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ドリトル先生と学園の動物達

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第七幕その六

「大阪城なんだよ」
「それでその大阪城にもだね」
「行ってみるよ」
 先生はとても楽しみそうに言いました。
「あそこにもね」
「いいね、それにしても先生って本当に何にでも興味を持って学問として楽しむね」
「学者だからね」
 先生は王子の今の言葉にもにこりと笑って答えました。
「だからね」
「それでなんだね」
「やっぱり僕にとって学者は天職なのかな」
「そうかもね、学問を自然にするからね」
「こちらは得意なんだよ」
 運動は全く駄目でもです。
「だからね」
「天職だって思うんだね」
「そうじゃないかなとも考えるよ」
「じゃあ恋愛学は」
 王子は冗談でこうも言いました。
「どうかな」
「あっ、そっちはね」
 恋愛学にはでした、先生は苦笑いになって答えました。
「あまりというか全然だね」
「駄目なんだね」
「あんな難しい学問はないんじゃないかな」
「普通に出来ている人は多いよ」
「僕は違うんだよ」
 学者が天職だとしても、というのです。
「恋愛についてはね」
「ううん、今もそう言うんだね」
「誰ともお付き合いしたことはないし」
「告白とかは?」
「一度もないよ」
 そうしたこととも無縁でした、先生は。
「学生時代は本ばかり読んでいたしね」
「それはね」
「今もですよね」
 王子だけでなくトミーも言うのでした。
「それだとね」
「学生時代からそうだったんですね、先生は」
「本当にずっと本ばかり読んでいたね」
 それが先生の学生時代でした。
「子供の頃から」
「じゃあ先生の青春って」
「読書の青春だったんですか」
「それを言うと今も青春かな」
 今も本ばかりを読んでいるからです。
「そうなるかな」
「ううん、じゃあここはね」
「日笠さんと一度じっくりとですよ」
「お話してみよう」
「それがいいですよ」
 二人で日笠さんはどうかと言うのです。
「あの人交際している人いないし」
「勿論独身ですよ」
「しかも先生のことをお嫌いでないみたいだし」
「まさにですよ」
「ううん、自分ではそう思っていても」
 ここでもその奥手さを出す先生でした、学問にはとても積極的な先生ですが本当に恋愛については奥手です。
「違うってこともあるじゃない」
「相手は全然そう思っていない」
「そうしたことがですね」
「うん、あるからね」
 だからだというのです。 
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