ドリトル先生と学園の動物達
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第七幕その五
「街を囲んでいるものは殆どなくて」
「平安京や平城京はそうだったけれどね」
「あと小田原もですね」
「そう、けれどね」
「殆どのお城はですよね」
「街を囲んでいないよ」
他の国のお城と違ってです。
「言うならば領主の居城だね」
「山にあることが多いのも同じですね」
「うん、砦というのかな」
「日本では砦とお城の違いが曖昧みたいですね」
「他の国ではお城は街だよ」
まさに同義語です、このことはイギリスだけでなく他の欧州の国々もそうです。そして中国やアメリカもです。
「アラビアでもそうだったね」
「バグダートもでしたね」
「日本はお城のことを考えてもね」
「独特ですね」
「この国は本当に物凄く独特だよ」
お城も含めて、というのです。
「お茶だけじゃなくてね」
「そうそう、僕も驚いたんだ」
王子も言うのでした。
「姫路にもお城があるよね」
「うん、あのお城はかなり綺麗だね」
「そう、けれどね」
それでもというのです。
「あのお城を最初に見てびっくりしたよ」
「街が城に囲まれていないから」
「普通お城は街だからね」
王子もこう考えているのです、先生達がそうした認識ではないのです。
「だからこれがお城かってびっくりしたよ」
「他の国では城塞都市だけれどね」
街を壁で囲んで街全体をお城にしている場合はこう呼ばれます、それこそ日本以外の多くの国がこちらになります。
「日本は城下町だよ」
「お城の下に街があるから」
「そう、だからね」
それでだというのです。
「そこもまた独特なんだよ」
「大阪も城下町ですよね」
「うん、そうだよ」
その通りだというのです。
「あの街も城下町からはじまったんだよ」
「大阪城のですか」
「大阪城は最初豊臣秀吉さんが築城してね」
先生は王子とトミーに大阪城のはじまりのお話もするのでいsた。
「そこに人が集まって」
「城下町が出来てですね」
「今に至るんだ」
「それがあの街ですか」
「ローマは一日で出来た街じゃないし」
ローマは一日にして成らずです、先生はこのこともお話するのでした。
「そしてねそれは大阪もなんだよ」
「城下町からはじまったんですね」
「そうだよ、それでね」
「今みたいな大都市になったんですね」
「一度大坂の陣で焼けたけれどね」
この時にお城も焼けています、豊臣秀吉の大坂城はこの時になくなっています。豊臣氏も滅んでしまいました。
「それでも復興してね」
「ああなったんですね」
「そうだよ、江戸幕府がもう一度お城を築いて人が戻ったんだ」
「あっ、そういえばそこで名前変わってるね」
王子はこのことにも気付きました。
「大坂から大阪にね」
「そう、変わったんだよ」
「何か漢字が少し違うだけだけれど」
「名前が変わったのは確かだよ」
「大坂が大阪になって」
「今になったんだ」
「今の大阪は大阪だよ」
大坂でなく、というのです。
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