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『曹徳の奮闘記』改訂版

作者:零戦
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第六十三話

 
前書き
張コウネタが酷ければ修正します。 

 






「………久々だから疲れたわね」

 食堂で夏蓮が朝飯を食べながら呟いた。

『……………//////』

 夏蓮の言葉に七乃、霞、桜花の三人が顔を赤くする。

 夏蓮………頼むからメシ中にそれは言うな。

パリイィーンッ!!

「お、ロッタッ!? だ、大丈夫ですかッ!!」

「う、うん。わ、私はだ、大丈夫よ」

 食事をしていたロッタが夏蓮の言葉を聞いて皿を落として割っている。

「これで五枚目ですよ。何か気分でも悪いのですか?」

 凪が心配するように言う。

「だ、大丈夫よ凪」

 ロッタはそう言いながら食事を続けるが何かぎこちない。

 ………大丈夫だろうか?





 朝飯を食べ終えた俺は久々に訓練所に行った。

 昨日、クロエが目を輝きながら『牙突・零式』を教えてくれと頼み込まれて、ついつい教えてしまった。

 まぁ、そんな簡単には出来てないだろうな。






―――訓練所―――

「あ、隊長。どうしたんですか?」

「おぅ凪か。いやなに、クロエの様子を見に来ただけだ」

「クロエさんならあそこですよ」

 凪が指差す先には、木刀を持って稽古をしていたクロエがいた。

「……………」

 クロエの前には、真桜が作った訓練用の等身大の人形があった。

「………ハアァッ!!」

バキイィッ!!

 ………クロエが『牙突・零式』をしていた。

「………うっそぉん………」

 マジですか? いやマジですか?

「ク、クロエさん?」

「む? あぁ長門か」

「今の技って………『牙突・零式』……だよな?」

 俺はクロエに恐る恐る聞いた。

「あぁ。長門が昨日使った『牙突・零式』だ。上半身だけしか使わないのが難点だったが、一度使えたら後は馴れた」

「そ、そうか……………orz」

「ど、どうしたんだ長門?」

 俺のorz状態にクロエが聞いてくる。

「いやなに………これが才能という事なんだなぁと思い知っただけだ」

「??」

 クロエは俺の言葉に意味が分からず首を傾げる。

「ブルウゥゥワァァァァァーーーッ!!!」

ドゴオォォォォォーーンッ!!

「な、何やあの叫び声と地響きは………てかどっかで聞いた事がある声だな………」

「………またあいつか………」

 クロエが頭を押さえながら呟いた。

「どういう事だクロエ?」

「ついて来たら分かる」

 俺は歩き出したクロエの後ろについて歩いた。





「貴様らァァァッ!! 弱すぎる………弱すぎるぞぉぉぉ。それでも袁術軍の兵士かァァァッ!!」

「………何やねんこのカオスは………」

 思わず関西弁に戻るが気にするな。

「あ、王双の旦那」

 赤色のショートヘアをした郭淮が寄って来た。

「なぁ郭淮………あれって張コウだよな?」

 俺の視線は訓練で倒れた兵士の上に立つ張コウがいた。

 てか張コウが持っている武器………あれってハルバートか?

「あぁそうだよ。ウチの旦那さ」

「………あんな性格だったか?」

「実は、袁術軍に加入してから西方から来た商人が持っていたあの武器にえらく気に入ったんだよ。それで武器を買ってから大人しい性格が戦や訓練中は無くなってあれになったんだよ」

 郭淮が俺に説明をする。

「這いつくばれェッ!!」

 ………明らかにバルバトスだよな。

「私も最初はバルバトスがこの世界に来たのかと思ったよ。まぁ今は馴れたがな」

 クロエがポツリと呟いた。

「………まぁ仕方ないだろうな。いやしかし、若本さんの声が聞けるのはいいな」

「若本?」

「いや何でもない」

 クロエに訊ねられたが問題は無い。

「………となると、袁術軍の前線部隊にバルバトス………じゃなくて張コウを入れるか」

 戦の時に奇襲でもやったらパネェと思うな。

「なら、抑え役として私も加えてもらってもいいかい?」

「分かった。考えとくわ」

 この夫婦、意外と役に立ちそうだな。






 
 

 
後書き
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