィィ!?部長が怒ってらっしゃる!?
「……その娘誰?」
鶇さんもなんか物凄い不機嫌だしぃぃ!?
「……い、いや、鶇さん。俺も知らない娘なんだけど…」
「なんで知らない娘があんたのベットにいるのよ…」
「いや、俺も分からないんだけど…」
一体なぜこんな事に!?
「……うぅ~ん…」
とかやってると、女の子が起きた。
「…おはようございます、イッセーさん…」
寝ぼけ眼を擦りながら挨拶してきた。
俺の事を知ってるって事は知り合い?
だけど、俺はこの娘の事をまったく知らないんだけどな…。
とにかく、この娘が誰なのかはっきりさせないと!
「あの…君誰?」
「……やっぱり覚えてないんですか…」
途端に寂しそうな顔をして言う。
やっぱり知り合い…なのか?
でも、見覚えがまったく…あれ?
なんか、無いって言い切れない様な…?
それにしても、キレイな白い肌だなぁ…。
なんて思いながら女の子の事を見てたら、つい胸に目が行ってしまった!
デ、デカイ!
なかなかの大きさのおっぱいに釘付けになっていると…。
ドダドダドダ!バタン!
「うぉわ!?千秋!?」
突然、千秋が慌ただしく乱入してきた!?
「あ、千秋ちゃん。おはよう」
「え?」
「……神楽…」
「え!?」
……一体どう言う事だ…!?
放課後、部室にて一人の少女が俺達に挨拶をしていた。
「はじめまして。本日、駒王学園一年に転入した、雪白神楽です」
少女…雪白神楽は朗らかに挨拶した。
少女は俺の方を向く。
「お久しぶりですね♪明日夏さん♪」
「久しぶりだな、神楽」
「……やっぱり、明日夏もこの娘の事を知っているのか…」
俺と神楽のやり取りを見たイッセーがそう言う。
「まあ。と言うか、お前も会った事あるぞ」
「そう…なのか…。確かに見覚えがまったく無いとは言い切れないだけど…」
イッセーが必死に思い出そうと、頭を捻っていた。
「………」
それを見た神楽が少し寂しそうな顔をする。
そこへ、当たり前の様に部室にいる兄貴が口を開く。
「あ、だったら神楽ちゃん、耳と尻尾を出したらどうだい。それから、そのポニーテールもほどいてさ」
「あ、はい!」
「へ?耳?尻尾?」
兄貴の言葉にイッセーがポカーンとしてる間、神楽は結っていた髪をほどいていた。
「………」
そして瞑目すると…。
「え?え!ええぇぇぇっ!?」
神楽に猫耳と尻尾が生え、それを見たイッセーの驚愕の声が部室に響き渡った。
「貴女、まさか猫又なの!?」
「ね…猫又…!?」
部長の言う通り、神楽は妖怪の一種の猫又だ。
「ん?あ!ああ!!ああぁぁぁっ!?」
「ど、どうしたの、イッセー!?」
イッセーが今の神楽を大声を上げた。
どうやら、思い出した様だな…。
そうだ!?思い出した!?
「君、あの時の!」
「ようやく思い出したか?」
「ああ、思い出したよ!中学の頃にお前と千秋、冬夜さんと千春さんとキャンプに行った時に会った、神楽って娘か!」
そうだよ!あの娘も神楽って名前って言ってたっけ!
「思い出してくれましたか!」
さっきまでの寂しそうな表情から一転して、嬉しそうな顔にして髪を結い直した。
「……っと言うか、その猫耳と尻尾って本物だったんだ…」
「そう言えばお前、神楽の耳と尻尾を作り物だと勘違いしてたよな」
うん、あの時はその耳と尻尾の事、作り物だと思ってた。
「……よくできてるなっていっぱい触ってましたよね……私の耳と尻尾…」
恥ずかしそうにしながら手で耳を隠してた言う。
ってそうだよ!あの時、作り物だとおもって興味本意でこの娘の耳や尻尾を思いっきり触ってた!
……作り物じゃなく本物って事は……この娘の体の一部を触りまくったって事だから……俺!この娘に滅茶苦茶セクハラしまくったって事じゃねえか!?
