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DQ3 そして現実へ…~もう一人の転生者(別視点)

作者:あちゃ
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はぢめてのでぇと

 
前書き
乙女チックルネッサンス!

…えっと…………
乙女チックなマリーを書きました。 

 
船を手に入れポルトガを出港してから既に半年…
エジンベア以来、大きな港に寄港しなかった事もあり、幽霊船探しを行う前に物資の補給と水夫等の休息の為、ロマリア港へ停泊することとなった私達。
当然の事だが、私とウルフにも休暇が与えられることになる。
正直言って今日が私の誕生日なのでとっても嬉しいです!

でもお父さん達は気付いてないみたい…
全然話題に上がらなかったし…
まぁ…寂しいけどしょうがないよね…
今は冒険の途中で忙しいワケだし…

しかーし!
個人的に楽しむのは問題なかろうて!
彼氏を誘ってロマリアの町をデートだぜ!





うふふふふ…
私は今、大好きな彼氏とデートをしている。
仲良く手を繋いでデートを堪能しております!
ホント言うと腕を組んでイチャつきたいけど、身長差がありすぎて私がウルフの腕にぶら下がってるだけになっちゃうのよ…
でもいいの!
だって初めてのデートだもん!
2人きりで初めてのデートだもん!


別に何処に行く訳でもなく…ただ手を繋いでロマリアの町並みを散歩する私達。
きっと知らない人は仲の良い兄妹にしか見えないんだろうなぁ…
ところがドッコイ、ズコバコしまくりのカップルよ!
見えないだろー…私が既に処女ではないなんて…見えないだろう!

「あ、マリー!あっちに雑貨屋があるよ。ちょっと見ていこうよ」
「うん♡」
どうやらウルフは何かを探している様で、結構色んなお店に入っては、置いてある商品を真剣に物色している。
私が“何を探してるの?”って聞いても、“ううん…いい物があればなってだけだよ”って答えをはぐらかすの…

一体何を探してるのかしらねぇ?
お父さんへの日頃の感謝を込めて、仕返しグッズでも探してるのかしら?
逆バイアグラ的な薬とか…
面白そうだし、言ってくれれば協力するのに…

ウルフに連れられて入った雑貨屋さん…
ぶっちゃけウルフには似合わない店内。
可愛いテントウ虫のブローチや、モンシロチョウのカチューシャ…
ピンク地に真っ赤なイチゴのカーテンとか…彼が少女趣味だったら頷ける品揃えの物ばかり。

あ、それとも私に気を使ってるの?
でも言ったわよね!?
私は転生者で、もう少女とか呼ばれる年齢を逸脱しちゃってるって…
見た目に騙されないでね。

「あ、コレいいなぁ…可愛いよね!?」
本当に少女趣味なのかしら?
カワセミをあしらった小さな髪留めを手に取り、瞳を輝かせて私に問うてくる。
「え!?あ、うん…いいんじゃない?」
「うん。いいよね!…すみません、これをください」

困惑しながら返した私の答え…どういう風に受け取ったのかは判らないが、嬉しそうに店員を呼び購入をするウルフ…
やだな…あんな可愛い髪留めをする彼氏って…
なんか私より少女らしい。


ファンシーなお店を出ると丁度お昼ご飯時…
何だか遠くで『シーフードピザ』って単語が聞こえてきたので、港方面に戻りピザ屋を探す。
程なく海沿いのオープンテラスのピザ屋を発見。
ファンシーな彼氏と共に空いている席へと座り、シーフードピザを注文する。

オーシャンビューなこの席は最高で、本日の晴天と相俟って海が美しすぎるんです!
誰も祝ってくれないけど、自分の誕生日に満足していると、ウルフが先程購入した髪留めを取り出し私に見せてくる。
「はいマリー…」
可愛い髪留めが相当嬉しいらしく、頻りに私に自慢する…
無碍にするのも可哀想だし…
「うん…凄く可愛いね」
と、笑顔で答えてあげる大人な私。

「うん。可愛いよ…可愛いマリーが付けたら、もっと可愛いと思うよ。…はい、誕生日おめでとう」
「……………」
おや?
今、何と、仰いましたのでしょうか?

「あの~…今、誕生日って言った?」
「うん、言ったよ…今日はマリーの誕生日だろ?」
「ど、どうして知ってるの?」
「リュカさんに聞いたんだ…きっと今晩は船内でパーティーをしてくれるハズだよ。だってその為にムリしてロマリアへ寄港したんだからね!」
あ、ヤバイ…嬉しすぎて涙が出てきた…

「本当はさ…エコナバーグで何か買うつもりだったんだけど、買い物する時間が全然無かったじゃん!だからモニカさんに無理言って、ロマリアまで急がせたんだ…」
何だこの男!?
何で私を泣かすのが上手いんだ!?
涙が溢れすぎて、全然髪留めが見えないじゃんか!

私の方が精神は年上なのよ!!
なのに何で私が泣かされてんの!?
「あ、あいあとう…」
もう泣きながらなので、何を言ってるのか自分でも判らないわよ!
すると彼は優しく髪留めを付けてくれた…
ダメ…もうムリ…
この人以外、男が見えないわ!







思いっきり泣きまくり、シーフードピザを平らげて、心とお腹を満足させた私達は、再度町中へ繰り出した。
正直言ってデートの続きってより、人目を逃れる物陰がないかを探してるんですけどね!
何の為に?って…オイオイ!
聞くなよ…野暮だなぁ…

そうして気が付けばロマリア城の前に辿り着く私達…
お城から出てくるお父さん達と鉢合わせ。
「あれ?何でお城から出てきたの?お父さん達だけ、お城でお持て成しされてたの?」
そう気軽に入って良い物じゃないでしょうに…
「そうなのよマリーちゃん!貴女のお父さんは、この国の王様に気に入られてるから、特別料理をご馳走になってたのよ!」
うわぁ、マジだ!?
お前等だけ良い物食いやがって…

「ズルイ!私もご馳走食べたかったのにぃ!………何、食べたの?」
こっちは誕生日なんだぞ!
「聞いて驚けマリー!僕だけのスペシャル料理『シーフードピザ、魚介類抜き』だ!」
アレ…気が合うなぁと思ったけど“魚介類抜き”?

「……………………具は?」
「シーフード…つまり魚介類だ!」
「………抜き…でしょ?」
「抜きだ!」
何だそりゃ!?
ビザ生地にトマトソースとチーズだけじゃね?
ちょ~うける~!

「何でお父さんは、そんな嫌がらせをされてるの?」
どんだけ嫌われてるんだよ!
「うん。僕が要望したんだ!………嫌がらせのつもりで」
はぁ?意味分からん…相変わらず意味分からん!
「へ~…でも嫌がらせを受けてるのは、お父さんよね!?」
「うん。満面の笑みで、具無しピザを振る舞われたよ!ちょ~うける~!」
うん。ちょ~うける~!


私達は大爆笑しながら停泊中の船に帰って行く。
そして船内の食堂では、見事な誕生日パーティーを催してもらいました!
あー…今日は最高の1日です!



 
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