「え、えっと…」
「ああ、気にしてませんので!」
「そ、そう…」
「……イッセー先輩の場合、今更な気もします…」
「うっ…」
……小猫様の痛烈な毒舌をいただきました…。
「ともかく、これからよろしくお願いしますね、イッセーさん♪」
「~♪」
「……え…えっと…」
現在、神楽がイッセーの膝を枕にして猫の様に(猫又だから当然か?)イッセーにじゃれついていた。
あの後、神楽は部員の皆と一通り話した後、現在の様な状態になった。
イッセーは当然、困惑していた。
『……………』
無論、イッセーに好意を寄せている女性陣は皆、不機嫌になっていた。
イッセーもそれを察しているから余計に困惑している。
「……あ、あの、神楽……これは一体…?」
「よくこうしていたじゃないですか?」
「ええぇっ!?確か一緒に遊んだだけで、こんな事してなかったと思うんだけど!?」
「うふふふ♪」
神楽がいたずらっ子みたいな笑みを浮かべる。
「ふふ、イッセー君。この子猫を覚えているかい?」
「え?」
兄貴は懐から一枚の写真を取り出した。
それには中学の頃のイッセーと一匹の子猫が写っていた。
「あ、はい。確か、明日夏達が拾ってきて……んで、俺が神楽の猫耳と尻尾が印象的だったから、神楽って名付けた子猫…」
「そいつ、変化してた神楽だぞ」
「え?」
……………。
「ええぇぇぇぇぇっ!?!?」
一拍置いて、イッセーが驚愕の声をあげる。
まあ、まさか自分になついていた子猫が実は目の前の少女だったなんて、そりゃ驚くか。
「実はあの時、イッセーさん達と別れたくなくて、つい猫の姿になって付いてっていたんです」
「んで、その神楽を俺達が見つけたって訳だ」
「そ、そうだったのか…」
んでもって、その時の神楽はイッセーに思いっきりなついていたので、今みたいにしょっちゅうじゃれついていた。
だから、今も当時みたいにじゃれついている訳だ。
ただし、当時は子猫の姿をしていたのに対し、今は人間の姿だ。
結果、イッセーはその話を聞いても、一向に落ち着けていなかった。
ちなみに、こいつもイッセーに好意を寄せている。
あの時はイッセーが異能の存在を知らなかった事もあり、子猫の姿をしていたが、今はイッセーも異能の存在な訳だ。
故に遠慮無くじゃれついている訳だ。
「あれ?そう言えば、飼い主が見つかったとか…」
「それ、私の姉です」
「姉?」
「彼女はとある理由で家族と生き別れていたんだよ」
「そこへ偶然俺達が…っと言うより、お前に会った訳だ。んで、神楽の姉は賞金稼ぎ(バウンティーハンター)をやっていて…」
「え!?賞金稼ぎ(バウンティーハンター)って人間以外にもいるのか?」
「うん、いるよ。多くはないけど。そして偶然、神楽ちゃんのお姉さんと知り合ってね。妹を探しているって聞いて、神楽ちゃんの事を話したらドンピシャだったって訳」
「そうだったのか…」
「当時の神楽ちゃんは耳と尻尾を隠せなくて猫の姿になる以外にうまく人間社会に紛れる事ができなくってね、最近になってようやく耳と尻尾を隠せる様になってきて、本人の希望で帰ってきたって訳」
「……俺達もその事は今朝知ったんだがな…」
意図的に隠したであろう兄貴を睨む。
当の兄貴はのほほんとしていた。
っとまあ、こんな感じでとりあえず、神楽は俺達の家に居候する事になった。
……はぁ、また、いろいろと騒がしくなりそうだ。
「なあ!?また、負けたぁ!」
「君と対戦する為、ずいぶんやり込んだからな。ここの所ずっとご無沙汰だったろ?」
「すみません。ちょっと忙しかったんで…」
俺は現在、悪魔の契約取りの真最中だ。
依頼人は以前酒の相手を願いに俺を呼んだ人だった。
ここ最近はこの人に呼ばれる事が多かった。
ただ、願いが酒の相手だったり、釣りに付き合ってくれだったり、ゲームの相手になってくれなど、悪魔を呼んでまで叶えたい物なのかと思うよな物ばっかりだった。
今もテレビゲームの相手を頼まれている。
ただまあ、この人って結構羽振りが良くて、いっつもこちらの要求以上の対価をくれるんだよな。
初めて呼ばれた時は結構高そうな絵画をもらい、その後も高級そうな物を対価とくれた。
まあ、俺の数少ないお得意様な訳だから、細かい事は気にしないけどな。
「それにしても、久々に来てくれたと思ったら、まさかこんなかわいい娘をつれてくるとはね」
「どうぞ、お構い無く」
「あははは…」
実は神楽が悪魔家業に興味を持った為、見学したいと言い出した。
んで、それに部長がOKし、俺の契約取りに同行してきた訳だ。
「しかし、大人買いしましたねぇ」
「君にゲーセンに連れて行ってもらってからすっかりハマっちまってな」
「スッゲ、ハードも新しいのから古い物まで。余程のマニアでもここまでそれってませんよ」
「集め出すと止まらなくなる性分でねぇ。俺のコレクター趣味は異常だとかよく言われるよ」
「ん?」
あれ、今のどこかで聞いたような…?
「さあ、もう一勝負しようか、悪魔君…いや…………赤龍帝」
『え?』
依頼主の口から出た単語に俺と神楽は素っ頓狂な声を出してしまった。
バサァ!
『っ!?』
突然の何かの羽ばたく音に依頼主の方見ると、そこには黒い翼を生やした男が佇んでいた!?
「俺はアザゼルだ。堕天使共の頭をやってる。ふふん」
後書き
四章開幕と同時に新ヒロインとアザゼル先生の登場です。
それから神楽の紹介も一緒に更新します。
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